日本刺繍 nuinui のブログ

日本刺繍をつづります

江戸筥迫 『瑞鳥』

2017-11-05 17:33:35 | 筥迫&筥

3連休~昨日は雨になりましたが・・・
比較的、穏やかな3日間です




謎に満ちた「鳳凰」は、孔雀に似た想像上の「瑞鳥」です

筥迫展出品のAさんの作品です

仏教と共に、中国から日本に伝来し、物語などに登場するシンボル・装飾文様に用いられています




被せ下は、桐の花

鳳凰は霊泉、甘い泉の水だけを飲み、100年に一度、実を結ぶという竹の実を食べ、梧桐の木にしか止まらないという・・・








鳳凰は「国を治める立派な王がこの世に現れた時、人前に出てくると言われ、吉報を示す平和や、幸せのシンボルとされている・・・






作品展に当たり、Aさんの希望のデザインが「鳳凰」でした
鳳凰のデザインは沢山あるけど・・・

長い羽根がどこまでも繋がっている!
そんな思いでこの作品の下絵を描きました




横長の筥迫、しかも小さい!ので
後の「背」の部分に羽根をつなげて、下絵完成!刺繍も完成

うまくいったぞ~と思っていたのに~
お仕立てが出来上がってきた

ああ~そうか~
被せ(前)と背(後)の間に懐紙が入るのを忘れていた

立体で”もの”を考えられない悲しさ
反省しきりです



「桐紋」「五三の桐」 

桐と梧桐(青桐)は、全く異なった種です
アオギリを梧桐、キリを白桐・・・ですがこれを総じて「桐」と呼んでいる
桐は、古くから良質の木材として重宝され、伝統的に神聖な木とみなされ、家紋や紋章の意匠に取り入れられた

日本には、白桐を元に意匠化された家紋が幾つかあります
それを総して、桐紋、桐花文と言う

桐は鳳凰の止まる木として、神聖視され、嵯峨天皇の頃から天皇の衣裳の刺繍や染め抜きに用いられるなど、「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされた

又、中世以降は、武家が望んだ家紋で足利尊氏・豊臣秀吉なども天皇から賜っている
この為「政権担当者の紋章」という認識が定着する

近代では「日本政府の紋章」として大礼服や勲章の意匠に取り入れられたり、菊花紋に準じる国章として、ビザ、パスポートなどの書類や金貨の装飾に使われたり、一万円札の裏にも描かれている

「内閣総理大臣の紋章」として、官邸の備品や総理の演台に取り付けられるプレートに使われている
又、皇宮警察本部や法務省では「五三の桐」が紋章として使用されている

        
 ウイキペディアからの抜粋です