公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

仮想通貨がもたらすもの

2016-12-19 11:31:56 | 経済指標(物流と金融)
『インターネット上の仮想通貨ビットコインの世界取引が拡大している。円換算した11月の売買高は15兆円超と前月に比べ5割増え過去最高になった。けん引役は中国で、全体の9割を占めた。米大統領選後のドル高・人民元安を受けリスク回避の売買が膨らんだ。取引規制の網をかいくぐり、個人が仮想通貨を使い資産を海外に移す動きも広がる。【上海=張勇祥】』日経

仮想通貨がもたらすものは、有限情報の資産化が進み、情報を管理する業務(サーバー技術+電力)が富を創造するようになるということだ。金鉱や銀鉱を掘る代わりに、人類は有限情報を掘り当て、コインの証文にする。

もひとつ、これまでのように戦争によって独立した国民国家政府から通貨発行権を奪わなくても、中国のように外貨不足と革命がおこりやすい国は、通貨下落と流動性不安を感じて、自ら進んで通貨発行を空洞化するということ。現実に中国国内では個人の数千ドルの申込みでさえ、両替のドルが不足しているらしい。




日経『中国から資本が逃げる ドル高・人民元安の先に
2016/12/20 1:34[有料会員限定]

 10月1日の国慶節(建国記念日)。重慶市の40代男性は家族で香港に飛び立った。妻子をホテルのプールに残し、向かった先はIFAと呼ばれる金融アドバイザーの事務所。休暇を兼ね、外貨建て保険を購入するのが目的だった。

 複数の保険を吟味し、大手AIAの保険に決めた。年3万元(50万円)相当を積み立てていく。「高利回りが見込めるため」と男性は語るが、もちろん別の狙いがある。資産の海外移転だ。保険を買う形なので、年間5万ドル(590万円)という両替制限には該当しない。銀聯カードで支払える手軽さも魅力だった。

 人民元は2016年、ドルに対し6%強も値下がりした。下落率は元切り下げがあった15年より大きい。通貨当局は海外送金などの規制を断続的に打ち出したが、思惑とは逆に市場の元安予想はかえって強まった。「ドルの現金がなく、ご希望の額すべては両替できません」。数千ドルの両替で銀行窓口にこのような対応を受ければ、だれだって不安になるのは当然だ。

 結果、中国である程度の資産を持つ層はいま、様々な手段で資金を海外に逃がそうとしている。ビットコインを使った流出も勢いを増している。トランプ氏が米大統領選に勝利した11月はドル高・元安が進む裏で、ビットコインの取引が過去最高に膨らんだ。うち9割を占めたのが中国だ。

 「1日の送金上限は200ビットコインです」。北京の大手ビットコイン取引所の担当者は事もなげに話す。足元のビットコイン価格は790ドル前後。15万ドルを超す金額をやすやすと移転できる計算だ。「ハンドキャリーは有効」「地下銀行も健在」。ネットでは流出ルートを探る記事も目につくようになった。

 12月、ドラや鐘が響く中で始まった香港と深圳の相互取引も振るわない。深圳株の取引は1日あたり20億元ほど。エアコン最大手の格力電器、東芝の白物家電買収で名をはせた美的集団が名を連ねる割には寂しい数字だ。「元安や資本流出への懸念がくすぶる中では手掛けにくい」。香港のファンドマネジャーは話す。

 場当たりな金融行政を繰り返す中国への不信感も強い。15年の株バブルの崩壊以降、当局は「国家隊」と呼ばれる政府系資金を動員して買い支えに奔走した。上海総合指数が3000を上回ったところで落ち着くと、今度は次なるバブルの抑制策に着手した。不動産への投資規制を受け、資金が改めて株式に流れ込むのを恐れているのだ。

 今は複数の保険会社がやり玉に挙がり、特定銘柄の買い占めで株価をつり上げたなどと糾弾している。相場を安定させることだけに気を取られ、自由な株価形成のもとで銘柄選別や資金調達の場を提供するとの意識は失われている。

 15日には国債先物が初めてストップ安をつけた。中国は今、資本逃避に歯止めがかからなくなっている現実を受け止める時期に差し掛かっている。

(上海支局 張勇祥)
』日経

外貨の次はFoxcon 鴻海グループ工場の中国離脱だ。
『天に昇るには、少なくともはしごがどこにあるのかを知らねばならない。もしフォックスコン(鴻海)が中国から逃げ出せば、そこにつながる中小企業群は行き場を失う。中国社会は、大事なはしごを失うことになるだろう。
(在北京ジャーナリスト 陳言)』

『中国ファーウェイが、クラウドデータベースのセキュリティーを提供するイスラエルのベンチャー「ヘクサティア」の買収に向け、交渉を行っていることが分かった。近く合意が成立する見込みという。2人の関係筋が20日、明らかにした。ファーウェイは買収により、イスラエルにクラウドデータベースの研究開発拠点を設立する考え。ファーウェイの任正非総裁は数週間前、イスラエルを訪問していた。ヘクサティアは従業員40人。クラウド上の情報保護に加え、実際のコンピューターのセキュリティーも提供している。(テルアビブ=ロイターES・時事)』
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 段ボールは経済活動の実需の鏡 | トップ | 夢のまた夢のマッチは意外な... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。