功山寺決起

青山繁晴事務所から自由民主党の党員になりました。(2020年)

有識者会議の報告書は「3案」 (2022/01/27/ニッポン放送)

2022-01-31 22:10:01 | ニッポン放送

皇室の活動を維持するための皇族数確保策

政府の有識者会議の報告書提出を受け、自民党では1月24日、国会内で皇室に関する課題を議論する懇談会の初会合が開かれた。皇室の活動を維持するための皇族数の確保策について、今後慎重に議論する方針を確認した。

飯田)昨日(26日)、日本維新の会も調査会を設置し、初会合が開かれました。立憲民主党も検討委員会を昨日、国会内で開いたということです。この報告書2案が軸となっておりますが。


有識者会議の報告書は「3案」

青山)私からのお願いとして、メディアには事実に基づいて見直して欲しいのですが、報告書は2案ではないですよ。3つです。

飯田)3つ。

青山)有識者会議の今回の報告書は、僭越ですが高く評価しています。まず書きぶりがやさしい言葉で書いてあり、一般国民に読んで欲しいという志がはっきりと感じられます。

女性皇族が結婚後も皇室に残る ~配偶者や子どもは皇族にならない

青山)まず2案について言っておきます。第1案目は、内親王の方々、一般に言うと女性皇族です。皇族ではない方と結婚されたあとも、皇族に留まられるというものです。ただし、大事なことが付け加えてあって、その場合は「配偶者や生まれたお子様は皇族にはならない」ということを担保しなくてはならない、ということが書いてあります。第1案目はその部分も言うべきです。

旧宮家の男系男子の養子縁組などによる皇籍復帰

青山)2案目はいわゆる旧宮家です。GHQが勝手に外せと言っているだけですから、私は旧を付けるのもおかしいと思いますが。その宮家のなかで、神武天皇に父系一系でつながる男子を……女性差別ではなく、父方を辿れるという意味ですけれども、その方々の養子縁組を、皇室典範を変えて可能にするということです。


第3案として、旧宮家の男系男子は養子縁組などを経ずに戻っていただく

青山)その2案に加えて、3案目が書いてあります。これは旧宮家の父系一系でつながる男子の方々に、養子縁組などを経ず、そのまま戻っていただくという案です。私たちのような普通の戸籍ではなく、「皇統譜」という皇室専用の戸籍があるのですが、そこに戻っていただく。

飯田)第3案として。

青山)第3案については、「先の2案で十分でなかった場合に考えるべきだ」ということが留保として書いてあるのですが、これはあくまでも3つ合わせた案なのです。

メディアはなぜ「2案」と報道するのか

青山)しかし、公共放送とおっしゃるNHK含め、2案しかないように報道していること自体が、事実に反します。主義主張やイデオロギーの問題ではなく、事実として3案が出ているのです。

飯田)3案まである。

青山)有権者の方々にお願いしたいのは、わかりやすい言葉で書いてあり、ホームページなどでも簡単に見ることができますから、それを見ていただいて、私の言っていることが正しいのか、メディアが正しいのかを確認していただきたいです。

皇族数の確保から

青山)私が不肖ながら代表を務めている「日本の尊厳と国益を護る会」(略称・護る会)には、自由民主党の現職議員が72人もいるのですが、その護る会が歴代総理にお出しした提言書の肝の部分を、全部盛り込んでいるのです。

飯田)提言書の肝の部分をすべて。

青山)丁寧に書いてあります。慎重に国民の理解を求めること、あるいは第3案に関して、「1、2案がうまく行かないときに考えるべき」など、丁寧に留保が付いています。今回も、皇族数の確保ということですが、その先には、父系一系による皇位継承を安定させるという目的があるわけです。

飯田)父系一系による。

青山)上皇陛下が前にご譲位されたときのご年齢などを基準にして考えると、今上陛下の次の陛下が即位されるのは、結婚されているであろう年齢で、その際に男子がいらっしゃらなかった場合、初めて危機が具体化する。それまでにはまだ時間があるということです。いきなりそこに飛ぶのではなく、まずは皇族数の確保という、みんなの目に見えていることから考えましょうということです。

