アフタースクール

Story
母校の中学校で教師をしている神野（大泉洋）と、サラリーマンの木村（堺雅人）は中学時代からの親友同士。産気づいた木村の妻（常盤貴子）を、仕事で忙しい木村の代わりに神野が病院まで送りとどけた。その日、夏休み中だが部活のため出勤した神野のもとに、同級生だという探偵が訪ねてくる。島崎（佐々木蔵之介 ）と名乗る探偵は木村を捜していた。若い女性と親しげにしている木村の写真を探偵に見せられた神野はショックを受け、なかば強引に木村捜しを手伝うことになってしまう。（goo映画より）
2007年/日本/内田けんじ監督作品





評価　★★★☆☆（ちょっと辛口）

『運命じゃない人』の内田けんじ監督の最新作！

ネタバレ注意！！！
この映画、ユーザーレビューの評価がとても高い作品だったので、ちょうど東京まで出向いた際にwancoと一緒に鑑賞してきました。（こういったミニシアター系の作品は、なかなか長野ではすぐに上映されないんですよね。。）

さて、感想はというと、なかなか面白かったんですが、期待が大きすぎてしまったせいか、ちょっと肩すかしの印象がありました。。というのは、この映画では、物語のオチとも言えるどんでん返しの展開が、わりと早い段階で用意されていたんですよね。。nyanco的には、どんでん返しの展開はもっとラストのラストで繰り広げられるものだとばかり思っていたので、せっかく脚本は面白いと思うのに、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。

また、登場人物たちの掘り下げが浅いのと、物語の展開がスマートでさらっと描きすぎているせいか、どのシーンにもちょっと感情移入しづらいんですよね。。この映画の見せ場でもある、うどん屋での木村と社長の対決シーンも、周囲に警察が張り込んでいるのが分かっているため、なかなか盛り上がらないし、緊迫感が伝わってこない。

この映画では悪役たちが今ひとつ弱かったのも残念な印象を受けました。彼らの悪行についても詳しく描かれていないし、彼らに悪役としての凄みが感じられないために、大泉洋をはじめとする主役達の頑張りも、なんだか空回りしているようなイメージがあったんですよね。。
特に、この映画のマドンナ的存在の常盤貴子。彼女は重要なキーパーソンであるだけに、もっと彼女にスポットを当ててほしいと思いました。彼女の辛い時代のエピソードが何度か語られるだけに、もっと回想シーンとして映像で観せてくれたら、かなりこの映画の印象が変わっていただろうと思います。

実は、この映画を鑑賞した同時期に、同じトリックを扱った謎解きものの映画「幻影師アイゼンハイム」を鑑賞したばかりだったので、評価が辛口になってしまいました。。「幻影師アイゼンハイム」の方がまるでジクソーパズルのように謎がラストのラストで解けるといった感じの、とても完成度の高い作品だったんですよね！nyanco的にはこちらの方が見事に騙されてしまいました。





評価　★★★☆☆

失踪した木村を神野と島崎が探し始め、次々と隠された新事実にぶち当たるのが興味津々の展開でした。ただ、引き込まれはするんだけど、なかなか盛り上がらないのはなぜ？演出にメリハリがないためかもしれません。素材は良いんだけれど上手く料理しきれなかった、という感じでした。

比べるのは酷ですが、「ユージョアル・サスペクツ」みたいな、ウワーッとなるドンデン返しの演出と、「ロック・ストック・トゥー・スモーキングバレルズ」みたいな複雑なプロットと多彩な登場人物を力技でさばくテクニックが欲しかったなと思いました。

とは言え、最後まで展開に釘付けになるのは確かで、良く出来たサスペンスコメディだと思います。


映画『アフタースクール』公式サイト


（「アフタースクール」2008年5月　シネカノン有楽町2丁目シアターにて鑑賞）