気が大きくて気が弱いデザイナーの会社設立日記

大学在学中ですが、京都で「建築&ウェブ」のデザイン会社を友人4人で設立しました。

旧東ドイツのパネル工法団地

2005-08-19 03:25:12 | 気になる建築
これまで本文に何の関係もなく、気になる建築をイメージとして挿入していましたが、
ひとつずつ抜き出して「気になる建築」カテゴリにすることにしました。

この写真は、旧東ドイツのエリアにある、チューリンゲン州、ライネフェルデ・ウォービス市にある
パネル工法団地です。
第二次世界大戦後に作られた社会主義時代の労働者のための団地です。
その名の通り、パネル、つまりプレキャストコンクリートのパネルでできています。
日本の多くの団地の鉄筋コンクリート造とは大きく異なる点です。

老朽化が激しく、また平面プランが狭すぎてほとんど現在の状況に対応できなくなってきました。

そこで環境先進国のドイツは、つぶして建て替える、という方法ではなく、
「団地を再生する」選択をしました。

パネル工法ですから、けっこうあっさり部分的に解体することができるんですね。
5F建てだった建物を削り取って、3F建てにしたりとか。
200~300mもの長さの巨大な住棟を羊羹のようにざくざく切って
間引くような感じで、ポイントハウスと呼ばれる、棟のような住戸にしたりとかしています。

この思い切った再生は、見た目にわかりやすく、また効果もはっきりと現れていることもあり、
ライネフェルデ市はドイツの都市計画賞のようなものを受賞しているとのことです。

なんで、いきなりこれを取り上げるのか、というと、
うちの4人の社長のうちの1名が、ここライネフェルデ市に1年間の留学をしているからです。
そして、僕らはいまここを対象としたコンペに、ウィーンの建築家と共同で
出そうと日々案を練っています。

なぜ会社を設立したのか?[3]

2005-08-17 04:37:24 | なぜ会社を設立したか
正直、若者が建築の道(特にデザイン)で食っていくのは大変です。

非常に狭き門をくぐり抜ける「大手設計事務所・ゼネコン」へ進む道。
また、作家的建築家が代表を務める「アトリエ系事務所」で、
とても食えないような給料で「修行」をするか。
極端に言えばこの2択です。(極端すぎるか?)

まぁでもある程度事実(..;)
自分はそこで悩みました。

大手設計事務所では、安定した雇用が期待できますが、設計に携われる保証はなく、
また設計に参加したとしても大きなプロジェクトの一部分のみだったりします。

アトリエ系では、ひとつのプロジェクトを1から10まで自分の担当でやる機会も多く、
設計をするすべてのプロセスを経験することができます。
ただしよく言われる月給8万円という給料…。基本的にワンマンな代表建築家。
よほどその建築家のことを尊敬したり信頼したり、経験のためと割り切らないと
難しいですね…。

で、悩んだ結果、「どっちでも無理!」って思ったんですね。
そして、第三の選択肢が「起業」でした(笑)

先の投稿で書いたように、大学の恩師「ホイヘンス」がサポートをしてくれるという
という力強いサポートもありましたので。
ある意味、アトリエ系の建築家のサポートを受けながら、
自分たち社長が方針を立てて、好きな方向に走ることができる。
そういう環境を作ることができました。

もちろんマイナスの分も大きくて、たとえば強制的に所長や先輩から教わるということがないので、
すべて独学や手探りで学んでいかねばならないこと。
同じような理由で、4人の社長の経験値がほとんど同じなので、失敗しそうな状況を
見通すようなことがなかなかできないことです。
経験を得た結果うまく行くような仕事に関しては、基本的に最初は大変だということですね。

あと、お金の面ですけど、アトリエ系のことを書いたところで「めちゃやすい給料」のことにふれましたけど、
けっきょく、我が社の社長の月給も同じです。しかも設立以来まだ未払い(笑)
8ヶ月給料未払いは、さすがに人に言うと「引かれて」しまうことも多くなったので(..;)
そろそろ「初任給」を会社から出そうかと、社長たちと相談中です(^^)