報告書の中身を勝手に割愛して報道するのは、報道機関の自殺行為

青山)丁寧にやっているけれども、出している3案は護る会の提案書とほぼ同じなのです。それは画期的なことで、小泉政権のときとは真逆ですから。これも報告書を読んでいただきたいのですが、小泉政権時の有識者会議は逆に、「旧宮家と言っても何十年も経っているからダメだ」と。メディアには聞いても、国民には1度も政府として公式に聞かなかった。メディアには聞いていると言っても、予備知識のないまま聞いているのですから。

飯田)予備知識のないままに。

青山)そういう曖昧な状況に基づいて、「旧宮家と言っても国民に支持されない」と勝手に断定し、報告書をつくっていたのです。それを全部ひっくり返して国民に支持、理解を得ることは可能であると。だからこそ、丁寧に議論しましょうということになっているのです。全体として事実のまま報道し、その上で国民世論に聞くべきです。

飯田)事実のままに。

青山)入り口から報告書の中身を勝手に割愛して報道するというのは、報道機関において自殺行為だと思います。記者を18年9ヵ月務めた立場からもそう言います。記者時代であれば、私はこれに絶対に抵抗します。3つの案が出ているのですから、「あんな嘘記事を書いてはダメだ」と。キャップやデスクとどれだけ対立しても、絶対にそれはやったと思います。なぜ現場の記者がもっと言わないのでしょうか。



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1月に「答えて、答えて、答える!」(2022年)

2022-01-31 16:43:49 | 日本文化チャンネル桜






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「佐渡金山についての夕べの電話だけれど」(2022/01/27/ニッポン放送)

2022-01-30 20:50:49 | ニッポン放送

「佐渡島の金山」ユネスコ世界文化遺産登録 ~推薦書の提出期限迫る

「佐渡島の金山」(新潟県)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録するため、推薦書を提出しなくてはならない2月1日の期限が迫っている。

飯田)「佐渡島の金山」ユネスコへの世界文化遺産登録について。文化審議会からは推薦するべきだという声が出ていて、日本政府は「総合的に判断する」と言っています。昨年(2021年)末には、事実上これを見送るという報道もありましたが、現状はどうなっていますか?

青山)岸田総理が国会答弁で、「推薦期限は2月1日で、1月末までにはまだ時間がある」とおっしゃっています。1月末までに岸田総理自身が決断するということです。内部を十分調べていますけれども、「推薦しないと決まった」という事実はありません。【※編集部注:政府は28日、推薦する方向で最終調整に入った】

岸田総理の考え ~「推薦して終わりではなくて、登録させないといけない」

青山)この間、参議院で予算委員会が始まる前に、少し時間があったのです。そのときに岸田総理が与野党議員が見ている前で、私に普通の声で話しかけて来られたのです。

飯田)委員会室で。

青山)「佐渡金山についての夕べの電話だけれど」とおっしゃいました。あとは私が声をひそめたので、ひそひそ話になりましたが。この件を公共の電波でなぜ言うかというと、ただの立ち話だったので私も予想外でしたが、総理動静に出たので一部を明らかにします。

飯田)立ち話であったけれど。

青山)これまで総理に直接交渉して来ていますが、政府の一部である文化庁の審議会が、法に基づいて推薦を決めたのですから、推薦して当たり前なのです。それを政府自らが覆すようでは一貫性がありません。「推薦しない場合、韓国の不合理な主張を認めることになりますよ」「だから推薦してください」ということを国会議員、自由民主党の一員として、総理を含め直接交渉しているわけです。それに対して、おそらく岸田総理の考えは、「推薦して終わりではなく、登録させないといけないから」ということなのです。

飯田)登録まで持って行かないといけない。

日本が焦って推薦することを韓国が手ぐすね引いて待っている ~外務省の努力が足りない

青山)それがまさしく文化庁の審議会が決めたことを貫徹することになるのです。推薦して負けました、ではダメだということです。少なくとも岸田総理の認識は、いまのところ「韓国の工作活動にかなりやられていて、焦って推薦することを韓国が手ぐすね引いて待っている」というものです。

