The Place

自分の言葉で、ゆっくり語ること

春風

2011-05-03 11:49:13 | 日記
ことあるごとに思い出したり読み返す言葉がある。
これがその一つ。

 僕には心を捨てることはできないのだ、と僕は思った。
 それがどのように重く、時には暗いものであれ、あるときにはそれは鳥のように風の中を舞い、永遠を見わたすこともできるのだ。
 この小さな手風琴の響きの中にさえ、僕は僕の心をもぐりこませることができるのだ。

  村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」より