夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

96時間

2009年09月12日 | か行の映画
Story
17歳になったばかりのキム(マギー・グレイス)が、友だちと初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐される。まさに誘拐される瞬間にキムと携帯電話で話していた父親のブライアン(リーアム・ニーソン)は、自らの手で犯人たちを地獄の果てまで追い詰め、娘を奪還しようと決意し、単身パリに乗り込む。誘拐犯はアルバニア系の人身売買組織だと判明。政府の秘密工作員として活動してきた経験を生かし、単独で捜査を開始する。(goo映画より)
2009年/フランス=アメリカ/ピエール・モレル監督作品





評価 ★★★★

リュック・ベッソンが製作&脚本を手掛けたサスペンス・アクション映画!

リーアム・ニーソンが鬼神のごとき形相で犯人を追いつめるのが強烈なサスペンスを生み出す。これは、久しぶりに上出来のアクション映画に巡り会えて大興奮でした。

まず、冒頭で娘への溺愛ぶりを丁寧に描き出します。普通は導入のドラマ部分で飽きてくるものですが、何か起きそうなアイドルスターの警護場面を挟んで緊張を持続。ここの部分は、暴漢に襲われそうになった彼女を救ったことで、娘への心配を一層募らせるという効果もあります。

特に優秀だと思ったのが娘の誘拐シーン。携帯でのやりとりが緊迫感をあげます。
驚いたのは、恐怖におびえる娘に向かって「お前もつかまる。」と言ってのけたこと。これは凄いセリフだ!あの状況でこんなこと言える親がいるか?!2009年の名セリフベスト1にしても良いくらいです。とにかくこの一言で、冷静にして冷酷、数々の修羅場をくぐり抜けて来たであろう彼の背景が一気に明らかにされる凄い場面になってます。

おそらく主人公はかつて、アメリカの情報機関の依頼で秘密工作を遂行するコントラクトエージェントという職業だったのだと思います。その彼に、溺愛する娘を取り返すという強烈な目的と96時間というタイムリミットを前半で設定。あとは、パリでの大暴れに観客の期待は否が応でも高まる訳です。
かくして、パリに着いたニーソンは、悪党どもを情け容赦なく殺しに殺すのですが、誘拐後の娘の姿をあえて描写しないことで彼の焦燥感を一層募らせ、観客も一緒になって彼と暴走させることに成功しています。

微かな証拠からじわりじわりと黒幕に肉薄して行く過程がサスペンスたっぷりです。多少出来過ぎのところもありますが、そんなのはこの際目をつぶってもいいスピード感。そしてクライマックスは、ダーティーハリーばりに船への大ジャンプを決めた彼の大アクション。最後まで息つく間もない展開に、面白い映画を観たという満足感に酔いしれました。




評価 ★★★★

リーアム・ニーソンが渋いアクション・ヒーローに大変身!

息つく暇のない畳掛けるようなアクションの連続に思わず興奮!93分と上映時間がコンパクトな分、無駄なシーンが一切なく、追跡シーンを中心に描いたそのシンプルさがかえって心地良い映画でした。
いかにもハリウッド映画の若手が活躍するようなアクション映画には見飽きていたので、リーアム・ニーソンのようなアクションのイメージからほど遠い役者を起用した、この『96時間』は今までにない新しいタイプのアクション映画という感じがしましたね。

私もwancoと感想が同じで、娘の誘拐シーンが特に秀逸でした!そして、ブライアンが携帯電話で犯人に向かって言うセリフ、「俺は長年培った特殊なスキルを持っている。もし今すぐ娘を解放しないなら、俺はお前を追いかけて探し出す・・・そして殺す。」には鳥肌が立つくらい興奮しましたね。溺愛する娘が誘拐されても、さすが元CIA捜査官だけあって、ブライアンの冷静沈着さが窺える名シーンでした。
この映画はとにかく名セリフが多くて、娘を誘拐した犯人を見つけ出したときのセリフもまた良かったです!「グッドラック」という犯人のセリフに対して、ブライアンが「俺を覚えているか?お前と2日前に話した男だ。」と言うセリフ。このシーンも渋くて男気溢れるリーアム・ニーソンが言うと、ものすごく様になって格好良い!この2つのシーンは特に見どころと言ってもいいくらい、オススメのシーンですね。

ストーリーもシンプルで、ブライアンの追走劇に焦点を当てているところがまた面白いです。娘が残した携帯電話の写真など、わずかな手がかりを頼りに、一歩ずつ犯人へ近づいて行く過程が実にスリルたっぷりに描かれており、最後まで一気に見せてくれます。元CIA捜査官だけあって、その捜査方法はさすが!と思わせるものがありましたね。闇のキャリアで培ったスキルがこういう非常事態で活かされるのか~、と感心しながら観てました。

とにかく脚本が面白い映画でした!そして、『シンドラーのリスト』などの名優リーアム・ニーソンを起用したことがこの映画の成功に繋がったと思います。冷静沈着な元CIA捜査官という顔と、娘を異常なまでに溺愛する父親という2つの顔を持ったブライアンというキャラクターを、説得力のある演技で見事演じ分けていました。
リーアム・ニーソンもこの作品で新境地を開拓したのではないでしょうか。また彼の出演するアクション映画が出来たら、ぜひ観たいですね。


映画『96時間』公式サイト


(「96時間」2009年9月 岡谷スカラ座にて鑑賞)

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
親バカ一代でした。 (wanco)
2010-03-20 01:17:39
アイマックさん、こんばんは!
コメとトラバ、ありがとうございました。

いや、これは久しぶりの上出来アクションを観て大興奮でしたよ。
名セリフもいくつかあって、印象に残ってます。
無茶苦茶なことしても、リーアムがやると現実味があるし、多少乱暴(多少でもないか)でも許せますよね。
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こんばんは! (アイマック)
2010-03-15 22:55:38
オヤジ、強すぎだったね。笑
親バカもここまでくると、立派なもの。

「お前もつかまる。」>2009年の名セリフベスト1にしても良いくらいです。

あはは、そこまで気がつかなかったですよ。長身のリーアム・ニーソンだから、また威厳があるんだよね。
うまく行き過ぎ、無茶苦茶なことしてもそれ以上のおもしろさがありました。
劇場でみたかったですね。
返信する
時の流れは、、 (wanco&nyanco)
2009-10-06 21:45:04
猫さん、こんばんは。
コメとトラバ、ありがとうございました。

あのリーアム・ニースンがこんなアクション映画に出るのは意外でした。
「シンドラー~」では、レイフ・ファインズと対決してましたね。リーアムもレイフも変わったものだ、と最近の彼等の映画を観て思うことしきりです。
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貞吉さんへ (wanco&nyanco)
2009-10-06 21:32:28
貞吉さん、こんばんは。
コメントありがとうございました。

そういえば、その通りですね。
観終わった後で、あれこれ疑問点は湧いてきますが、スピード感あふれる演出にすっかりけむに巻かれてしまった感じですね。
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簡単に殺しすぎ ()
2009-10-04 20:04:05
・・ということを除けば
とても面白かったと思います。
先日、やっと「シンドラーのリスト」をDVDで観て
あのリーアム・ニーソンが!!
と時の流れを 重く感じました苦笑
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Unknown (貞吉)
2009-09-28 11:50:24
わざわざアパートにさらいに行かなくても、パーティに誘う(という口実で)おびき出したほうが、犯人側としては足がつかなかったのでは・・・という点が気になりました。ちよっと欠点では(笑)
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