日々是好日

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日記帳

患者の事情

2019年01月29日 | 
病気や肉体を題材にしたアンソロジー。
北杜夫、筒井康隆、小松左京、遠藤周作、三島由紀夫など学生時代に夢中で読んだ作家がずらり。

筒井康隆の物語が進むにつれてのはちゃめちゃぶり、北杜夫らしい愛すべきおかしな変人、小松左京の不気味なくだんのはは。
椎名誠のパンツをはいたウルトラマンは、ウルトラマン衣装が脱げなくなった男の物語だ。

渡辺淳一の薔薇連想では、梅毒になった女性が、復讐?のためというか、自分の血をばら撒きたいという衝動にかられ、次々と男と性交渉を行い、梅毒をうつしていくという怖い短編。



剣客群像

2019年01月29日 | 
池波正太郎の剣客群像。

それぞれの剣客達の短編集。
鬼平犯科帳、剣客商売など発表された充実期に書かれた作品。

創作した剣客や、歴史上の実在人物など、とても楽しませてくれる内容だった。

こういう剣客ものは、読んでいて疲れないのがいい。
短編なので、ふと夜中に尿意をもよおし、トイレへ行き、ちょっと目が冴えたかなと思った時に、この短編の一つを読む。
読み終わった頃に、再び睡魔が…………。

こうしてダラダラと読み終えた本。


ごろんぼ左之助という短編。
新撰組の原田左之助のことを書いた内容。
鳥羽伏見の戦いで、死亡したのが29歳と官軍の記録に残っている。

ところが、上野から逃げ、満州に渡り生き残っていたという記録もあるよう。
真実はわからないが、あまり知らない新撰組の末路を知ることができた。


異形のものたち

2019年01月29日 | 
年2回発行の怪談専門誌、幽を始めて読んだ。
NO28の山や海の怪談を集めた特集。

小池真理子の異形のものたちを紹介されていたので、図書館で借りて読む。
2017年11月発行
小説野性時代に発表した短編を集めた作品集。

面という短編では、浮気した夫が元の鞘に収まり、寝たきりとなって、妻が献身的に世話をするのだ。
子供が、お使いに行って帰ってくると、病室から出る医師の悲痛な表情に出くわす。

死んでしまったのかと、そっとドアを開けると、妻(母)の声にならない声を聞いてしまったのだ。
父親を見下ろしてる母親の目は、ニタリ笑い、ザマアミロという母の声。

幽霊よりも人間が怖い。

そのほか、自分が死んでしまったのに、気がつかない女性の話や、あるはずのない歯科医院で治療を受けた話など、多種多彩。

小池作品をまた読んでみたい。



回天の門

2019年01月14日 | 
藤沢周平氏の回天の門を読んだ。
清川八郎の少年時代から暗殺されるまでの文庫で561ページの長編小説。

策士とか、山師と一部では悪評高い清川八郎の生涯を読んで、その偏見が消えた。

八郎は山形県庄内藩の商人の子供として生まれ、親の財力は相当なものであったらしい。
庄内藩の郷士としての身分も得た。
頭脳明晰で、昌平黌に学び、千葉道場で免許皆伝、江戸で清川塾を開く。

桜田門外の変で、強い衝撃を受け、尊王攘夷から倒幕へ舵を切り、各地を漫遊して名士と繋がっていく。

読んでいくと、策士的な要素を十分に持つ人物のようだ。
攘夷の思想を持つ武士も、倒幕を本気で突き進めていく行動もまだ数年先である。
薩摩や長州、土佐という強力なバックボーンを持たなかった八郎が、山師的な行動を取ったのは致し方ない事と藤沢周平の論。

龍馬も、奇策の人だ。

それにしても、龍馬と八郎がこれだけ評価の違うのは、おかしいとこの小説を読んで思った。



草戸稲荷と明王院

2019年01月04日 | 日常



草戸稲荷へ
広島県内では広島護国神社に次いで初詣の人が二番目に多い。
平安時代の807年、明王院を開基したとされる空海上人が同寺の鎮守として祀ったのが最初とされる。
当初は社殿が芦田川の中州に鎮座していたが、たびたび洪水により流失して現在の地へ。





神社本庁から脱退した単立宗教法人で、神社本庁は神道政治連盟や日本会議といった政治色の強い団体と協力関係であるので、最近は脱退も多いらしい。


明王院
鎌倉時代1321年建立された本殿と、南北朝の1348年に建立された五重塔。
どちらも国宝。

中世には、現在では川に埋もれた遺跡、草戸千軒町が栄えていた。
かつての福山の中心部だ。