沼隈文化財研究所

「温故知新」
文化財を通して歴史を振り返ってみよう。
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「第12回 中国四国前方後円墳研究会」が開催されました。

2009年12月14日 | 講演会情報
今回のテーマは、「前方後円墳の終焉とその後」と題して
福山市「しんいち歴史民俗博物館」に於いて

平成21年<2009>12月5日(土)・6日(日)に
広島大会として開催されました。

第1日目は、午後1時から、代表者挨拶と主旨説明を
広島大学 古瀬清秀教授からあり、続いて研究発表に移りました。

<研究報告・発表>

1.内田 実「尾市1号古墳と近辺の終末期古墳」

2.新納 泉「前方後円墳の廃絶年代と二子塚古墳の編年的位置」

3.大谷 晃二「山陰の終末期古墳」

4.増野 晋次「周防西部の動向-防府平野を対象に-」

5.中 勇樹「宇摩向山古墳の発掘調査成果と宇摩の終末期古墳」

6.討論(発表者全員による討論会)

第2日目は、福山市しんいち歴史民俗博物館の見学の後、
尾市古墳、大佐山白塚古墳、大坊古墳、二子塚古墳を見学
しました。

特に今回は、「二子塚古墳」の発掘調査に伴い、全国各地に
おいては造られなくなっている前方後円墳が、この備後の地に
突如造られている意義と、その時代以降に特異な終末期古墳
(横口式石槨)が多く造られている意義にも言及し、問題点を含み
ながらも他地域(中国・四国を含めた)との相違を様々な角度から
言及されて、大変意義深い研究会でした。

中でも、墳丘の造り方、石室の構築内容、須恵器による編年、
武器・武具(今回は環頭太刀の柄頭)などを含む古墳年代の編年に
ついての論議と、そのような古墳を築ける人物・持てる人物の背景と
造られなくなった背景など、議論・討論があり
まだまだ数多くの問題点を含んでいる様子が窺えました。

古墳時代の一時期を取って見ても、問題の山があることが良く判りました。
次回も楽しみにしたいと思います。


          (討論会風景 発表者一同)

                               (概略以上)
                           (文責:椿庵遍照)

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