飯田)日本が推薦することを。

青山)これは外務省のいままでの努力が足りないということです。総理はおっしゃっていませんが、国会議員としては言わざるを得ません。同時に、ユネスコに対する韓国の工作活動は、常軌を逸しているわけです。

飯田)常軌を逸している。

青山)日本が決して使わないような手段も含め、工作していると思われます。外務省が怠けていたというわけではないけれども、現実問題として、登録を勝ち取るにはどうしたらいいかという考えが総理のなかにあるのです。


推薦を1年延期しても韓国の工作は止まない

青山)ただ、ここは私とは考えが違っていて、1年延ばして2022年度に推薦を持ちこしても、韓国の工作が止むわけではありません。間違いなく韓国側は両睨みの体勢で、右手では2021年度の推薦を手ぐすね引いて待ち構えているけれども、左手では日本が韓国の浸透ぶりを見て1年延ばした場合の対応も、十分なお金を使ってやっていると思われます。だから、延ばしてもいいことが起こるわけではありません、ということを申し上げています。

期限までに推薦を出さなければ、世界は「日本にとって困る点がある」と判断する

飯田)衆議院の予算委員会で、高市早苗政調会長がまさにその質問をされていましたし、私がインタビューさせていただいたときもおっしゃっていました。来年(2023年)になると、ユネスコの世界遺産登録を審議するメンバーとして、韓国が入る可能性があるということです。来年出すと2024年の審議になるから、韓国も審議のなかに入って当然ながら反対もするし、内部で自由な工作もできるだろうから、今年に出した方がより通りやすいのではないかという指摘をしていました。

青山)高市政調会長が質問なさる前に、私も高市さんと議論していますが、高市さんは熱意を持って取り組まれていて、よく調べていらっしゃいます。かつて外務省が昭和30年代に出した見解なども、中身は紹介されませんでしたが、よく把握していらっしゃいます。

飯田)そうですね。

青山)もともと韓国の主張については不合理な点があるということを、かつてはもっとはっきりと言っていたわけです。押しに押されてこういう奇妙なことになっている。したがって、来年度に出した方が不利になるという高市政調会長の認識は、決して偏った強硬論ではなく現実論なのです。現実論をきちんとおっしゃったわけです。

飯田)来年度に出すと。

青山)それに対して岸田総理と林外務大臣、特に岸田総理は「中傷」という言葉を用いて、そういう主張には屈しないということを言われています。

飯田)総理は。

青山)私自身の水面下の交渉の一部を、いまあえてお話ししたわけですけれども、それを通じて考えているのは、高市さんがおっしゃったこともあります。それと同時に、今年(2022年)の2月1日までに推薦しなかった場合、当然、ユネスコを含めた世界の世論は、韓国の言っていることに一定の理があって、日本としては準備し直さざるを得ないとか、推薦そのものを見直すかも知れないと取るはずです。韓国の言っていることがすべて正しいとは思わなくても、「かなり日本にとって困る点があるのだ」と判断します。これは推論ではなく、国際社会に私の人脈を通じて当たった結果として、公平に世界が見た場合そうなる、ということです。

飯田)今年推薦しなかった場合。

青山)総理はその現実を認識されて、1月中に推薦に踏み切られると理解しています。ただ、岸田総理から私の方にそのような答えがあったわけではありません。まだ1月27日ですから。岸田総理は総理になられる前後で、だいぶ雰囲気が変わったところがあります。あまり慌てない人ですよね。

飯田)そうですね。

青山)総理大臣でよく慌てるような人はあまりいないかも知れないけれど、「まだ時間がある」というお考えではないでしょうか。しかし、「ギリギリになること自体が、韓国の言うことに理があるので日本が一生懸命言い訳を考えているとか、迷っているという見方をされます」と申し上げているわけです。

世界記憶遺産と世界文化遺産はルールが違う

飯田)「難しいのではないか」と言う人のなかには、「世界記憶遺産」と同じように考えている人もいます。関係国が1ヵ国でも反対した場合は登録が難しいので、いま出すのは得策ではないというような話がありますが。

青山)行政官の一部には、水面下でそういうエクスキューズをする人もいるのですが、それは話が違います。

飯田)今回の話は文化遺産であるから、まったく別のルールであると。

青山)そうです。

佐渡金山の採掘のピークは江戸時代ではない ~そこを指摘すると揚げ足を取られる可能性も

飯田)韓国の主張は、いわゆる徴用工の話も出て来ていますけれども、「これは江戸時代の話だから違うでしょう」という指摘もありますが、いかがですか?

