夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

アイガー北壁

2010年08月07日 | あ行の映画
Story
ベルリン・オリンピック開幕直前の1936年・夏。ナチス政府は国家の優位性を世界に誇示するため、アルプスの名峰アイガー北壁のドイツ人初登頂を強く望み、成功者にはオリンピック金メダルの授与を約束していた。山岳猟兵のトニー(ベンノ・フュルマン)とアンディ(フロリアン・ルーカス)は、難攻不落の山を次々と踏破し、優秀な登山家として知られ始めていた。2人は世間の盛り上がりに戸惑いながらも、“殺人の壁”と恐れられていたアイガー北壁への挑戦を決意する。麓には、初登頂を目指す各国からの登山家や、世紀の瞬間を見届けようという報道関係者や見物客が集まってきていた。その中にはトニーのかつての恋人で、新聞記者をしているルイーゼ(ヨハンナ・ヴォカレク)の姿もあった。天候を待つこと数日。ある晩、トニーとアンディは北壁への登攀(とうはん)を開始する。彼らのすぐ後をオーストリア隊が追い、4人は快調に高度を上げていくが、メンバーの負傷や急な悪天候に見舞われ、彼らは想像を絶する状況へと追い込まれていく…。(goo映画より)
2008年/ドイツ=オーストリア=スイス/ フィリップ・シュテルツェル監督作品





評価 ★★★☆☆

ナチス政権下のドイツを背景に山岳映画の醍醐味を味わえる重厚な1作でした。題名通り、北壁の登攀シーンは素晴らしく、垂直に切り立った壁をよじ登る緊迫感が恐ろしい程に伝わってきました。
実は私も登山をやってたことがあって、白馬山系の小さな雪渓を渡ったことがあるのですが、斜度20度程度の斜面なのにアイゼン無しで歩いた時は足がすくむ思いをしたのを憶えています。一方彼らは、ほとんど垂直の崖をアイゼンなしで横断する訳ですから、その神経の図太さには想像を絶するものがありましたね。
それから、宙づりになったときの脱出手段として、プルージップクライミング(細ひもをロープに結びつけて足場にする方法)が何度か出てきました。こんなふうにやるのか、と観てましたが、落ちたらおしまいの宙づり状態であんな細かい芸当は私には到底できそうもないです。
命がけで登る登山家とホテルのテラスでのんびり見物する観光客や新聞記者。このギャップも痛烈ですね。

トニーとルイーゼの恋愛も織り込み、遭難したトニーと、すぐ手が届きそうな所にいるのに助ける事ができないルイーゼの苦悩が後半のドラマを盛り上げます。
ただ、二人の恋愛描写があっさりしすぎていたために悲壮感が今ひとつ伝わってこなかった感がありました。
そして映画の最後で写真家になったルイーゼの場面がでてきますが、取って付けたような印象が残ります。やはり最後も北壁の景観で終わらせた方がよかったのでは。

恋愛部分に多少の不満があるものの、北壁登攀時のドラマの魅力は絶大。親友を救うために犠牲になるアンディやトニーの生への執着には、心を揺さぶられます。ただ、彼らもナチ政権の犠牲者だ、と言うつもりは全然なくて、理由は何であれ未踏の壁に挑戦する登山家の死闘を描いて見応え充分の映画でした。


映画『アイガー北壁』公式サイト


(「アイガー北壁」 2010年7月 長野市にて鑑賞)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グリーン・ゾーン | トップ | ニューヨーク,アイラブユー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

あ行の映画」カテゴリの最新記事