なぜ今になって詳細を色々だしてます。
政府はなぜ原発の事故当時情報を隠したのでしょうか。
隠さなければならない不都合があったとしか考えようがありませんが。
政治家の利権・・・・・・・実業家の利権・・・・・・・・東電の隠ぺいのメリット
いずれにせよこの問題が解決したならば、事実をきちんと整理して東電を一民間企業として
存続可能かどうかを国民の判断を仰ぐ必要はあります。
その際マスコミはしっかり事実のみを報道することを使命としてほしい。
武田邦彦先生のこれまでの原発の事をまとめたブログが出されたので御披露させていただきます。
それそれの人がいろんな事実をつかんで頂ければと思います。
原発連休明けの生活(1) 原発のこれまで
3月12日に事故を起こした福島原発も、ようやく一段落の状態になりました。
ここでは「連休開けからの生活」について全体的に見渡してみたいと思います。これまで通りこの
ブログでは、私は家庭のお父さんとして、「あまり厳密ではなく、慌てん坊で抜けているところが
あるけれど、家族の安全を第一に考える愛情には自信がある」というスタンスでまとめて行きます。
また、将来を予想するには、過去のことを整理するのが大切なので、項目毎に「過去」と「将来」
をおおよそペアーにして話を進めます。
今のところ、{原発→放射線→被ばく→生活の注意→残された問題点など}の順序で進み、最後にメールで
お答えできなかった具体的なご質問に答えたいと思っています.
・・・・・・・・・
福島原発は3月12日に事故を起こしてから、科学的には「予想通りに進んで」います。「予想通り」
ということは、意外なことがほとんどなかったので、考えやすいことを意味しています。
私のブログの予想がよく「当たる」と言われるのですが、それは「予知能力があった」のではなく、
原発の状態が「普通に進んだ」ので、結果的に当たったように見えたということです。
まず簡単にこれまでの経緯を振り返ってみたいと思います。
・・・・・・
3月11日に大震災が起こり、福島原発が壊れました。
不幸中の幸いで、地震直後にはまだ電気は使えたので、核爆発を押さえるための制御棒を差し込む
ことはできました。それで核反応は止まりました.
しかし、多くの機器が破壊され、電源系が失われ、原子炉を冷却することができなくなりました。
原子炉は二種類の熱が出ます。
一つがウラン235が核分裂する時の熱、もう一つが核分裂でできた元素が、さらに壊れていくときの熱
(崩壊熱)です。
核分裂が進んでいるときには、崩壊熱は目立たないのですが、核分裂が止まると、今度は崩壊熱が目立ち、
それで温度が上がってきます。
それでも、核分裂に比べれば崩壊熱は小さいので、冷却ポンプさえ動いていれば冷やすのは簡単なのですが、
福島原発の場合、冷却ポンプが止まってしまったので全く冷やすことができなくなりました。
日本の原発は原子炉が水につかっています。だから冷却できずに温度が上がると、水が蒸発して蒸気になり
水面が下がってきます。
水面が下がってくると、露出した燃料棒と水が反応して水素が発生します。水素は気体ですから原子炉の
圧力を上げます。そうすると原子炉が爆発する怖れがでるので、水素や水蒸気を外側と逃してやらなければ]
なりません。
水素は原子炉圧力容器から、格納容器へ、さらに建物へ移動し、建物の中の酸素と反応して爆発しました。
1号機~4号機まで壊れ方は少しずつ違いますが、わたくしたちにとっては福島原発は、
「水が循環しなくなり、蒸発して燃料棒が露出し、燃料棒と水が反応して水素ができ、その水素が外に漏れて
水素爆発をした」
ということを理解しておけば、今後もわたくしたちの安全を保つ上で十分な知識です
・・・・・・・・・
今回の事件は最悪でしたが、水素爆発はかって不幸中の幸いでした。もしも東電が「世間から厳しく
言われるから、少しでも放射性物質を出さないように」と思って頑張ると、ついに原子炉が破裂して、
もっと悲惨なことになった可能性があるからです。
3月15日頃には、すでに大量の放射性物質が空気中に飛散し、さらに1号機~4号機まですべて破壊されると
いう状態になったので、この状態で原子炉の事故としては明らかに“レベル7”でした。
しかし、“レベル6”であるか“レベル7”であるかが重要なのではありません。いずれにしても人類史上、
最悪か、最悪に近い事故が起ったのです。
今から言っても仕方ありませんが、最初の爆発でレベル7に近いところまで行くことは判っていたのですから、
すぐ対策をとるべきでした。