青山)佐渡金山は江戸時代も採掘していて、明治維新後も採掘しています。採掘のピークは江戸時代ではありません。しかし、そこだけを言うとまた揚げ足を取られると思います。

飯田)全体として佐渡金山とはこういうものであったのだ、というところから。

青山)私たちは何も恥じるところはないし、何も傷はないのです。例えば「韓国が江戸時代のことを言っている」と笑うと、一瞬、話がそこで見えるような気がするけれども、必ず揚げ足を取られます。

飯田)揚げ足を。

青山)佐渡金山というものは私たちの誇りある歴史なので、真正面から事実をそのまま出せばいいのです。明治以降も採掘をしていますから。

「徴用工」という呼称は間違い

青山)いま飯田アナウンサーがおっしゃった「徴用工」という言葉自体にも、前から反対しています。昭和30年代に外務省が出した公式見解でも、「強制的に徴用されたという認識自体が間違いであって、基本的に当時の朝鮮半島の皆さんの自由意志に基づくものが、少なくとも圧倒的に多かった」ということを歴史に基づいて言っているのです。

飯田)ほとんどが自由意志に基づくものであった。

青山)メディアも外務省も「徴用工」とずっと言っているから、1人の議員として強く抗議し、「旧朝鮮半島出身労働者」に変わったわけです。ただ、この言葉も日本語としておかしいですよね。朝鮮半島の上に「旧」が付いているでしょう。朝鮮半島はいまも朝鮮半島ですよね。

飯田)旧ではないですよね。

青山)だから「主として応募工」と日本政府は言うべきだということです。そこを曖昧にしているから、今回もまた日本は食いつきやすい相手としてなめられていて、また不合理な主張をしているのです。



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橋本聖子参議院議員を派遣するべきではない (2022/01/27/ニッポン放送)

2022-01-30 13:25:52 | ニッポン放送

中国・習近平国家主席がIOCのバッハ会長と会談 ~北京大会成功に自信示す

中国の習近平国家主席は1月25日午後、2月4日の北京オリンピック開幕を前に、IOCのバッハ会長と北京市内で会談した。会談のなかで習主席は、大会の開催に向けた準備はすべて整っており、予定通り順調に開催できると述べている。

飯田)北京市内の公園に、バッハ会長の銅像まで設置されたそうです。

青山)これは2022年で最悪のニュース、ワースト10に入ることは間違いないと思います。IOCのトップ自らがオリンピックを政治宣伝に使っているわけです。国としての政治宣伝という意味では、各国ともそういう面はあるけれども、これは秋の中国共産党大会に向けた習近平国家主席の個人宣伝です。


人工降雪機と太陽光パネルによる環境破壊

青山)私は下手くそながら、アルペンスキー競技を長年やって来ているので、初期の段階からよく知っていますが、人工降雪機というのは水を凍らせて細かく砕き、それを吹き出すだけなのです。北京辺りは特徴のある場所で、まず普段から水飢饉と言っていい。

飯田)そうですよね。

青山)水が足りないのです。中国にはあれほど大きい川があるのに、水が足りない国で有名です。そして、冬はものすごく寒い。寒いけれども、雪は全然降りません。結果、どうなるかと言うと、アルペンのコースだけではなく、周りの山々にも足りない水を無理に使って人工降雪機で雪をつくるため、動植物の生態系も含めて環境を破壊するのです。

飯田)人工降雪機によって。

青山)水がなくなってしまったので、農家の方が困っている。農家が困るだけではなく、北京五輪のフレームアップとして「環境によい」という嘘をつくるためにどうするかと言うと、農地もすべて国有地ですから、そこに日本も浸食されているような、例の中国製の太陽光パネルで埋め尽くしているわけです。

