国際交流のススメ

舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。

三谷幸喜「トークライクシンギング」のディスカウントチケットって

2009年10月27日 | 海外公演

チケットをまだ購入していない人に朗報です。

三谷幸喜作演出の「トーク・ライク・シンキング」 シアターマニアだけでなく、ブロードウェー系の舞台チケットを扱うPlayBill.comでも BroadwayBox.comでも25%ディスカウントで販売していますね。つまり$70のチケットが$52.50で購入できるということです。これらはすべて英語で運営されているサイト、つまりアメリカに住む人たちが普通にチケットを購入したいと考えたときにアクセスするチケット販売サイトです。

その一方で未だに日系の旅行代理店系のチケット取り扱いもあります。例えばJALが運営するJALワールドプレイガイドでは$70のチケットが1万7000円、つまり$184で販売されています。劇場原価からで約2.6倍、ディスカウント価格からだと約3.5倍の値段で販売しているということですね。アムネットというNYにある旅行代理店の場合、$125~$135となっていますのでディスカウントからで2.5倍ほどですから、JALより良心的ですね・・・ってねえ・・・。

まあ、未だにこんなもんだということです。でも怖いですね情報って。たかだか1万円前後の話かもしれないですけど・・・。もっとも、旅行代理店は日本語での先行販売時にチケットを買い占めたところも多く、良い席を確保しているところが多いみたいですから、ファンには少々高くても良い座席のほうが嬉しいんでしょうけどね。たしかに僕も良い席ではみたいけどなあ・・・。

 

 

 

 


三谷幸喜のNY初公演って

2009年10月27日 | 海外公演
NYUスカボールセンターで上演が決まっている三谷幸喜作演出のミュージカル「トーク・ライク・シンギング」 実は劇場のチケットオーダーの座席表を見るとかなり座席が埋まっていたので、お、これはかなりチケットがはけているのかと思っていたのですが、先日チケット取り扱いのシアターマニアからディスカウントチケットの案内が届きました。70ドルの座席が25%オフの52.50ドルで販売とのこと。もしかすると公演まで2週間を切ったので最後の売り切り作戦に出たのかもしれないし、売り上げが止まったので最後の販促に出たのかもしれないですが、なんにせよ、日本でチケットのディスカウントってあまりないですよね?近頃はそんなことないですかねえ。NYではブロードウェーの当日券が50%オフで買えるシステムがありますが・・・。

ちなみに1回のオーダーで8枚以上チケットを購入することはできないそうです。

あとLimited engagement とは、限定公演との意味ですが、NYでは上演数13回は限定された回数の上演となるということですね。まあ、13回しか上演がないから見逃すな!的な宣伝文句ですがね。



theatermania logo   insider bulletin   October 22, 2009
TamaHome presents TALK LIKE SINGING An Original Japanese Musical
how to get tix
online
arrow Click Here and enter code TLSMANIA
by phone
Call 212-352-3101 and mention code TLSMANIA
in person
Bring a printout of this offer to: The Skirball Center for the Performing Arts
566 LaGuardia Place
(at Washington Square South), NY
theatermania snipe
 
TamaHome presents
TALK LIKE SINGING
An Original Japanese Musical

LIMITED ENGAGEMENT
13 PERFORMANCES ONLY!
NOVEMBER 12 thru 22


Starring
Shingo Katori
Music by
Yasuharu Konishi
Written and Directed by
Koki Mitani


Talk Like Singing is the first-ever original Japanese musical to premiere in the U.S. This energetic and heartwarming comedy is a never-before-seen style of musical theater. A unique young man named Tarlow knows only how to communicate through song and dance. Tarlow appears to go through life happily singing his thoughts, regardless of his mood, because of the four band members playing music in his mind. With the help of a speech therapist and psychologist, the singing voices inside his head are eliminated, and for the first time in his life Tarlow can speak without singing.

Talk Like Singing represents an incredible collaborative effort with direction, script and lyrics by the talented Koki Mitani, composition and music direction by Yasuharu Konishi, and lead performance role performed by Shingo Katori.


TICKETS JUST $52.50! (reg. $70)
for performances November 12 - 22 Only!

Performance Schedule:
November 12, 8:00pm
November 13, 8:00pm
November 14, 2:00pm & 8:00pm
November 15, 3:00pm & 7:00pm
November 17-20, 8:00pm
November 21, 2:00pm & 8:00pm
November 22, 3:00pm

Visit www.skirballcenter.nyu.edu for more information!

*Conditions: This offer is valid for select performances 11/12-11/22/09 and is subject to availability. Must order by 11/22/09. Not valid on prior purchase. Offer cannot be combined with other discounts or promotions; blackout dates and restrictions may apply. Limit eight (8) tickets per order. No refunds or exchanges. Offer may be revoked at any time.


