トリカル、物々交換支援サイト開設

2007年06月01日 | WEB/検索エンジン/SEO/SEM
会員50万人
 サイト運営のトリカル・ウェブコミュニケーションズ(東京・豊島、大浅裕介社長)は一日、物々交換支援サイト「トリカル」を開設する。CD、DVD、ゲームで欲しい物、不要な持ち物を登録し、利用者同士の希望が一致すれば交換できる。サービスは無料で、トリカルはサイトに掲載する広告などで収益を確保する。同様の物々交換サービスに比べた手軽さを売り物にして、三年以内に五十万人の会員獲得を目指す。
 利用者は無料の会員登録の後、手持ちの不要な商品と、欲しい商品を登録する。ネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・渋谷)の商品データベースと連携しており、商品登録の際は品物の名前などをここから検索し、「新品同様」など商品の状態を選ぶだけで済む。オークションのように自分で商品写真を撮るなどの手間はいらない。ただし、アマゾンのデータベースにない商品は登録できない。
 サイトでは自分が欲しい商品の持ち主を一覧でき、その中の一人に交換を提案できる。相手が欲しい商品を自分が持っていない場合は、他の持ち物を代替商品として提示すればよい。両者が交換に合意した時点で、トリカルのシステムが住所をお互いに公開する。利用者はそれぞれ三日以内に商品を送付する。これらの一連のサービスも無料で利用できる。
 取引後には相手を五段階で評価する。会員ごとに評価や取引相手のコメントが公開されるので、交換相手として信頼できるかどうかの判断基準となる。
 二〇〇八年三月までに、十六―三十代を中心とする二十万人の会員と、月間五千万ページの閲覧数獲得を目指す。今夏には携帯向けサイトも始める予定。ゲーム、音楽、映画関連のネット広告やシステム外販による収益を見込む。
 トリカルは昨年十二月、今回のサービスを手がける目的で設立された。物々交換支援サイトはベンチャー企業を中心に今春以降、参入が相次いでいる。ヤフーが三月に開設した「ヤフー!なんでも交換」は、利用者が「あげます!」「ください!」などのメッセージを公開し、交換希望者と二人だけが見られる専用掲示板で自由に交渉する仕組みだ。トリカルのように、交渉のマッチングまで自社の管理画面上で処理するサイトはまだ少ない。

 物々交換支援サイトはネットオークションと同様に、利用者同士が取引条件を決めて、商品をやり取りする。オークションでは、落札代金を受け取ったにもかかわらず商品を発送しないような詐欺行為が起きている。一方、物々交換支援サイトは代金の振り込みという行為が生じないので、お金をだまし取られる危険性は少ない。
 交換時に相手が商品を送ってこない詐欺も考えられるが、商品を受け取るには正しい住所を相手に伝える必要があるので、不正を働きにくい面がある。「商品の価格も低いので、詐欺行為を働くリスクは大きすぎる」(大浅社長)とトリカルではみている。
 ただし、届いた商品が想像以上に汚れていたり、ゲームが自分の機器では動作しないなどの問題が起きる可能性もある。その場合は取引相手と個別交渉する必要が生じる。
 トリカルは利用者からの通報や自社での監視により、掲載情報とは異なる質の悪い商品ばかり送る悪質な利用者や、不自然に多数の取引をするような詐欺の疑いのある利用者への警告、ID削除などを実施し、トラブルを未然に防ぎたいとしている。