夫婦でシネマ

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ウルフマン

2010年05月11日 | あ行の映画
Story
19世紀、イギリス・ブラックムーア。舞台俳優のローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は兄ベンが行方不明になったと知り、久々に実家の城に帰ってきた。しかし到着早々、無残に引き裂かれたベンの死体が発見される事態に。自ら犯人捜査に乗り出すローレンスだが、謎の狼男に襲われ、自らもウルフマンとなってしまう。満月の夜にウルフマンに変身し、次々と村人を襲うローレンス。その父ジョン(アンソニー・ホプキンス)はあえてローレンスを凶行に走らせる不可解な行動をとり……。(goo映画より)
2010年/アメリカ/ ジー・ジョンストン監督作品





評価 ★★★☆☆

この映画で一番期待したのは、リック・ベイカーの特殊メイク。
リック・ベイカーの師弟関係を辿ると、CG全盛となる前の特殊メイクの歴史が垣間見えて来るのでちょっと書いてみると・・・

80年代に、狼男に変身する特殊メイクが見せ場の映画が流行ったのですが、最初に火をつけたのが「ハウリング」('81)。人間の顔だったものが、徐々にオオカミに変形して行く過程は当時としては凄いものがありました。この時の特殊メイクを担当したのがロブ・ボッティンで、その後「遊星からの物体X」('82)でエイリアンの凄まじい特殊メイクをやることになります。
彼の師匠がリック・ベイカーなのですが、「ハウリング」に触発されてか、リック・ベイカーが作ったのが「狼男アメリカン」('81)でした。この映画では、”ブルームーン”の曲に合わせて、全身の変身エフェクトを実現。しかし、彼が得意なのはゴリラのメイクで、その後、「グレイストーク ターザンの伝説」('83)を経て「PLANET OF THE APES/猿の惑星」('01)で頂点に達しました。しかし、一番有名なのは「スリラー」のメイクを担当したことですね。
リック・ベイカーの師匠がディック・スミスで、彼も「アルタード・ステーツ 未知への挑戦」('80)で優れた人体変形エフェクトを見せてくれました。
あの頃は、人工皮膚の中に仕込んだ風船を膨らませて人体を変形させていて、今から思えば非常にアナログな手法でしたね。

そんなわけで、今回の「ウルフマン」でもCGが主流になる前の当時の特殊メイクが再現されるのかと非常に楽しみにしていました。しかし、変身自体は軽く流されていたのでガッカリ。しかし、リック・ベイカーの特殊メイクは健在でCGとは違う皮膚感覚がよかったです。何故かは分かりませんが、特殊メイクの方が本物感がありますね。

映画の内容は純粋なホラーでした。
特に狼男の襲撃シーンがその残虐さと相まって迫力もの。そして、月明りのもと狼や女性をシルエットで捉えたショットなど、映像にこだわりも感じられます。
なぜ今、狼男なのか?と疑問も感じましたが、古典ホラーの再映画化として楽しめば良いと思います。


映画『ウルフマン』公式サイト


(「ウルフマン」 2010年5月 岡谷スカラ座 にて鑑賞)

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2 コメント

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こんにちは。 (白くじら)
2010-05-15 13:48:56
判ります、私もリック・ベイカーということで変身シーンは特に期待していたのですが、なにげに早かったですね。もちろく変身の課程はそれなりにあったのですが…そういうところよりも、ドラマ、アクションを盛り込んでいったのかもしれませんね。
でも、おっしゃられているようにCGの変身よりはコチラの方が迫力があります!

なかなかに王道を突っ走る作品で楽しめました。

トラックバックさせていただきました。
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こんばんは。 (wanco)
2010-05-22 02:01:30
白くじらさん、こんばんは。
あの頃の変身をもう一度と期待してたのですが、あっさり流されてしまいましたね(笑)。しかし、CGに頼らない特殊メイクは迫力がありました。
怪物顔のデル・トロをキャスティングしたのも成功の一因かと。
アクションシーンもCGでゴテゴテにせずに、抑えているのが逆に良かった。
ラブストーリーの要素も捨て難くて、ドラマ、アクション、映像ともに重厚な一作に仕上がっていました。
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