書店で古本の100円コーナーがあり、出口のない旅という本を興味を持って買った。
作者は、動機やクライマーズハイを書かれている横山秀夫さん。
太平洋戦争末期の人間魚雷、回天に乗らざるをえなかった、ある若者の心の動きを描かれていた。
あの時代、国家の教育や虚構の報道によって、戦争を肯定するようになってきたことは、理解してはいたものの、なぜあれほどまで、国のために自分の死を犠牲にできるのか、わからないでいた。
この本を読んで、少しは感じることができた。
国のためと言いながら、そう言わざるをえなかった背景、心の中では抵抗しながら、生きたいっていう事もできなかった若者達。
特攻隊や回天で犠牲になった若者を賛美するよりも、なぜこんな時代になってしまったのか、死にたくなかったのに、なぜ国家に殺されたのかを、今を生きる僕たちが深く反省して、このような時代が決して来ないようにしないといけないと思った。
最近の道徳教育、ネトウヨ程度の幼稚な首相の言動、いつまでも彼を支持するニッポン人。
あの時代ほどでないにせよ、今の時代、共通のものがあるような気がしてくる。