国際交流のススメ

舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。

劇場スタッフの教育システムって

2009年10月19日 | アメリカ劇場事情
ということで・・・
日本ではプロダクション・マネージャーというタイトルがなく、つまり職種がなく、プロダクション・マネージャーになるというのは現時点では方法論がないように思います。が、プロダクション・マネージャーの役割は日本の劇場や劇団にも存在しているし、今後、官民の双方の劇場で自主事業が増えれば、その需要も出てくるでしょうし、ポジションも作られると思います、と書きました。

考えれば日本の劇場や劇団で専門職として働く人たちは、どのようにしてそこに辿りついたのでしょうか。その多くは学生の部活動から徐々に移行したり、技術スタッフなら専門学校から技術会社に、劇団で裏方をやるうちに徐々に活動が広がって職業になった、なんて人が多いのではないでしょうか。つまり弁護士や医者のような資格試験もなく、一般企業のような新卒採用もほとんどないのが現状で、さらに言えば系統だった学術的な養成機関もあまりない、ということです。

アメリカの場合、劇場で働くスタッフ、制作、照明、衣装、音響、舞台監督、舞台美術、演出、そして役者まで、ほとんどの人が大学の演劇科か舞台関係の学部を卒業しています。そしてかなりの数の人がさらに大学院まで卒業しています。何回か書きましたが、アメリカの特に地方都市の場合、劇場文化の中心は大学に付属する劇場であったりするので、大学の劇場といっても当然かなりハイレベルな内容の施設が多く存在します。大学校内ながら学生のプロダクションは上演させてもらえないところも多々あります。国内のカンパニーだけでなくヨーロッパやアジアの国々のカンパニーを積極的に招聘したり、フェスティバルを開催したりしている施設もあります。そういう大学や大学院では舞台だけでなく、衣装のためのショップ(作業場)や、大道具の工房なども完備し、舞台芸術を作る現場を総合的に学ぶことができます。

考えればクラッシック音楽の演奏者の多くは音楽大学や大学院を卒業しているのですから、同じような教育機関が演劇やダンスにも存在していて当たり前なのです。歴史や背景が違うのですから単純に日米の状況を比較して優劣を論じるのは乱暴かもしれませんが、日本の劇場文化がどうしても商業的なものに押されて流れてしまうのは、そういったアカデミズムのバックグラウンドが脆弱なせいかもしれませんね。

コニーアイランドってどうよ

2009年10月19日 | アメリカ徒然日記
 

マンハッタンから地下鉄で行けるもっとも至近距離のビーチ、それがコニーアイランド。小さな遊園地と木造ジェットコースター「サイクロン」(アメリカではジェットコースターはローラーコースターと呼びますが)で有名な小さなビーチですが、7月4日のホットドック早食い競争でも日本人にはなじみがあるのではないでしょうか。小林さんという日本人が次元の違った強さで連続優勝していたのですが、ここ2年ほどアメリカ人参加者に破れ2位に甘んじています。来年も参加するのかな。上写真右にあるのは老舗ホットドック店「ネイサンズ」。

 

オーソドックスはホットドックと、トッピングでチリビーンズやサワークラフト、チーズなどを乗せたものが主流ですが、パンもちょっとトーストしていてそれなりに美味です。

が、コニーアイランドの魅力はなんといってもその胡散臭さでしょう。下写真は凶悪・偽キャラクター軍団。ミッキーとエルモが同席していて、3対目は得体がしれません。さらにエルモは背中のファスナーが半開きで中に入っている人間のTシャツが見えています。彼らは最近、タイムズスクエア周辺にも出没しますが、観光客に愛想良く近づき写真を取ります。その後、「写真を撮ったんだからチップ払え!」と愛らしいキャラにはまるで相応しくないトーンで迫ります。

 

そして下写真はカラフルなニシキヘビを抱かせて写真を撮るおじさんたち。この半ズボンにアメリカ国旗をあしらったTシャツのおじさん。いい味出してますね。まさにハリウッド映画のチンピラそのもの。かなり情けない殺され方をする役に多そうな、といっては失礼でしょうか。しかし、こちらはタイとかでもよく見かける商売ですし、最初から値段も決まっているようなので、お互い納得ずくで良いのでしょう。しかし、今時、ニシキヘビ肩から巻いて記念写真撮りたい人ってねえ・・・。まあまあ、人の趣味はいろいろですからいいのですけどね。

 

そして極めつけが下写真。これカラーボールと呼ばれるペイントガンをエアーライフルで撃って的にあてるゲームですが・・・なんと、よく見ると・・・的は人間です。バイト風のお兄さんがヘルメットにゴミバケツのふたのようなものを手に持って楯代わりにして障害物の間を動き回ります。ああ、なんというアナログさ!実物大・実写版・インベーダーゲーム?いや射的ゲーム。あまりのアナクロさにちょっと引いてしまうほどです。こういうのの元締めって・・・やっぱりちょっとでっぷりしたイタリア系のおじさんたちなのかなあ。あ~怖!

 

安心してください。コニーアイランドには家族で楽しめる娯楽もあります。下写真は小さな子供を水辺で遊ばせるお母さん。その横は・・・???金属探知機を持って金目の落し物を探しているおじさんですね。健康のための散歩と小遣い稼ぎの両得作戦ですね。さすが市民の憩いのビーチです。

  

いえいえ、コニーアイランドはこれだけじゃありません。ボードウォークと呼ばれるビーチ周辺の散歩コースには下写真のような懐かしい遊びもあります。下左はハンマーで台を叩くと強さによって目盛りボールが跳ね上がるというアメリカらしいゲーム(ゲームと呼べるか?)やレトロな釣りゲーム、そして下右のような青空カラオケまであるんです。写真はカラオケの挑戦する子供です。可愛いですね。取り巻く大人たちからも思わず笑みが・・・。

  

とまあ、色々面白さ満載のコニー・アイランド・ビーチですが、NYにお越しの際にはちょっと足を伸ばして立ち寄ってみてはどうですか?