飯田)太陽光パネルを。

青山)耕作ができない、水もない、土地もない、それでオリンピックです。なぜIOCのバッハ会長がこうやって褒め称えるのでしょうか。胸像をつくられたとしても、自分で外して持って帰るべきですよ。

飯田)こんな恥ずかしいものをと。

橋本聖子参議院議員を派遣するべきではない

青山)呆れる要因が重なって行くばかりです。私は日本国で国民から選ばれた橋本聖子参議院議員は、やはり派遣するべきではないと思います。最後の最後まで言い続けるしかありません。

飯田)派遣すべきではない。

青山)橋本さんは何もおっしゃっていませんが、政府は「大会組織委員会の会長として行くのだ」と。しかし、国民に選ばれている議員ですから、中国は大喜びだったわけです。外交ボイコットへの風穴だと理解しているのです。

「日本はアメリカやイギリスがやっているような外交ボイコットに乗っかっていない」とする中国

青山)日本国の外務省は、きちんと情報を収集して総理に上げるべきです。いま中国は外交ボイコットを突き崩そうと、お金も使ってやっています。お金と言ってもいろいろなやり方があるわけです。援助や給付、支援などの名目でお金を出すのです。

飯田)いろいろな名目で。

青山)そのときに、「日本はアメリカやイギリスがやっているような外交ボイコットには乗っかっていない」ということを、材料として使っているのです。これを外務省の在外公館が知らないのであれば、それは例によって仕事をしていないということです。

飯田)例によって。

青山)それを考えると日本の責任も大きいし、日本政府や私を含めた自由民主党の責任も大きい。バッハ会長の行為は、これでオリンピック運動が死滅するのではないかというような話です。このあと冬季五輪はイタリアのコルティナ・ダンペッツォという、伝統のアルペンコースに戻ります。ミラノもアルプスに近く、「ミラノとコルティナ・ダンペッツォ」として実施するのです。

飯田)2026年に開催されます。

青山)そこで正常化するようなものですが、(開催予定国となった)イタリアは北京五輪への発言を控えています。夏のオリンピックが開催されるフランスのマクロン大統領も、この件については黙っています。自由に物事が言えなくなることを含めて、こんなに歪んだ話はありません。

冬季五輪に手を挙げる国がなく、北京での開催が必要だったIOC

青山)私はヒトラーになぞらえるようなことは誰に対してもしないのですが、この件はどうしてもナチス時代のベルリン五輪を思い起こさせるし、IOCの姿勢はそのときより酷いかも知れません。

飯田)ベルリンオリンピックよりも。

青山)当時、IOCなどの組織がどうであったかというのは、必ずしも定かではないけれども、いまはIOCの権限がはっきりしている時代です。そもそも冬季五輪を開いてくれる国がないから、北京の誘いに乗ってしまった。そのときに北京の水事情や、人工降雪機を使った場合の環境破壊のアセスメント(評価)を行っていないではないですか。どうしても北京での開催が必要だったのです。

飯田)そういうところに目を瞑っても。

習近平氏の目的は何か

飯田)いろいろなところから批判を受けることを、習近平氏は平気でやるわけですが、何をしようとしているのですか?

青山)中国共産党の主席という立場は、いまはありません。

飯田)党主席という立場は、いまはない。

青山)私たちの感覚では信じがたいけれども、中国のような独裁国家においては、共産党が国家よりも上なのです。習近平さんはいま国家主席でいらっしゃるから、誰が考えても国のトップでしょう。しかし、実際にはトップではないのです。トップは共産党のトップなのです。

飯田)共産党のトップが。

青山)しかし、共産党は総書記までしかありません。なぜかと言うと、毛沢東さんが共産党の主席として無謀な行いをして、数千万人の自国民が亡くなったとされているわけです。はっきりわからないくらいの数です。

飯田)大躍進政策と文化大革命だけでも、大変な数になりますものね。

青山)数えきれないくらいの数です。


中国共産党内部の権力闘争に向けてオリンピックを使う習近平氏

青山)中国は中国なりに反省して、党主席のポストを廃止したのです。それを秋の共産党大会で復活させて、自分が就きたい。その前に憲法を改正して、終身独裁者になり得るようにしましたが、憲法よりも党の方が上なのです。