※写真はまた本文とは関係ない「とっとりフラワーパーク」です。
私の好きな建築のひとつです。
起伏の激しい土地の中を、高さの変わらない円形のブリッジがかかっています。
時には10m上空を、時にはトンネルになるそのブリッジは、いろいろな視点を
訪れる人にもたらしてくれます。
「空からUFOが回転しながら降りてきて、地面に着陸した」
そういうイメージで設計されているとのウワサ。



なぜ会社を設立したのか?[2]

2005-08-16 02:06:32 | なぜ会社を設立したか
なぜ会社を設立したか。昨日書いたことは、
主にWEB側の起業した理由だったと思います。
うちの会社は主に「建築&WEB」。
自分が大学で専攻している「建築」の分野において、
なぜ起業しようとしたかを書いておかないといけないでしょう。

これはひとえに、大学の恩師である建築家との出会いがあってのものです。
この建築家はこれから頻繁に登場するでしょうから名前が必要ですね。
とある由来から「ホイヘンス」と呼ぶことにします。

「ホイヘンス」は、様々な質の良い作品を作っている建築家で、
1回生のときに配ってもらった事務所のパンフレットを見て、
「なんかわからんけど、すごい!」と思った記憶があります。センスがとても良いと感じました。
自分の感性に一致する部分がすごくありました。

ホイヘンスは実は建築の道では有名な建築家なのですが、とても気さくな性格の持ち主で
偉そうぶるということもなく、恩師と生徒という関係ではありましたが、
25歳の年の差はありますが、友人とも言えるような非常に親しい関係を築くことができました。

自分が大学院修士1回生のとき、就職をどうするか決断しなければいけないタイミングのとき、
「建築の仕事もWEBの仕事も続けていきたい。自分で起業をしてみようかと思うのですけど、
どう思われますか?」と相談してみました。

建築設計の仕事で特にデザインの分野では、大手の設計事務所に行くか、
アトリエ系事務所と言われる建築家と少数スタッフで構成される事務所に行くなりして、
5年から10年修行をしてから独立するのが一般的なのです。

ですので、私の進言は常識的に言えば無茶な話なんですね。

でも、そこでホイヘンスは、
「今は時代も昔と変わったし、仕事さえあれば、最初から独立してやっていくことも可能でしょう。
ウェブサイトとかで建築家としての情報発信もできるし、いいものをひとつひとつ作っていけば、
必ず仕事も依頼されるようになる。やってみたらいいんじゃないかな。」という言葉があったんですね。
また、「君がそういうことを始めるというなら、おもしろそうだし、僕はサポートするよ。」
という言葉もありました。

この言葉に、ドンと背中を押されたという思いでした。
「いっちょやってみようか!」そう決意しました。
2003年の冬のことだったかと思います。

なぜ会社を設立したのか?

2005-08-15 04:29:57 | なぜ会社を設立したか
「なんで会社を設立したの?」
まわりの友人や先輩や後輩からよく聞かれることです。

ビルゲイツや孫さんやホリエモンがいかに取りざたされ
若手が起業するベンチャー企業という話題がいろいろマスコミをにぎわしていても、
25歳で起業するやつって、やっぱりある程度、珍しいわけなんですよね。

といっても、起業してからは、同い年くらいの起業した人たちに出会うことは
よくあって、しかも僕らよりももっと早く始めてたりとか、
同い年ですでに大きな規模で仕事してたりとか。
すごい人はいるところにはやっぱりいます。

で、本題ですけど、なぜ会社を設立したか。
いっぱいあって、どれが一番かはわからないんですが…。

ひとつは、学部の時代からバイトでやっていた仕事が好きだったので、
どこかの企業に就職することでやめたくなかった、ということです。

大学3回生のとき、とある縁から、あるアパレルメーカーのオンラインショップで
画像作成のバイトを始めることになりました。
このオンラインショップ、今ではけっこうな規模になっていますが、
当時は開店直後でまだ小規模でした。

