功山寺決起

青山繁晴事務所から自由民主党の党員になりました。(2020年)

4月25日の火曜の異変【その1】(2023/05/02)

2023-05-02 19:46:01 | On the Road
増強した航空戦力を駆使し、日本の連合艦隊を実質的に壊滅近くまで追い込みました。

 もっとも重大なことは、日本海軍は、南洋の島々に展開する日本陸軍に武器弾薬、兵士、医薬品、食料、水を供給する能力を奪われたたのでした。

 それにもかかわらず、日本海軍は、陸軍に敗北を教えず、あろうことか明治憲法下で唯一の主権者でいらっしゃった昭和天皇に上奏することすら、しなかったのでした。

 あえて申します。
 日米戦争の開戦からわずか半年後、西暦1941年の夏までにすでに敗北はほぼ定まっていたのです。
 帝国海軍の保身のために、それが陸軍にも陛下にも国民にも知らされず、わたしたちの先人はそれから4年以上も後の1945年の夏まで戦い続けたのでした。
 ミッドウェー海戦でロジスティクスを喪ったことを、ありのままに少なくとも海軍、陸軍、主権者の陛下で共有し、遠慮も保身もない議論を、まさしく国民と国家のためにおこなって、たとえば対米講和を決めていたらどうなったか。

 1941年夏にもしも対米講和を申し入れても、アメリカは受容しなかったかもしれない。
 しかし、講和を蹴られて敗戦であっても、戦争はそこで終わり、日本を再建する貴重な人材を多く死なせた硫黄島の戦いも、少年少女からお年寄りまで耐えがたい苦痛をもたらした沖縄戦も、アメリカの戦争犯罪によって妊婦も赤ちゃんもどろどろに溶かされて殺された広島と長崎への原爆投下も、みな無かったのです。

【その1】 官僚による国会議員すなわち主権者の代理人への底知れぬ侮蔑  そして官僚と国会議員が談合してつるむ自堕落  これが日本の亡国だ

【その1】 官僚による国会議員すなわち主権者の代理人への底知れぬ侮蔑  そして官僚と国会議員が談合してつるむ自堕落  これが日本の亡国だ

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road


▼わたしは国会議員になってから、東大の非常勤講師に招かれました。
 敗戦から80年近く続く日本社会の現実からすると、左派の国会議員ならあり得るかもしれません。
 自由民主党の現職議員を、正式な非常勤講師にする東大の懐の深さには感嘆します。
 しかし東大をはじめ日本の大学では、上記のように「なぜ負けたか」という講義も研究もほとんど無いことを、あらためて実感しました。
 戦争が侵略だったかどうかの不毛の議論や研究は国費を投じて延々と繰り返し、一方で「なぜ負けたか」、「二度と負けないためには何をどうすればいいか」の議論も研究もはほぼ皆無なのです。

 これは異常です。
 敗戦後の同じ教育を受けたわたしたちには、異常と感じなくとも、国際社会に出てみると、まさしく異様な光景です。

 わたしは東大で、だからこそ懸命に教え、非常勤講師が終わった今も、東大の自主ゼミを無償で開講し、ことしも前期の講義を新しい学生たちに開始したばかりです。
 そのなかから、改革派の行政官・官僚になる卒業生も、何人も現れています。
 しかし彼らにも、国会にいるわたしにも、想像を絶する苦闘が続きます。

 新たな異変が起きたのは、4月25日の火曜のことでした。

 ・・・長すぎるエントリーになるのと、アメリカ合州国ハワイ州真珠湾の米軍統合司令部と、アメリカ太平洋艦隊司令部と台湾有事をめぐって議論するための準備、それからノンフィクション新刊の原稿の執筆、このために、エントリーを分けます。
 4月25日火曜に何が起きたのか、そこから【その2】として、明日以降にアップします。



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ぼくらの国会・第517回(2023/05/02)

2023-05-02 19:40:35 | 青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会








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残り1冊の「夜想交叉路」(2023/05/02)

2023-05-02 17:13:39 | On the Road
紀伊國屋のネット書店で「夜想交叉路」を入手して読んでくれる人がとても増えて、500冊以上、新たに一気に入荷してくれたのでした。
 それがどんどん減っていきました。
「読もうとする人の気持ちを裏切る在庫切れ、それを起こすのだけは嫌なので、補充してください」と担当者にお願いしましたが、何の反応もなく、とうとう先ほど残り2冊になってしまいました。

 やむを得ず、公務で忙中のアメリカ合州国から国際電話を担当者にかけましたが、「この電話はお繋ぎできません」というアナウンスが空しく流れるだけです。
 いま確認のために見てみたら、残り、ついに1冊です。



読もうとされる読者がいるのに、在庫が補充されなくて、在庫切れを起こす・・・書き手としては身を鋭い刃物で切られる辛さです

読もうとされる読者がいるのに、在庫が補充されなくて、在庫切れを起こす・・・書き手としては身を鋭い刃物で切られる辛さです

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road


▼読みたい人がいるのに補充されずに、読者を裏切ってしまう、これはぼくが国会議員になってから出す本で繰り返されています。
 出版する側にとっては「政治家の本は売れない。ましてや小説なんて」と考えるのかな、と勝手に想像します。
 そうであっても、理解できます。ドラマや映画に出てくる政治家像は、毎晩、料亭に行って悪だくみをしている、
これ以外にほぼありません。
 どれほど、新しい国会議員像を実行していても、まったく同じです。

 出版する側が、増刷をためらい、そのために補充もできない、そうであってもよく分かります。
 そして、前述の担当者は、一生懸命、良心的にやってくださっている人です。

▼これほどまでに悲しい、同じ出来事が繰り返されます。
 真っ暗な海に向かって、ひとり、立ち尽くしているような黒い絶望感に襲われます。
 やむを得ず、選挙に出るとき、おのれの人生が粉々に壊れるのは、覚悟しました。
 決然と、覚悟を決めていました。

 その通り、人生は粉々になりました。
 しかし作家として、読者の気持ちを裏切ることだけは、どうしても、そのまま呑めません。受け容れられません。
 いくら出版する側に働きかけても、無駄、無力です。
 国会で水面下の交渉をしているときも苦しいですが、それでも、よほどマシです。じりじりと前進しています。後退もありますが、絶望しないで、見えない努力を重ねていると、すこしづつ変わっていきます。
 しかし作家が、増刷も補充もしない出版側を、変えることはできませぬ。

 作家であることを続けられないのであれば、他の沢山の仕事の何が良くても悪くても、もはやわたしは生きる根本を喪います。




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