アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

ゴーゴーミッフィー展

2010-09-19 16:15:10 | 日記
「ゴーゴーミッフィー展」を見に行きました。

「ゴーゴーミッフィー」って「GO GO ミッフィー」かと思ったら違うの。
「55 ミッフィー」

そう、あのうさこちゃんは、今年なんと55才のお誕生日なんだそうです。

すごいねえ、うさこちゃん!

この、流行の流れの激しい時代の中で、55年間、あのスタイルで、世界中の人に愛され続けてきたなんて
ある意味、トップスターよりすごいわ!

子ども達も大きくなり、うさこちゃんやその仲間の世界からは遠のいていたワタクシですが、
一歩会場に入り、うさこちゃんの原画など見ると、とたんにばびゅーんとテンションあがります。

世の中にはいろんなキャラクターがいますけど、やっぱり、飛び抜けて可愛い。

表情があんまり無いのも、押しつけがましさがなくて、一層親しめるのかもしれません。
私たちは、うさこちゃんと一緒に、いろいろお話ししたり考えたりできますものね。

会場には、55才のお誕生日を祝って、たくさんの人からのバースデーカードが展示されて
いました。

阿川佐和子さんや、和田誠さん、さくらももこさん、堀北真希ちゃんからのカードなんかも
ありました。

中でも印象に残ったのが、絵本作家の五味太郎さんのカードでした。

お誕生日のお祝いの言葉のあと
「こないだ ユトレヒトのバス停で あなたを見かけたのですが なんとなく声をかけられませんでした。・・・」
と、続いていまして、ユトレヒトのバス停で、いろんな人に混じってバスを待っているうさこちゃんの絵が
描かれていました。

私は、このセンスに、ものすごく感動してしまいました。

うさこちゃんを、単にただの絵本の登場人物にしないで、一緒に生きてるんだって思えるような
物語と現実を、楽しく自由に行ったり来たりできるこの感じ、いいわー!!

こういうセンスが、人生を何倍も豊かに楽しくしてくれるのですよね。

江ノ島

2010-09-16 13:30:45 | 日記
やっと、秋らしい風を感じる日が出てきましたね。

夏の暑さがすごかっただけに、気持ちの良い季候はほんとにありがたい。

というわけで、朝気持ちよく起きて、家族の朝食を用意し、自分も食べて江ノ島へお出かけ。

結婚するまで、この辺に住んでいて、だからこそなのか、こういうポピュラーな観光スポットは、逆に行かない
もんですから、良く知らない。

江ノ島って、幼稚園の遠足で行って、展望台のあるお庭で遊んだよなー・・・という
はるかな記憶を頼りに歩き始めました。

長い橋を渡って、いざ島の中へ。

この島は弁天様をお祀りしてあり(だから、カップルでは行くなと言われてました。弁天様は嫉妬深いんだと)
島全体にいろんな神社が散在しています。

で、そこここでお参りしながら、島のいちばん端の岩場「稚児ヶ淵」に降りていきました。

まあ、島全体、階段だらけ。

ひたすら階段を上ったり下りたりして、岩場まで下り、潮だまりをよけつつ海の見える岩に
座るころには
「あたし、来た道を帰れるかしら?」
と危ぶむほど、膝ががくがくでありました。

夫が一緒なら、ひいひい言いながらでもゆっくり帰れるんですが、ひとりですから、みっともない
歩き方はできません。

ひとりぼーっと海を眺めながら、帰り道のための英気を養っておりますと、おお、かに君が
ひょっこりやってきました。

そういえば、潮だまりには小さい魚もいっぱい泳いでいるし、足下にはフナムシがうじゃうじゃだし
岩場には、かにもフジツボもいっぱい。

やっぱり海はいいわね。

娯楽施設なんて行かなくても、海見てるだけで、わたしは何時間でも楽しめます。

ちなみに、ちゃんと歩いて江ノ島を出られました。
今日は、ちょっとふくらはぎが張った感じがするけど、特に筋肉痛も無し。
めでたしめでたし。

松園最晩年の作品

2010-09-14 13:49:30 | 美術・芸術
展覧会も最後の方、出口に近いところに、ちょっと特別な感じで一枚の作品が展示してありました。

題名は「初夏の夕」

何か、非常に心惹かれる絵でして、つくづく眺めておりました。

薄い緑色の着物といい、女性全体の様子といい、すごく明るくみずみずしくて綺麗なのです。

で、今まで見てきた松園の作品とは、どこかがかすかに違って見えました。
単に綺麗というより・・・ ・・・

目を引いたのは、ちょっと「え?」と思うくらい鮮やかな紅の唇でした。

松園の描く女性は、おおむね、表情も口紅なんかも抑えて描かれています。
ですから、女性の感情などは、こちらが推し量る感じですね。

それが、この「初夏の夕」の女性は、真っ赤な唇で、かすかに微笑んでいるように見えるのです。

驚きの思いで見つめていましたが、これが松園74才の時の作品、つまり、松園が亡くなる
歳の作品だと知って、いよいよ驚愕してしまいました。

愛情をこめて女性達を見つめ、画業一筋に生きてきた松園が最後に
「女なら、美しく装い、明るく笑って生きなさいよ。」
と、私達に言っている様な気がして、胸がいっぱいになってしまいました。