バイトと言っても、シーズン毎にオープンの日があるので、
かなり厳密な納期があって、ほとんど請負業のような、そういう仕事でした。
商品の撮影から色補正から画像の加工まで、
そのオンラインショップで扱う数百にも及ぶ画像をすべて自分で担当しました。
ひとりでは手が回らなくなり、徐々に回りの友人の助けも得て、
その後、2年間ほど自分たちだけで、このサイトの商品画像の作成をしていました。

始めた当時、ある程度ウェブサイトを作ったりしてはいましたが、
プロというにはほど遠い自分、経験の浅かった自分を登用してもらって、
いろいろな経験を積ませてもらったこの会社・このサイトには本当に感謝しています。
そして、この仕事を通じて出会ったみなさまとは、僕としては本当に「仲間」と言えるような
関係を築くことができたと思っています。

ひとつのオンラインショップが、本当に一から作られていき、
どんどん拡大していくところを間近でみることができて、
またその一部を自分が担えたのは、すごいいい経験でしたし、今でも大きな喜びです。



と、過去形のように書いていますが、最初に言ったとおり、この仕事をやめたくなかったんですね。
自分の「仕事の上での原点」と言っていいこの仕事を大事にしたかった。仕事も仲間も。

ということで、会社を設立した今、このサイトの仕事は
今でも僕らの業務の大きな部分を占めています(^^)

今ではサイトの規模が大きくなり、自分たちだけですべての画像を作成するというようなことは
なくなりましたが、それでも当初よりははるかに多い量の画像を作成しています。

小さなところからはじまったこのオンラインショップは、日々拡大を目指して突き進んでいます。
このサイトの発展とともに、僕らの会社も発展していきたい。
また今まで以上に、もっと能力を高めて、このサイトの発展に貢献したいし、
また自分たちも一緒に成長していきたい。

そう思っています。


会社の設立

2005-08-14 20:29:28 | なぜ会社を設立したか
大学の友人たちと今年の1月にデザイン会社を立ち上げました。
いわゆる1円資本金企業(確認有限会社)というものです。

自分は大学と大学院で建築を専攻していまして、
今も実は在学中…休学の身ですが。

4人のパートナーとは、みんな同じ大学の同じ学年で、研究室も同じ。
いわば、6年間、同じ道を歩んできた仲間たちです。

会社の主な業務は、建築デザイン、ウェブデザイン、印刷デザインの3本柱です。
デザインする分野は多岐に渡っていますが、
どれも建築で身につけた基礎が生かせる分野だと考えています。

貧乏暇無しとは申しますが、会社を設立してからの8ヶ月、
毎日本当に忙しい日々を送っています。
1日1日が駆け抜けて行って、
冬からはじめて…今が夏であることが本当に信じられないくらいです。
でも生まれたての会社が忙しいこと、これは本当にありがたいことです。

設立した今年、全速力で駆け抜ける「1年」と思っています。
2006年1月で1周年ですが、そこをどう迎えるか。
そこで第1年目を振り返ったとき、自分たちがどういう風に思うか。
おそらく一瞬、立ち止まって考える時なのかなと思っています。

今はひたすら走る。そんな感じでしょうかね。

ブログをはじめる。

2005-08-13 23:48:36 | 気になること
定期的に物事を進めることが苦手な自分にとって、
ブログを書くということなど到底無理なような気がしています。

だけれど、ウェブの仕事に身を置く自分として、
ブログのひとつもやったことがないというのは、
ちょっとマズイんじゃないか、という想いがあったり(..;)

3日前に何をしていたか、何を思っていたかさえ
忘れてしまうくらい、駆け抜けていく毎日を
過ごしているということもあったり。

少しくらい「その日」のことを記録しておいても
いいんじゃないかなと思っていました。

また定期的に更新しなくちゃとか思わずに、
思いついたときだけ書けばいいやと、
なんとか自分を納得させ、
ブログをはじめることにした、という次第。

ブログって「気軽に始められるもの」なんだから、
ブログを始めるのに、ここまでいろいろ考えるやつも
珍しいかも(笑?)
これから、たまにはブログ書くと思います。
みなさまどうぞよろしくお願い致します。