まず住民の避難、それから原発から発生する放射性物質の量と風向き、それに自衛隊・消防隊・気象庁等
あらゆる関係機関を動員し、日本の国力をあげて原発の影響をできるだけ軽く済むように行動に起こす
べきだったのです。
しかし外国人が次々と東京を離れた時期、政府は、何らかの理由で発表をおくらせました。そして逆に
「大したことはない」ということ繰り返すことによって、付近住民は初期被爆を受け、国家が行動すべき
ことも遅れました。
起ったことははっきりと意識しておく必要がありますが、このブログでは今更、政府の怠慢を繰り返しても
仕方ありませんので、事実として指摘するにとどめます。
・・・・・・・・・
いずれにしても福島原発は一段落しました。
わたくしは3月中旬に、最悪の状態は、その時の250倍から2.5倍程度に低下したとブログに書きました。
テレビは「大変だ、大変だ」と言うだけで、どのぐらい大変なのかを言わなかったので、おおよその目安を示しました。
さらに4月に入ると原発は徐々に安定期に向かってきました。そこで、「貯金通帳はまとめておいたほうが良いが、
原発が爆発する可能性は20分の1程度に下がった」と書きました。
現在はさらに安定をしてきています。
わたくしが「原発が爆発する可能性」が低下したと判断した理由は、福島原発の大きさにあります。
物理や化学の分野で起こることは、「対象物の大きさによって時間が決まる」という特徴があります。
例えば、小さなコップでは何でも早くすみますが、太平洋のような大きなところでは、
同じ事でも随分時間がかかります。物理的なものは、おおよそ大きさのルートに比例して時間がかかります。
地震から数日経って水素爆発が起こったのも福島原発の大きさと関係していて、小さければすぐ
起こっていたでしょう。逆に、同じ装置が10日たっても20日たっても何も起こらないということは、
原子炉が安定してきたということを示しています。
このように福島原発では、事故発生から、制御棒の挿入、電源系の喪失、水素爆発、その後の冷却作業と
原子炉の安定状態への移行と全く順調に来ています。
今後も問題が起こらないではありませんが、福島原発の場合には、比較的、核爆発が起こりにくい構造を
していますので、その可能性は低いと考えられます。
(平成23年4月26日 午前9時 執筆)
武田邦彦
政府はなぜ原発の事故当時情報を隠したのでしょうか。
隠さなければならない不都合があったとしか考えようがありませんが。
政治家の利権・・・・・・・実業家の利権・・・・・・・・東電の隠ぺいのメリット
いずれにせよこの問題が解決したならば、事実をきちんと整理して東電を一民間企業として
存続可能かどうかを国民の判断を仰ぐ必要はあります。
その際マスコミはしっかり事実のみを報道することを使命としてほしい。
武田邦彦先生のこれまでの原発の事をまとめたブログが出されたので御披露させていただきます。
それそれの人がいろんな事実をつかんで頂ければと思います。
原発連休明けの生活(1) 原発のこれまで
3月12日に事故を起こした福島原発も、ようやく一段落の状態になりました。
ここでは「連休開けからの生活」について全体的に見渡してみたいと思います。これまで通りこの
ブログでは、私は家庭のお父さんとして、「あまり厳密ではなく、慌てん坊で抜けているところが
あるけれど、家族の安全を第一に考える愛情には自信がある」というスタンスでまとめて行きます。
また、将来を予想するには、過去のことを整理するのが大切なので、項目毎に「過去」と「将来」
をおおよそペアーにして話を進めます。
今のところ、{原発→放射線→被ばく→生活の注意→残された問題点など}の順序で進み、最後にメールで
お答えできなかった具体的なご質問に答えたいと思っています.
・・・・・・・・・
福島原発は3月12日に事故を起こしてから、科学的には「予想通りに進んで」います。「予想通り」
ということは、意外なことがほとんどなかったので、考えやすいことを意味しています。
私のブログの予想がよく「当たる」と言われるのですが、それは「予知能力があった」のではなく、
原発の状態が「普通に進んだ」ので、結果的に当たったように見えたということです。
まず簡単にこれまでの経緯を振り返ってみたいと思います。
・・・・・・
3月11日に大震災が起こり、福島原発が壊れました。
不幸中の幸いで、地震直後にはまだ電気は使えたので、核爆発を押さえるための制御棒を差し込む
ことはできました。それで核反応は止まりました.