飯田)中国共産党の方が上。

青山)いまの中国経済の基礎をつくったのは、胡錦濤国家主席の10年です。中国のGDPを世界2位に押し上げながら、10年の任期切れできちんとお辞めになったわけです。習近平さんは国家主席になって10年を過ぎるわけですが、経済成長率はたいだい6.5%で、胡錦濤時代の約半分です。

飯田)胡錦濤時代の約半分。

青山)しかも人件費が上がってしまったので、世界の工場としての役割はできません。その上で無理に独裁権力だけ強めようとしている。今回の件は、北京五輪だからとバッハ会長を招いていながら、実は国内向けの対策なのです。それも中国国民というより、中国共産党内部の権力闘争に向けてオリンピックを使っている。そこにIOCのバッハ会長が乗っかったということです。そう考えると、北京五輪はベルリン五輪(1936年)を上回るくらいのワーストですよね。

党主席にこだわれば失脚する恐れは十分ある

飯田)「権力基盤がすでに固まった」というような報道もありますが、いかがですか?

青山)いや、違います。

飯田)そんなことはない。

青山)習近平国家主席ご自身も、最後の最後では、共産党総書記に甘んじるかも知れません。その代わりに任期切れを超えて、その後の任期を確保しようとする挙に出る可能性はあります。それであれば通ってしまうのではないでしょうか。ただ、党主席にこだわったら失脚する恐れは十分あります。

北京五輪に参加する選手が気の毒

飯田)一方で、5年の延長だけをやったら、即座にレームダック化するのではないかという指摘もあります。

青山)だから終身で行くしかない。

飯田)終身で。

青山)いまの中国共産党、特に習近平国家主席は、「独裁主義の方が民主主義よりも上なのだ」と言っているでしょう。独裁主義であれば、習近平国家主席がここまでになるときも、幼稚園の運動会に行ったり、伝統行事に参加したりする必要はなかったでしょう。私はしませんけれども、日本の政治家であれば幼稚園の運動会に行ったり、盆踊りに参加したりします。手間がかかるのです。そして、常に反対意見を協議しなければいけない。

飯田)日本の政治家は。

青山)独裁主義であれば、「何でもすぐに決められてすごいだろう」と言っているけれども、最大の欠点は、「独裁者に全部左右されてしまう」ということです。それを煮詰めたようなものが北京五輪ですから、選手が気の毒です。努力して来た実力を発揮する場は4年に1回しかないのに、その場が北京五輪だというのは。スポーツを通じて人間を高めることは、人類の希望の1つであり、JOCも含めてIOCは、本当にここで再出発をしないといけないですよね。



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政治と文学は通底するという強い信念(2022-01-30 03:56:37)

2022-01-30 07:39:33 | On the Road
▼なにかをこのブログに記すと、理解や共感が生まれることがあります。
 それは、とても励まされることです。そのように申すだけでは足りません。もっともっと本質的な、支えです。

 同時に、必ず、何かの誤解も生じ、その誤解がコメントとしてやって来ます。
 おそらくは、ブログだけではなく、書籍、雑誌の連載エッセイ、動画、講演、ラジオ番組参加、そして国会質問・・・現在のぼくの発信、そのすべてにおいて誤解も生じています。

 ブログへのコメントは、そうした誤解があることを知る、むしろ良い機会です。
 誤解と言うにはとどまらないものもあります。唖然とする曲解もあります。それは、中傷誹謗とは別問題です。
 中傷誹謗の意図は無いまま、ご本人の思い込みから来る、事実との深い乖離 ( かいり ) です。
 しかし、今朝・・・まだ朝にもなってはいませんが、このエントリーであえて記そうとしているのは、そこまで深刻ではない誤解です。


▼たとえば、きのうの土曜に、つれづれなるままに記した3本のエントリー ( これこれこれです ) に対して、みなさんからいただいたコメントには、幸福な意外性がありました。
 正直、こんなに理解され、共感していただけるとは思いませんでした。

 ぼくはふだん、上述した発信のすべてについて、理念と具体性が共にあるように努めています。
 どこまでも具体的な例を提示しつつ理念を語る、そのように、不充分であっても努力はしています。
 しかし、きのうの3本のエントリーは、人を傷つけないために、具体性に、あくまで部分的にですが、眼をつぶりました。