良い展覧会でした。
本当に良い展覧会でしたよ。

松園と清方

2010-09-13 13:45:30 | 美術・芸術
つまり、清方の美人画は、きれいな女性をもっと美しく見せる絵だと感じます。
だから、隙がない。

粋で、かっこよくて、きれいで、「きゃーすてき!」な感じです。
男性ならではの描き方かもしれませんね。

一方、松園の女性は、在り様としては、すごく普通。

雨に打たれたり、雪に降られたりしながら、着物を押さえて歩く女性だったり、
赤ちゃんを抱いて「ほうら、虹が出てるよ。」みたいに虹を眺める女性だったり、
夕暮れ時の障子をあけて、外の光を頼りに針に糸を通す女性だったり。

そういう普通の女性達が、すごい気品と美しさに満ち満ちて、絵の中にいるのです。

見ていると泣けてしまう。
本当に、それくらい美しい。

これはやはり、女であり母であった松園の力でしょうね。

明治という時代に、女流画家を貫くというのは、並大抵のことではなかったでしょう。

松園は、だからこそ人一倍、真剣に見つめ、真剣に描いたのでしょうね。

その真剣さが、普通に目に見える美しさの奥にある、もう一段高い、「気品」を伴った美しさを
引き出したのではないかと考えています。

松園は
「たとえ邪な心を持った人でも、見ているうちに清らかな心になっていくような、
そういう絵をめざしている」
という意味のことを語っています。

私はこれを読んだ時、非常に感銘を受けましたが、今回の展覧会で、松園が、まさにこのとおりの
仕事をしていたことに、大変心を揺さぶられました。

画家として、究極の取り組みのように思います。

その仕事を支えたのは、松園の真剣さでしょう、間違いなく。

そして、その真剣さを支えたのは「情」だったんじゃないかな。

画集を見ていたときは「美しさ」と「気品」はすごく感じていましたが、今回本物をたくさん見て
意外にも「情」の深い絵なんだなぁ、と感動いたしました。

上村松園と鏑木清方

2010-09-11 15:34:14 | 美術・芸術
西の松園、東の清方。
明治時代の美人画の代表的な画家です。
松園は京都、清方は江戸。じゃなくて東京。

どちらも大好きです。

清方の方は、ここ数年でも大きな展覧会に2回ほどありましたし、鎌倉に「鏑木清方美術館」
がありますので、本物は何回も見ました。

清方の美人画も本当に美しく、展覧会はどれも大盛況。
ファンはたくさんいます。(なぜかオバチャマ方のファンが多い気が・・・)

印刷でしか、松園を見たことのなかった私は
「清方と松園って、すごいよく似てるな~。弟子だったのかな~。」
なんて、勝手に考えてました。

もちろん、弟子なんかじゃありません。
でも、それくらい似て「見えた」のです。

が、実際松園の本物を見たら
「あらやだ、全然違うじゃないの!」

清方の美人画は、絵の前に行くと
「きゃぃーん!! ス・テ・キー!! いいわぁー!!」
と、みーはー的感覚も混じりつつ、身をよじって感嘆し感動するのであります、ワタクシの場合。

が、松園の美人画は、そうではありませんでした。

「綺麗・・・」
と口の中で言ったきり、気がつくと「きをつけ」の姿勢で絵の前に立っているという感じでした。

なにしろまっすぐなのですよ。そのまんまの直球なの。

「清方の粋、松園の野暮」
これも言われる。

意味わかりませんでしたね。
あの気品と美しさに満ちあふれる松園の美人画が、なんで「野暮」って言われるの?って
憤慨しておりました。

これも、なんとなーくわかってきました。

ワタクシ流に、ものすごく平たく例えて言うならば

清方の美人画は「モード雑誌の、綺麗なあこがれのお姉さん」

一方松園は「○○新聞社主催写真コンテスト ファミリー部門最優秀作品」

という感じ。(わかる??)

・・・つづく・・・