夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956

2007年12月15日 | か行の映画
Story
1956年、ソ連支配の共産主義政権下にあったハンガリーの首都ブダペストで、改革を求め学生運動に身を投じる女子学生ヴィキ(カタ・ドボー)と、メルボルン・オリンピック出場を目前にした水球チームの花形選手カルチ(イヴァーン・フェニェー)が出会う。それまで政治に無関心だったカルチも、秘密警察AVOや軍の横暴に傍観者ではいられなくなる。同時にヴィキを愛するようになったカルチはオリンピックよりも彼女の傍にいることを決意するのだが…。(goo映画より)
2006年/ハンガリー/クリスティナ・ゴダ監督作品





評価 ★★★☆☆

ハンガリーの水球選手カルチが学生運動の闘志ヴィキに出会い、水球をとるか革命に身を投じるかのはざまで悩みながらも彼女とともに闘います。そしてついに自由化の第一歩が成し遂げられたため、ヴィキはオリンピック参加のためにメルボルンへ。しかし、それと同時にソ連軍の介入が始まり、革命は挫折。ヴィキは捕われの身となる。
・・・物語的にはドラマチックな展開ですが、今ひとつ盛り上がらなかったのは、革命のダイナミズムの中に登場人物達がうまく融合しきれていなかったからか?

水球が出て来る映画は珍しいので、試合のシーンは興味深く観ることができました。ただ、”(水球の)チームに戻れ”、”戻らん/戻る”のやりとりが何度も繰り返されるのはちょっとしつこいです。そのせいでカルチの優柔不断な性格が印象づけられ、ソ連の介入を知っても戻れない辛さが弱められた感じがします。
意外だったのは、戦闘シーンが激しく本格的に描かれていたこと。大学での演説シーンから自由化を求める波が広がっていく革命の高揚感が一転してソ連の戦車に蹂躙されてしまう悲劇へと転落。ハンガリー動乱。本なんかで読んだ事があっても、実情については知らなかった出来事が目の前に展開されて、気がついたら歴史の目撃者になっている。史実を扱った映画の醍醐味ですね。

ところで最近のロシアは、資源ナショナリズムに代表されるような国家の経済への介入で、ますます全体主義的な傾向を強めています。まじかに迫るロシア=ソ連の脅威。同じ悲劇を繰り返してはならないという警鐘のために、この映画が作られたのではないかとも思えました。
自由と怠慢をはき違えているみたいな日本人には本当の哀しみが理解出来ない映画かもしれませんね。


映画『君の涙ドナウに流れ』公式サイト


(「君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956」2007年12月 名古屋 伏見ミリオン座にて鑑賞)

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
水球 (kimion20002000)
2008-07-17 20:43:43
TBありがとう。
いまでも、オリンピック正式種目で残っているんでしたっけ。
昔は、テレビでオリンピック中継放送で記憶がありますが、いまはハンドボールは注目されてきたけど、
水球はどうなんでしょうね。
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水球について (wanco)
2008-08-02 20:29:55
kimion20002000さん、こんばんは。
こちらにも、コメントありがとうございました。

日頃あまり見かけないスポーツだったので、映画で見れて余計に新鮮でした。
北京オリンピックでやってたら観てみたいです。
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こんにちは~ (fizz♪)
2008-09-06 03:49:54
wancoさん、nyancoさん、お邪魔します♪
東欧も戦争を描いた作品が後を絶ちませんが
いまだに戦争も新たに始まってしまっている現状が
なんとも辛いですね。
恥ずかしながらまたひとつ映画で歴史を学びました。
対岸の火事などではない恐怖を感じますね。
TBさせて頂きました。
返信する
こんばんは~ (wanco&nyanco)
2008-09-06 22:54:43
fizz♪さん、こんばんは。
コメとトラバ、ありがとうございました。

北京オリンピックの最中に、ロシアとグルジアが戦争始めたりして、また、同じ悲劇を繰り返すのがなんともやるせないです。
歴史を認識させてくれる、こんな映画は貴重だと思います。
残念なのは、地方ではなかなかやってくれなくて、名古屋まで観に行かないといけないことですね。
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