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夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

ワールド・オブ・ライズ

2009年04月18日 | わ行の映画
Story
米国の諜報機関・CIAの中でも、最高の腕をもつ敏腕工作員ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)。中東からワシントンまで世界を駆け回っている彼の命運を握るのは、安全なアメリカから電話で指示を出す、冷徹なベテランCIA局員エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)だ。彼らは、地球規模の爆弾テロを画策するテロ組織リーダー、アル・サリームを追いかけていた。時には身内にまで嘘をつきながら、熾烈な頭脳戦で情報をかき集めていくロジャーとエドは、ついに大きな賭けに出る…!!(goo映画より)
2008年/アメリカ/リドリー・スコット監督作品




評価 ★★★★

中東ネタのポリティカル・サスペンスですが、絶えず命を危険にさらす現地工作員と、安全なワシントンから指令を下すだけの上司を対比して描いたのがこの映画の趣向です。
見た目は普通の社会人の日常生活を送りながら(時には子供を送迎しつつ)、人の生死を左右する指令をこともなげに下すラッセル・クロウ。その地球の反対側では、爆死した親友の骨片を形見に工作をこなすディカプリオの現場の生々しさ。
ストーリーの主軸は、爆破テロを繰り返す過激組織の首領を捕らえるために、CIAとヨルダン情報局があの手この手の工作を繰り広げるというもの。ヨルダン情報局の局長が眼光鋭く、その紳士的な所作と裏腹の怜悧さが非常に印象的です。ヨルダンと言えば、その比較的穏健な政体のために、アメリカに都合良く利用されて来た経緯もあり、そこから生まれた不信感が局長の言動から読み取れるのが興味深かったです。

ディカプリオが首領をおびき出すために過激組織をでっち上げる所は「テイラー・オブ・パナマ」('01)と同じで新味はないですが、この展開は結構面白くて後半のサスペンスを盛り上げてくれます。随所に盛り込まれる戦闘シーンもかなりの迫真力。そして、無人偵察機を使った”プレディターシステム”が重要な小道具として使われています。これを映画で初めて観たのは「シリアナ」('05)だったと思いますが、遠隔操作化した戦闘が描かれるようになったのはいつ頃からか?思い返せば「パトリオット・ゲーム」('92)で、特殊部隊の襲撃を衛星からの映像で監視していたジャック・ライアンあたりから本格化したのではと思いました。

ワシントンと中東、コントローラーと工作員、(プレディターからの)鳥瞰映像とディカプリオの視点、この描写の分け方が2つの世界の埋まらない深い溝を実感させてくれます。観終わった後も不安感を残す映画ですが、現地女性の元に向かうディカプリオの姿がほのかな希望になりました。


映画『ワールド・オブ・ライズ』公式サイト


(「ワールド・オブ・ライズ」 2009年1月 岡谷スカラ座にて鑑賞)

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