ふらふら日記

物足りない日常にふらふら、怪しい読書にふらふら、激しい映画にふらふら、美味いメシにふらふら、そんな感じの自己満足日記。

読書覚書2023 #12

2023年10月31日 18時02分26秒 | 読書ふらふら

「金田一耕助の新冒険」
著者 横溝正史
ふらふら度★★★☆☆☆
20230907木→20231016月

読書歴30余年、1019冊目の読破である。Excel読書録によると、横溝正史の著作は、これで47冊目。10代後半から20代後半まで、金田一シリーズにハマりまくっていたなァ。しかし、映画化された有名作品以外は、殆ど忘れている。金田一シリーズは、全部で70作品以上あるらしいが、有名作品以外は、割と似たようなエピソードが多いからねェ…。

横溝正史は、かなりの多作であるが、自作の改稿も多い。この短編集は、一度、短編として上梓され、後に長編化されて絶版となった幻の短編を集めたものらしい。言ってみれば、プロトタイプだ。原型短編集は、2冊が発売され、「金田一耕助の新冒険」は、「金田一耕助の帰還」に続く2作目らしい。あァ、「金田一耕助の帰還」を先に読むべきだった。

7作の短編が収録されているが、そのうちの4作は、長編化されたものを読んでいた。角川文庫版の「悪魔の誕生祭」「夜の黒豹」「悪魔の百唇譜」「スペードの女王」である。20~30年前の読書なので、薄っすらとしか覚えていないけど…。7作の短編は、正直、似たような展開、似たような登場人物、似たようなトリックだ。それでも、エログロ探偵小説は、面白い。

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読書覚書2023 #11

2023年09月21日 21時52分37秒 | 読書ふらふら

「信長と秀吉と家康」
著者 池波正太郎
ふらふら度★★★☆☆☆
20230826土→20230907木

読書歴30余年、1018冊目の読破である。タイトルの通り、戦国時代の三英傑をリレー形式で描いた長編歴史小説。歴史小説の中でも、三英傑を描いたものは、ベタ中のベタだ。そこそこの数の歴史小説を読んでいるので、今更って感じなんだけどねェ。しかし、ベタとは、王道なのだ。王道とは、揺らぎない根幹なワケで、結局、戻ってしまうんだよなァ。

信長の覇権を秀吉が継承し、秀吉の妄執を家康が平らげる。ホントに、この時代は面白い。三英傑の天下統一は、奇跡のような物語だ。正直、この小説から新しい何かを得たって感じはなかったが、改めて、三英傑に魅せられた。リレー形式なので、ちょっと急ぎ足な展開だけど、かなり読みやすい小説で、歴史小説の初心者に持って来いな一冊である。

しかし、それにしても読みやすすぎる…? 歴史モノ、時代モノの大家である池波正太郎にしては、やけにあっさりした文章なので、不思議に思いながら読んでいたが、巻末の解説を読んで納得した。元々、年少の読者に向けて書かれたもので、長らく絶版していた単行本を底本に文庫化したものらしい。うーん、中学の時に、この本に出合いたかったッ!

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読書覚書2023 #10

2023年09月07日 18時46分31秒 | 読書ふらふら

「ペスト」
著者 アルベール・カミュ
訳者 宮崎嶺雄
ふらふら度★★☆☆☆
20230801火→20230826土

読書歴30余年、1017冊目の読破である。久々に、しんどい読書だったなァ。普通の文庫本なら、早くて数日、遅くても2週間ぐらいで読了できるんだけど、今回は、そこそこ頑張って読んだのに3週間以上もかかってしまった。海外文学は、改行の少ない文章が多いけど、この「ペスト」も、かなりのギッチリ文章。海外文学の語りって、なぜにこんなにクドいのか。

夏の始めに、新型コロナに感染しまして…。コロナ禍が終息しつつある今更の感染は、結構、キツかった。で、人生経験への快気祝いとして、感染パニック小説の先駆け、アルベール・カミュの「ペスト」に挑戦してみたのだが…。そもそも学がないので、文学が苦手である。俺にとっての小説は、飽くまで娯楽なのだ。やっぱり、俺には、無謀な挑戦だったかも…。

