ネット広告、「動画」が市場拡大けん引。

　動画広告への注目度が高いのは広告主である企業がネット広告の効果を冷静に見直し始めたことが背景にある。
　二〇〇六年ネット広告の市場規模は雑誌など既存メディアと正面から競合する存在に成長。自動車、電機、金融などの分野でナショナルクライアントと呼ばれる大手の広告主がここにきて力を入れ始めた。販促につなげられる役割を求める傾向を強めている。
　「動画を広告に活用したい企業は八割」。ネット広告大手のオプトとテレビＣＭ制作の葵プロモーションが共同出資する葵オプトビジュアルマーケティング（東京・品川）の高橋弘社長は語る。テレビＣＭの転用だけでなく、ネット専用の短編動画を制作、ブランド構築などの広告戦略に活用したい広告主は多いという。「動画はネット広告市場の拡大要因」（電通総研の美和晃コンサルタント）との見方は多い。
　動画広告は技術力や制作力が問われコストも膨張しがち。制作から営業まで効率的に運営しないと収益を圧迫しかねない。今回の提携は新興ネット広告関連会社の成長の方策を示している。