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アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

カラヴァッジョは、きっといい人

2016-03-22 11:52:48 | 美術・芸術
うちの旦那さんは、よく言います。

「カラヴァッジョなんてさあ、絵描いてなかったら、ただのチンピラだぜえ。」

そうかもねー。

でも、旦那さんも私も、カラヴァッジョの絵は大好き。

この作品「エマオの晩餐」は、カラヴァッジョが殺人を犯してしまったすぐ後くらいに描かれたそうですが、
ハゲシイことをしてしまった後なのに、画面はとても静かです。

心の奥深くに沈み込んでいくような、暗闇と静けさ。

これを描きながら、カラヴァッジョは、何を考えていたのかなぁ・・・。

「ああ、オレはなんてことをしてしまったんだ。なんでいつもこうなってしまうんだろう。
神様、どうか、このどうしようもない哀れな私をお許しください。」

みたいなことを、真剣に祈りながら描いていたかもしれません。

だから、あたしみたいに、心の中に「どうしようもない哀れな自分」を持つ人
には、この絵がとても響いてしまう。

さて、うちの旦那さんは、テレビ大好き男でして、スカパーに加入して、暇さえあれば
ごろごろ寝転がって映画を見まくっているのですが、先日、ベートーベンの生涯を描いた映画を見ていました。

私も、仕事をしながら、ちらちら見ていたのですが、最後の方に、非常に印象的なシーンがありました。

第9交響曲の初演の日、ベートーベンは、もう耳が聞こえないんだけれど、聴衆の熱狂を見て、
この作品が大成功だったことを知ります。

その聴衆の中には、長いこと絶縁していた、彼の「永遠の恋人」もいたのですが、第9交響曲を聴いた彼女は、
ついにベートーベンに会うことを決心します。

その時の台詞。
「これほどすばらしい曲を作る人が、悪い人であるはずがありません。」

うーん、この言葉は、すごく説得力ある、と私には思えます。

つまりね、カラヴァッジョもそうなんじゃないかと思うのです。

彼は、単に、感情のコントロールが超下手くそだっただけなんじゃないかって。

「これほどすばらしい絵を描ける人が、悪い人であるはずがありません。」
そう思うの。