しかし、多くの機器が破壊され、電源系が失われ、原子炉を冷却することができなくなりました。
原子炉は二種類の熱が出ます。
一つがウラン235が核分裂する時の熱、もう一つが核分裂でできた元素が、さらに壊れていくときの熱
(崩壊熱)です。
核分裂が進んでいるときには、崩壊熱は目立たないのですが、核分裂が止まると、今度は崩壊熱が目立ち、
それで温度が上がってきます。
それでも、核分裂に比べれば崩壊熱は小さいので、冷却ポンプさえ動いていれば冷やすのは簡単なのですが、
福島原発の場合、冷却ポンプが止まってしまったので全く冷やすことができなくなりました。
日本の原発は原子炉が水につかっています。だから冷却できずに温度が上がると、水が蒸発して蒸気になり
水面が下がってきます。
水面が下がってくると、露出した燃料棒と水が反応して水素が発生します。水素は気体ですから原子炉の
圧力を上げます。そうすると原子炉が爆発する怖れがでるので、水素や水蒸気を外側と逃してやらなければ]
なりません。
水素は原子炉圧力容器から、格納容器へ、さらに建物へ移動し、建物の中の酸素と反応して爆発しました。
1号機~4号機まで壊れ方は少しずつ違いますが、わたくしたちにとっては福島原発は、
「水が循環しなくなり、蒸発して燃料棒が露出し、燃料棒と水が反応して水素ができ、その水素が外に漏れて
水素爆発をした」
ということを理解しておけば、今後もわたくしたちの安全を保つ上で十分な知識です
・・・・・・・・・
今回の事件は最悪でしたが、水素爆発はかって不幸中の幸いでした。もしも東電が「世間から厳しく
言われるから、少しでも放射性物質を出さないように」と思って頑張ると、ついに原子炉が破裂して、
もっと悲惨なことになった可能性があるからです。
3月15日頃には、すでに大量の放射性物質が空気中に飛散し、さらに1号機~4号機まですべて破壊されると
いう状態になったので、この状態で原子炉の事故としては明らかに“レベル7”でした。
しかし、“レベル6”であるか“レベル7”であるかが重要なのではありません。いずれにしても人類史上、
最悪か、最悪に近い事故が起ったのです。
今から言っても仕方ありませんが、最初の爆発でレベル7に近いところまで行くことは判っていたのですから、
すぐ対策をとるべきでした。
まず住民の避難、それから原発から発生する放射性物質の量と風向き、それに自衛隊・消防隊・気象庁等
あらゆる関係機関を動員し、日本の国力をあげて原発の影響をできるだけ軽く済むように行動に起こす
べきだったのです。
しかし外国人が次々と東京を離れた時期、政府は、何らかの理由で発表をおくらせました。そして逆に
「大したことはない」ということ繰り返すことによって、付近住民は初期被爆を受け、国家が行動すべき
ことも遅れました。
起ったことははっきりと意識しておく必要がありますが、このブログでは今更、政府の怠慢を繰り返しても
仕方ありませんので、事実として指摘するにとどめます。
・・・・・・・・・
いずれにしても福島原発は一段落しました。
わたくしは3月中旬に、最悪の状態は、その時の250倍から2.5倍程度に低下したとブログに書きました。
テレビは「大変だ、大変だ」と言うだけで、どのぐらい大変なのかを言わなかったので、おおよその目安を示しました。
さらに4月に入ると原発は徐々に安定期に向かってきました。そこで、「貯金通帳はまとめておいたほうが良いが、
原発が爆発する可能性は20分の1程度に下がった」と書きました。
現在はさらに安定をしてきています。
わたくしが「原発が爆発する可能性」が低下したと判断した理由は、福島原発の大きさにあります。
物理や化学の分野で起こることは、「対象物の大きさによって時間が決まる」という特徴があります。
例えば、小さなコップでは何でも早くすみますが、太平洋のような大きなところでは、
同じ事でも随分時間がかかります。物理的なものは、おおよそ大きさのルートに比例して時間がかかります。
地震から数日経って水素爆発が起こったのも福島原発の大きさと関係していて、小さければすぐ
起こっていたでしょう。逆に、同じ装置が10日たっても20日たっても何も起こらないということは、
原子炉が安定してきたということを示しています。
このように福島原発では、事故発生から、制御棒の挿入、電源系の喪失、水素爆発、その後の冷却作業と
原子炉の安定状態への移行と全く順調に来ています。
今後も問題が起こらないではありませんが、福島原発の場合には、比較的、核爆発が起こりにくい構造を
していますので、その可能性は低いと考えられます。
(平成23年4月26日 午前9時 執筆)
武田邦彦