 ところが、かなり深い理解と、共感が沢山やって来ました。
 すこし驚きました。
 みなさんに感謝しています。
 勇気づけられます。



▼一方で、たとえば「断筆するのですね」、「小説を書くのはやめるということですね」というコメントもやって来ました。言葉の通りではありません。趣旨です。
 これは、誤解です。
 文章を書くことのなかでも、特に小説を指して、書くのをやめるのですねと断じられているのは、小説の執筆が国会議員の活動ともっとも遠いという考えが、基礎にあるのでしょうね。
 分かります。
 物語文学の「わたしは灰猫」の新聞広告が出たとき、国会議事堂で、ある議員が「青山さん、新聞広告を見ましたよ。おおきな広告でした。新刊が出て、良かったですね」と声を掛けてくれました。
 そのとき、たまたま護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の役員のおひとりが横にいらしたのですが、「何の本 ? 」とぼくに聞かれて、「小説です」と答えると、ショオセツッ ? ? ? と大声で問い返され、そして顔色を変えられました。
 ノンフィクションならともかく、文学など、まさか、という感覚でしょうね。

 ぼくはそのとき、そういう受け止め方も理解して、微笑しただけでした。
 しかし、考えは違います。
 まつりごとが、文学と遠いなどということはありません。
 日本には例が仮に無くても、世界には確実にあります。
 何度か申しましたように、フランスで情報大臣や文化大臣を務めたアンドレ・マルローがそうです。
 それから、たとえば南米大陸だけを考えても、小説家と政治家を両立させた著名人としては、ガブリエラ・ミストラル、マルティン・ルイス・グスマン、アルシーデス・アルゲダス、ドミンゴ・ファウステーノ・サルミエント、ホセ・マルモル、ジョゼー・デ・アレンカール、グラシリアーノ・ラーモス、ホセ・エルナンデス、ホルヘ・イサァクス、パブロ・ネルーダなどなど、いっぱい名前が浮かんできます。
 南米、ラテンアメリカに多い気がするので、南米大陸を例に挙げたのですが、それはおそらく、もっともアクチュアルに ( 生々しく ) 現実と格闘している地域だからでしょう。

▼ぼくが申したのは、ほんらいのおのれの願い通りに、あと半年で国会議員を辞めるのなら、もっと時間を執筆に振り向けて、沢山の小説作品、沢山のノンフィクション作品を生むことができるのではと思いますが、それを断念し、予定外の2期目の選挙に臨み、当選するかどうかは実際まったく分かりませんが、もしも当選すれば、公務絶対優先を続けながら、できる限り執筆も続けますということです。

 この5年半、国会議員として公務絶対優先でやって来ました。当然です。主権者・国民の負託を受けたのですから。
 それでも、ほんとうは政治と文学は通底するという強い信念、少年時代からずっと変わらない信念のもとで、深夜から夜明け前の時間を使って、すなわち命をがりがりと削って、最低限の作品は産み出してきました。
 それを続けるということです。
 断筆では、まったくありません。

 これは誤解なさった方に何かの苦情を申しているのでは、まったくありません。
 ぼくにとって読者は、宝物です。希望です。
 その読者に、まさかの誤解がないか、それだけを懸念して、これを記しました。

 みなさん、きょうの日曜日、オミクロン株とその亜型のさなかにあっても、どうかゆるりと休んでください。
 仕事のかたは、どうか気持ちよくなさってください。
 どこまでも一緒に考えましょう。

▼このエントリーを書き終わって、気がついたことがあります。
 そうです、ぼくの少年の夢は、政治と文学の両立でした。
 気がつけば、この5年半、その道をすでに歩んできたとも言えます。

 寿命は確実に縮まったでしょう。こゝろも身体も、重い負担に苦しんでいます。
 しかし、なんとまぁ、少年の夢の道をどうやら歩いているらしいです。

 こうして気づく機会をいただけるから、コメントは、みなさんからのコメントは、素晴らしいです。
 あらためて、ありがとう ! 




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