「さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記」
著者 井伏鱒二
ふらふら度★★☆☆☆
20230414金→20230425火
読書歴30余年、1014冊目の読破である。井伏鱒二って人の名前は知っていたが、昭和初期の文学は、無駄に難しいので、ずっとスルーしていた。確か、太宰治の師匠なんだよねェ。若い頃、数冊の太宰治を読んで、傾倒しかけたことがあったなァ。破滅的な思想に魅せられたのだ。でも、よくよく考えてみると、ただの自分勝手なアホなので、その後、嫌いになり…。
太宰治は、置いといて。とにかく、初めて井伏鱒二に挑戦してみた。つーか、「ジョン万次郎漂流記」が読みたかったのだ。去年末に「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」を読了した流れで、井伏鱒二が、ジョン万次郎の伝記モノを書いていたことを知り、何軒かの古本屋を巡って、この文庫本を購入した。タイトルになっている中編2編に加え、短編1編が収録されている。
まずは、「さざなみ軍記」から。平家の落ち武者の逃亡日記。源平合戦モノは、読んだことがなかったので、結構、ワクワクして読んだのに、すんごい尻切れトンボでガッカリ。更に、解説を読んだら、大部分を想像で書いたとのことで、二重にガッカリ。「ジョン万次郎漂流記」は、そこそこ面白かったけど、淡々としていて、ちょっとロマンが足りなかった。
短編の「二つの話」は、なにがなんだか意味不明…。現実から始まり、途中で妄想話になるが尻切れトンボ。現実に戻って、2つ目の妄想話が始まって、やっぱり尻切れトンボ。え、現実に戻らないの? タイムスリップ? 作中作? 劇中劇? 何がしたいの? これが、ナンセンス文学ってやつなの? 文学って、やり逃げで嫌い。ホント、無駄に難しい…。