年収が5千万円の小道具係りって

2009年10月27日 | アメリカ劇場事情
   

うーん、久々に驚いた。
何がって・・・
Metro New Yorkという日刊のフリーペーパーに10月21日付けで掲載された記事に対してなんですが・・・。

その記事のタイトルは 

“The best job at Carnegie isn‘t on stage”
直訳すれば、「カーネギーで一番の仕事は舞台上にはない」です。

記事によると、「カーネギーホールでピアノを押して舞台上に移動させる男は、それを演奏する男よりも高給取りである。デニス・オコーネル(実名ですよ!!)はカーネギーホールで小道具・機材などの管理を担当しているが今年度の年収は53万44ドル(日本円にして約4887万2700円)であった。」

えー!年収約4900万円の小道具係って・・・。しかし、この記事、実名で金額も1ドル単位まで伝えていますね。こんなことって日本ではあまりないですよね。さすが情報開示の国・アメリカ!しかし、こんな(馬鹿げた?)高給もアメリカでないと実現しなったでしょうね。さらに・・・

「オコーネル以外に4人のフルタイムのステージスタッフがいるが、2人は大道具で残る2人は照明担当、彼らの平均給与は43万543ドル(約3970万円)であった。カーネギーホールにおいて、シアターディレクターのクリーブ・ギリンソンだけが彼らよりも高給で同時期の給与と福利厚生の合計が94万6581ドル(約8728万円)であったことが、カーネギーホールの税務申告から明らかになった。」

カーネギーってのは音楽ホールですから、照明や大道具といってもそんなにたいしたことはやらないんですね。フルセットでオペラとかをやる訳ではないので。基本は反響板だけのごくごく普通のクラッシックコンサートを年中やっているだけです。それで平均年収が約4000万って・・・。シアターディレクターはさすがに道具の棟梁よりも高給でしたねって・・・・てもこの人も8700万も貰っているんですね。ふえーさすがカーネギー。

うーん、職場を誤った・・・。なんとしてもカーネギーに就職しておくんだった・・・。

「彼らはローカル・ワン(Local One of the International Alliance of Theatrial Stage Employees)と呼ばれるステージクルーのユニオンの所属で、ローカルワンは2007年の11月に労使交渉のもつれから26のブロードウェー劇場を約3週間に渡って閉鎖に追い込んだ。このときNY市が受けた損失額は4000万ドル(約36億9000万円)であったとNY市の会計監査官が発表している。ステージクルーとプロデューサーたちはその後、双方が妥協の産物と呼ぶ5年間の契約書にサインをしている。労働史研究家のジョシュア・フリーマンはNY市の活気の源である劇場産業を閉鎖に追い込むだけのパワーが労働者ユニオンに力を与えていると語っている。」

まあねえ、まあ、そういうことなんだろうけどねえ。それで劇場がまわってるんだったらねえ、誰も文句言う筋合いでもないんだろうけどねえ。一部のエクゼクティブだけが数千万から数億円もらっていて、ステージスタッフは年収300万円、みたいな世界だと不公平感があるけど。でも、4000万円とかいう年収はちょっと世間の常識からは外れているよね。シアターディレクターの8700万円もどうかとは思うけど。しかもカーネギーは非営利法人として税制控除とかの優遇もあるし、運営の半分ぐらいは助成金や寄付金なんじゃなかろうか・・・。もっともカーネギーに限らずメトロポリタン美術館やグッゲンハイム、リンカーンセンターなんかのエクゼクティブも数千万円単位では少なくとも給与をもらているはず。日本では非営利はまだまだボランティアの域を脱していない面があるけど、アメリカでは完全にビジネスとして成立していますね。

非営利なのにビジネスっておかしい、と思うかもしれませんが、僕は非営利も非営利と言う形態のビジネスであって、そこで働く人達が事業の規模や専門性、貢献度に応じて適切と思える給与を貰うのは当然であって、それが一流企業と遜色ない内容であれば、その給与も相応のものになるべしと思っています。漢字検定協会のような内部での不当な会計処理とは全く話が別です。そのため、非営利団体では税務状況を公表しなくてはならず、その中で給与額の上位5名のポジションと金額を公表する義務があります。また、運営組織の上部に理事会を設けて資産やファイナンスの透明性や正当性を常に問うことが求められています。とは言え、小道具係りの給与が5000万円って・・・理事会がよくOKしたなとは思いますがね。

まあ、組合にも良い面と悪い面があるだろうし、また日本と西欧では産業の成り立ちの歴史が違うので同じようには考えられないけど、日本の産業構造も西欧化(市場主義化)がますます進んできている状況において、組合のあり方も違ってくるべきなのではないでしょうかね。とりあえず日本の劇場界は劇場スタッフの労働時間の短縮、それと労働条件の整備から始めるべきじゃないかしらと思うのですが・・・。