ネット利用者の商品購入までの過程、「評価チェック」最多、電通が報告書。

2005年10月18日 | 通販/モール
企業は口コミ活用を
 電通は「ネットアクティブ男女の情報&消費生活」と題した報告書をまとめた。報告書では、ネットの普及により消費者が商品を知ってから購入するまでの過程で「検索、評価チェック」と「意見共有」といった行動が加わり、大きな変化が生まれるため、ネットの特色を生かした新たな企業広告づくりが求められると提言している。
 報告書は二十―三十代の女性向けサイト利用者を対象に六月に実施した「女性インターネットライフ調査」(回答者数六百二十五)と、過去三年以内にデジタル家電購入経験のある男性を対象に八月に実施した「男性インターネットライフ調査」(同三百)などを基にまとめた。
 調査では「ネット導入後、商品購入プロセスでふえたと思うこと」の質問に対し、男性、女性とも「インターネットで商品評価チェック」が最も多かった。また別途実施した「化粧水に関する意識と購買調査」では「購入したスキンケア商品が気に入った場合、口コミ発信行動をしているか」という問いに対し、六八%が友人や家族に話し、一四%がネットに書き込むと回答した。
 電通ではこれらの調査結果を受けて、消費者が商品を知って購入するまでの過程として広く知られる「AIDMA」(アテンション=注意喚起、インタレスト=興味、デザイア=欲求、メモリー=記憶、アクション=購入)に代わる、新たな商品購入過程を提唱した。欲求と記憶に代わり「サーチ(検索、評価チェック)」と「シェア(意見共有)」が加わり、「AISAS」になるという。
 企業が消費者に対するコミュニケーションにおいて、口コミやネットを含めた複数のメディアの活用が求められるという。
 具体的には(1)「CtoC(特にネット口コミ)の活用」(2)テレビCMからネットへの誘導を図るような「マス(メディア)からネット誘導型のコミュニケーションの進化」(3)ネットにある利用者の声を広告に反映するような「消費者視点の情報を(広告へ)フィードバック」(4)ネットから本のしおり、Tシャツまで様々なものをメディアとする「クロスメディア参加型コミュニケーション」の四つを注目点に挙げている。