お下がり

最近は滅多に顔を合わせなくなってしまったけれど、僕には姉が二人居る。

歳は２つ上と４つ上だ。

どちらも結婚して、それぞれに二人の子供が居る。

今ではそれぞれ別々の街に住んでいるが、もちろん子供の頃は同じ家で暮らしていた。



僕は３人兄弟の一番下なので、小学生の頃は、服とか勉強道具とか、よく姉２人のお下がりを使わされていた。

お下がりのカバン、お下がりの自転車、お下がりの机、お下がりの笛、お下がりの教科書、お下がりの体操着、お下がりの絵の具セット・・・

女の子っぽい柄の服を着せられたり、ピンク色の自転車が嫌だった。
体操着のクラス名を何度も塗りなおして着ているのも恥ずかしかった。
兄でも弟でも、男の兄弟が欲しいと、しょっちゅう考えていた。

エコとかMOTTAINAIとかいう言葉がチヤホヤされる時代の、ずっと前の話だ。



今ではお下がりをもらうことは少なくなったけれど、それでも、財布と腕時計は、２人の姉が使わなくなったものを譲り受けて使っている。