カミュの小説は、30年ぐらい前に「異邦人」を読んだ以来。当時、10代後半だったけど、薄い本だったので、何とか読了した。ネットで粗筋を読んで、そんな内容だったような、てなぐらいしか覚えていないが…。しかし、読書歴30年を超えた今の俺ならば、フランス文学だって攻略できるッ! と、思ったのが甘かったねェ。正直、退屈だった。

「ペスト」は、カフカの「変身」と共に、不条理文学の代表作として有名らしい。「変身」は、読み物として単純に面白かったけどなァ。国と時代が違うから当然なのだろうが、感染パニックも、隔離された人々の心理も、いまいちピンと来なかった。不条理文学って、結局、ナニ? つーか、翻訳の日本語も悪いよ。昭和の翻訳って、無駄に日本語が難しくて…。

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読書覚書2023 #9

2023年08月26日 18時29分08秒 | 読書ふらふら

「あかね空」
著者 山本一力
ふらふら度★★★☆☆
20230722土→20230801火

読書歴30余年、1016冊目の読破である。以前からジョン万次郎を主役にした歴史小説を読みたいと思っていた。で、翻訳モノの「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」を読んだが、ダイジェストっぽい感じで物足りなかった。続いて、井伏鱒二の「ジョン万次郎漂流記」を読んだが、娯楽要素が足りず、俺好みではなかった。やっぱり、山本一力さんの「ジョン・マン」が読みたい…。

しかし、山本一力さんの「ジョン・マン」シリーズは、現在7巻まで発行されているが、まだ未完であるらしい。どうせなら、一気に読みたいしなァ。それに、そもそも山本一力さんの著作を読んだことがないので、いきなり7巻超の大長編に挑戦するのは…。で、とりあえず、山本一力さんの長編を読んでみることに。さて、数ある長編の中から、何を読むべきか?

古本屋を巡って何冊かの長編を購入し、その中から、「あかね空」をチョイス。山本一力さんの初めての長編で、第126回直木三十五賞受賞し、映画化もされているそうだ。江戸を舞台にした人情物語は、いぶし銀。派手な展開はないが、読み物としてシンプルに楽しめた。が、しかし…。正直、巻末の解説で絶賛されているほど感動できなかったなァ。

京都の豆腐職人の大男が、一人、江戸に出て、店を構えるところから物語が始まる。大男の京風豆腐は、中々、江戸の人々に受け入れらなかったが、苦労を重ね、少しずつ認められていく…。良いお話なんだけどねェ。大男の嫁と長男がアホ過ぎて、感動がブレブレだった。俺は、根が薄情なので、この手の家族愛って苦手かも。うーん、ちょい残念な読後感…。

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読書覚書2023 #8

2023年08月20日 18時20分22秒 | 読書ふらふら

「アンマーとぼくら」
著者 有川ひろ
ふらふら度★★☆☆☆
20230425火→20230722土

読書歴30余年、1015冊目の読破である。読了まで約3ヶ月かかりました。「Nintendo Switch」でダウンロードしたゲームを2タイトル続けてやっていたのと、コロナに罹ったせいで、間の2ヶ月半ほど読書が停滞していたのだ。ゲームをやると、途端に読書意欲が失せてしまうんだよねェ。上手くセールを狙えば、お得な価格でダウンロードできるから、ついつい…。

他にもやりたいゲームがチラホラあったけど、読書意欲を復活させるべく、「Nintendo Switch」を封印。最低でも年間20冊は読破したいからなァ。で、読書を再開。読書停滞前に4割ぐらい読んでいたが、しっかり覚えていたのでサラッと物語に戻ることが出来た。有川浩さんの著作は、10冊以上を読んでいるけど、有川ひろさんにペンネームが変わってからの作品は初めて。

ペンネームが変わっても、相変わらず文章が上手くて読みやすい。本当に読み心地の良い作家さんだ。北海道と沖縄を舞台にした家族の物語は、ファンタジックでノスタルジー。子供のような父と、病で早世した母との思い出が詰まった北海道。子供のような父と、新しい母親との戸惑いの日々の沖縄。そして、大人になった息子の後悔と決意…。

子供のような父が物語のキーパーソンなんだけど、シンプルに嫌いなタイプなので、正直、苛々した。少年の心を持った大人、って聞こえはいいが、ただのワガママ野郎だからねェ。憎めないトラブルメーカーってヤツ? こんな子供のような父の死んだ妻と再婚した妻が、とても素敵な女性なので、更に腹がった。良いお話なんだけど、なんかピンと来なかったなァ。

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