変換ソフト裏技を駆使、企画書・メールを手早く正確に、カタカナ入力で英語に

2007年09月25日 | その他
専門用語の登録も有効
 メールや企画書などの作成で普段何気なく使っている日本語変換ソフト。いわゆる“縁の下の力持ち”だが、実はビジネス文書をスマートに仕上げたり、仕事を効率的に進めてくれたりする優れもの。時には恥をかくことを防いでくれる。マイクロソフト社のOSに付属する日本語変換ソフトや有料のソフトを例に、その道のプロの裏技を探った。
 国内で最も利用者が多い日本語変換ソフトは、「マイクロソフトIME」だ。ウィンドウズOSに標準搭載しているため、多くのビジネスパーソンが自然に使っている。発売から二十年を超えたジャストシステムの「ATOK」にも根強いファンは多い。
 取引先との打ち合わせの会議に同席したら、知らないカタカナ英語が飛び交っている。意味を尋ねたいが、白熱する議論の腰を折ってしまうのはまずい。悩んでいるうちに、自分の発言する順番が迫ってきた。こんな時には、会議の場に持ち込んだパソコンに搭載されたATOKを使ってみるといい。
 会議で飛び交い、意味が分からない「パーセプション」という単語をカタカナのまま入力して「F4」キーを押すと、「perception」というスペルと「認知」という意味が表示される。こんな使い方を教えてくれた佐藤洋之さんは、ジャストシステムでマーケティングなどを担当するビジネス開発グループの所属。様々な業種の企業と接することが多いだけに、身に付けた“技”だ。自身も「会議や打ち合わせ中にこっそりパソコンで調べることがよくある」と明かす。
 特有の用語を使うことが多い医療や建設などの業界で働いている人は、その業界ごとの辞書を追加するのも一つの手だ。ATOKの場合、医療辞書や東洋医学辞書、建築・土木など十種類以上の変換辞書がある。
「ら抜き」を指摘
 辞書がない場合には、自分で専門用語を登録してみるのもいい。IMEやATOKには百語以上でもまとめて登録する機能があり、必要な用語集をウェブサイトで探し、一括変換すると楽に対応できる。入社したてで知らない言葉が飛び交い不安を覚えた職場に慣れるのも早くなる。
 会話ではあまり気にならなくても、ビジネス文書となると問題になる表現もある。「見れる」「読まさせる」など「ら抜き」「さ入れ」言葉もその一つ。気付かぬうちに使っている人も多い。日本語変換ソフトに「何時に来れますか」といった言葉を入力すると、ATOKでは「《ら抜き表現》」という赤い文字を表示して間違いと、その理由を教えてくれる。「シュミレーションとしゃべっている人が多いシミュレーション」(佐藤さん)も、変換ソフトを使えば正しい発音が分かる。
 敬語の正しい使い方の指南役にもなる。「社長が参られた」と尊敬語と謙譲語を混同した使い方を入力すると、「いらっしゃった」「おいでになった」など代わりの表現を示してくれる。日常的に使っているうちに、正しい日本語や敬語の使い方などが知らず知らず身に付くかもしれない。
アドレス帳登録
 「メールソフトのアドレス帳や、同僚の変わった名前などは日本語変換ソフトに登録しておくと、文章やメールがスムーズに素早く書けるようになる」。教えてくれた清水哲郎さんは、マイクロソフトの「ワード」に関する著書があり、国学院大学でパソコンの効果的な使い方などの講座を持つ。
 メールソフトのアドレス帳を変換ソフトに登録しておけば、文字を変換する時に登録してある同僚や取引先の名前を優先的に表示し、変換すればメールのアドレスも選ぶことができる。メールを素早く書くことができれば、他の業務やプライベートに充てられる時間も増える。
 単語ごとの細切れ変換から、一文丸ごとの変換に切り替えることで、文書やメールの文字入力の速度があがる。「ソフトを信じて一文単位で変換すれば、文章を作成する効率が上がります」と、清水さん。
 毎日のように接する変換ソフトも使い方次第で、ビジネスマナーや正しい日本語が身に付き、仕事の効率も上がる道具に変わるのかもしれない。