気が大きくて気が弱いデザイナーの会社設立日記

大学在学中ですが、京都で「建築&ウェブ」のデザイン会社を友人4人で設立しました。

自分の中の「悪魔」と戦う方法

2006-04-16 23:39:54 | なぜ会社を設立したか
とある宴会の中、企業の要職に就いておられる方とお話しをする機会があった。

「自分は、どんなにしんどいときも、どんなにつらいときも、そんなときだから、背筋を伸ばして歩くようにした。自分はそうやって前に進んできた。なぜなら、悪魔は弱いものにやってくるから。つらいからと言って、背筋を丸めて歩いていたら、そこに悪魔はやってくる。そして余計につらくなる。ぴしっと自分がしていたら、そんな悪魔はやってこないもんだ。」

この話を聞いたとき、その悪魔は「自分の中にある弱気や絶望感…悲観的に考えることだ」と私は思った。「ひょっとして悪魔は自分…?」そう相手に投げかけると、「そう、悪魔はほとんどの場合、自分の中にいる」と答えて下さった。

自分のことを考える。激務の毎日の中、休み暇がないときは、本当に身体が疲れる。それと同時に精神も疲れてくるのは実感している。身体が疲れているとき、目が死んでくるし、実際背筋も曲がっている。そのときの自分の中には、弱気や絶望感に満ち満ちている。そこで背筋をピンと伸ばすことができたら、「病は気から」というようなもので、悪魔(=悲観)を、追い出すきっかけになるのだろう。

しかしこれは簡単ではない。自分の中が悲観に満ち満ちているとき、そこでしゃきっとしようと背筋を伸ばすのは、並大抵のことではないのだ。そんな気持ちを持てないからこそ、悲観の渦に巻き込まれているのだから。

ただ今回の話しをきっかけに考えたのは、絶望の谷の中にはまりこんでしまったら、そこからはい出すことはとても難しい。自分が絶望の淵のギリギリのところにいるときに、踏ん張れるかどうかが大事なのではないかと思った。その踏ん張る具体的な方法の一つが、「自分の背筋を伸ばすこと」なのではないか、と。

自分が落ちそうになっていることを、少し離れたところから自分を眺めて「意識」すること。まず、これができれば、ひとまず落ちなくて済みそうだ。その淵で粘れるかどうかは、自分の力なのだと思った。そこで背筋を伸ばそうとできる精神力を自分は持っているのかどうか。

今まで「精神力でカバーする」と言って、戦ってきていた。しかしこれは漠然とした上に、めちゃくちゃ大きなもので、大変だった。でもそこで精神力…、とても具体的な「自分の中の悪魔との戦い方」を教えてもらったような気がする。

普段、立場や仕事の違いから話すきっかけがなくて話せなかった人と、突然こういう話しができる。そして大事なことに気づくことが出来る。だから食事やお酒の席は楽しい(^^)そして人の話には発見がいっぱい。

「落ちる前に、落ちそうなことに気づくこと」
「気分を切り替えるため、自分を客観的にみること」
「絶望の淵から、希望の方へ歩こうとする意志を持つこと」

春の人事異動

2006-04-01 23:31:05 | なぜ会社を設立したか
今日は4月1日。新しい年度がやってきました。そして昨日3月31日末を持って、新しい職場に行かれた方もいるだろうし、人事異動になられた方々も多いのではないかと思います。「春の人事異動」。といっても、極小企業の弊社にはもちろんありません(..;)異動どころか事務所1室だけの弊社には、移動すらありません(^_^;

それではなぜこの話題なのか。その大きな理由は、週に3日ほど出入りしている、とある企業でのことがあってです。実は私は、会社設立前の2004年の10月、業務委託スタッフとして、とある会社の一角にデスクを頂き、週に3日ほど出勤することになったのです。それは会社設立をした後も続き、現在に至っています。

極小企業を経営しながら、大企業の中で働く。本当に良い経験をさせて頂いていると思っています。その中で、今年特に意識し、感慨深い思いをし、感心もしたのが「人事異動」です。この春、本当に数多くの方々との別れ…、異動による送別会にたくさん出席させて頂きました。同じフロアに居て、一緒に仕事をしていた方が、違う部署に行かれること。自然としょっちゅう顔を合わせていた方と、もう何かの機会がないと会えなくなること。それは寂しさを感じます。

大企業には転勤や異動がある。親も自営業で、自分も会社を経営している身から思うと、慣れた仕事を離れ、上や人事の命令で勝手に異動されるなんて、なんて理不尽なことなんだろう、と、この企業で働くまでは思っていました。しかし今年の人事異動を経験して、違う見方ができるようになりました。

人事異動される方というのは、大きな企業においての「情報とノウハウと、そして気持ちの伝道師」なのだと思ったのです。

同じ会社といえども、部署が違えば、会ったことがない、顔も知らない、名前も知らない、そんなことは日常茶飯事のようです。しかし、他部署と連携して進めていくことで、はじめて効果のでるプロジェクトはたくさんあります。またそんな大げさなものではなくても、ちょっとした質問で、他部署の人と5分話しをすれば、明らかになるけど、聞かなきゃ全然わからない、そんなことも会社の中で仕事をしているとたくさんあるようです。そんなとき、自分が一緒に1年以上仕事をしたことのある仲間が相手方の部署いると、話しのし始めが、スムーズに進んでいるように思います。

また部署が違うと、いろいろと仕事の進め方の方針が違う部分があって、それは違う部署の人間からはわかりにくい。それが自分の部署に、相手方の部署の経験者がいることによって、相手の考えていること、考え方がわかる。そうなると一気にコミュニケーションは取りやすくなります。

この関係が、網の目のように繋がっていて、大きな組織が成り立っている。一本一本の線がネットのように繋がり面の広がりになっていく。経営陣が示す会社の大きな目標とやり方、そして現場で繋がるその線の両方が伴って、組織は円滑に動いていく。ひとつの「群(ぐん)」としての強さを築いていく。そういうものなのかなと感じています。

人事異動をされていく方々を見送る時、「自分たちの思いが、全社に染み渡っていくのだ」という気がします。一滴の水染み渡っていくように。

仕事。会社。自社内でも他社相手でも、すべては「人と人」。どんどん実感としてカラダに染みてきます。もっと会社のこと、社会人たることを経験していくと、全然違ったように感じるのかもしれません。でもこの自分の中では、この想いを残しておきたいと思いまして…まとまってないけど書きました。

実はこの会社とは、全然関係ないところでも、この春から社会人になったり、転勤になった友人たちもたくさんいます。新しい環境に行かれた方々のご活躍を心より期待しています。そしてこの春お別れしても、きっと縁の繋がるみなさんとまた一緒に何かができる。そう思って、そのときを楽しみにしています。