ふらふら日記

物足りない日常にふらふら、怪しい読書にふらふら、激しい映画にふらふら、美味いメシにふらふら、そんな感じの自己満足日記。

読書覚書2023 #7

2023年04月26日 18時28分21秒 | 読書ふらふら

「さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記」
著者 井伏鱒二
ふらふら度★★☆☆☆
20230414金→20230425火

読書歴30余年、1014冊目の読破である。井伏鱒二って人の名前は知っていたが、昭和初期の文学は、無駄に難しいので、ずっとスルーしていた。確か、太宰治の師匠なんだよねェ。若い頃、数冊の太宰治を読んで、傾倒しかけたことがあったなァ。破滅的な思想に魅せられたのだ。でも、よくよく考えてみると、ただの自分勝手なアホなので、その後、嫌いになり…。

太宰治は、置いといて。とにかく、初めて井伏鱒二に挑戦してみた。つーか、「ジョン万次郎漂流記」が読みたかったのだ。去年末に「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」を読了した流れで、井伏鱒二が、ジョン万次郎の伝記モノを書いていたことを知り、何軒かの古本屋を巡って、この文庫本を購入した。タイトルになっている中編2編に加え、短編1編が収録されている。

まずは、「さざなみ軍記」から。平家の落ち武者の逃亡日記。源平合戦モノは、読んだことがなかったので、結構、ワクワクして読んだのに、すんごい尻切れトンボでガッカリ。更に、解説を読んだら、大部分を想像で書いたとのことで、二重にガッカリ。「ジョン万次郎漂流記」は、そこそこ面白かったけど、淡々としていて、ちょっとロマンが足りなかった。

短編の「二つの話」は、なにがなんだか意味不明…。現実から始まり、途中で妄想話になるが尻切れトンボ。現実に戻って、2つ目の妄想話が始まって、やっぱり尻切れトンボ。え、現実に戻らないの? タイムスリップ? 作中作? 劇中劇? 何がしたいの? これが、ナンセンス文学ってやつなの? 文学って、やり逃げで嫌い。ホント、無駄に難しい…。

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読書覚書2023 #6

2023年04月23日 17時32分03秒 | 読書ふらふら

「終末のフール」
著者  伊坂幸太郎
ふらふら度★★★☆☆
20230408土→20230414金

読書歴30余年、1013冊目の読破である。8年後に小惑星が衝突し、地球が滅亡する…。終末を目前にした人々の喜怒哀楽を描いた8編の連作短編集。終末カウントダウンは、SFの定番の一つだけど、大抵は、暴力に塗れたバイオレンスな世界観だ。しかし、この連作は、5年が経ち、残り3年となった、諦観めいた小康状態を描いていて、妙に平和な世界観になっている。

恐怖で自暴自棄になる者、タガが外れて欲望のままに生きる者、それらのアホは、5年も経てば、殆ど自滅するらしい。まァ、ラオウみたいなのが現れて、世紀末覇者を名乗るわけないもんなァ。残りの数年を穏やかに過ごす方が賢明なんだろうけど、中々、割り切れるものじゃないしねェ。最後まで足掻くのか…? サクッと諦めてのんびりと生きるのか…?

予想通り、8年後の場面がないまま物語が終わる。小康状態の群像劇なので、そのままバッドエンドか、一転、ハッピーエンドなのか、そんなことは、藪蛇なのだろう。が、しかし…。個人的な好みとしては、藪を突いて蛇が見たかったッ! 俺は、野暮な人間なので、ちゃんと結末が知りたいんだよねェ。陳腐でも、一発逆転のハッピーエンドが好きなのだ。

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読書覚書2023 #3-5

2023年04月09日 18時23分47秒 | 読書ふらふら

「鼠、江戸を奔る」
著者  赤川次郎
ふらふら度★★★☆☆
20230219日→20230224金

「鼠、闇に跳ぶ」
著者  赤川次郎
めらめら度★★★☆☆
20230224金→20230407金

「鼠、影を断つ」
著者  赤川次郎
めらめら度★★★☆☆
20230407金→20230408土

読書歴30余年、1010~1012冊目の読破である。いつ以来か見当もつかないほど久々に、赤川次郎さんを読んでみた。読書をするようになった30余年前、高校生の頃に、一番、読んでいたのが赤川次郎さんだったなァ。正直、年齢と読書歴を重ねていくにつれ、赤川次郎さんの小説に物足りなさを感じて離れていったんだけど…。でも、久しぶりに読んでみると、なんだかんだと面白い。

赤川次郎さんと言えば、軽妙なユーモアミステリだが、今回、読んでみたのは、時代モノだ。かの有名な鼠小僧次郎吉を主人公とした連作の短編集で、10巻以上も続いている人気シリーズになっているらしい。古本屋で3巻まで纏めて買ったので、3巻を一気に読んでみることにした。1巻目は、サクサクと5日ほどで読了。しかし、2巻目に入って読書モードが急停止…。

1月は、「Nintendo Switch」をやりまくって、ロクに読書をしなかった。だから、当分、ゲームを封印するつもりだのに…。ちょっと辛いことが続いて、現実逃避モードに突入。「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ」「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」の2タイトルをやりまくっていた。アラフィフのオッサンなのに…。

4月の頭まで、アホみたいに「Nintendo Switch」をやりまくっていた。で、2タイトルのゲームをやりつくして、ようやく社会復帰。再び読書モードを再開し、2巻目の後半を2日で読了。続けて、ほぼ1日で3巻目を読了した。相変わらず、赤川次郎さんは、読みやすい。流石は、外れのない量産型だ。貶しているようだけど、誉め言葉である。本当に凄い作家さんだと思う。

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読書覚書2023 #2

2023年02月24日 17時19分48秒 | 読書ふらふら

「ようこそ、我が家へ」
著者  池井戸潤
ふらふら度★★★☆☆
20230206月→20230219日

読書歴30余年、1009冊目の読破である。「下町ロケット」「下町ロケット2 ガウディ計画」に続いて、3冊目の池井戸作品。前の2作が凄く面白くて、直ぐに何冊かの池井戸作品を買い揃えたが、何となく手が出なくて、気づけば、6年ぶりになってしまった。経済エンタメって、正直、苦手なジャンルなんだよなァ。リーマンやら、金融業界やら、ホワイトカラーと縁遠いもので…。

6年ぶりに池井戸さんの経済エンタメに挑戦してみたが、やっぱり面白かった。苦手なジャンルでも面白く感じられるのは、本当に凄いことだと思う。設定や舞台が苦手でも、結局、小説って人間を描くものなので、その人間の描写が良ければ面白いのだ。更に、ミステリ的な要素もあり、読書ペースの遅い俺が2週間弱で読破してしまった。ベストセラー作家は、伊達じゃないねェ。

何年か前に、この小説が連ドラ化したのは、薄っすらと知っていたが、一切、観ていない。地上波の連ドラなんて、殆ど観なくなったし、ジャニタレ主演となれば、尚更だ。若い頃は、原作を読むと映像化作品も観たいと思っていたが、今は、原作だけで満足することが多くなってきた。これもオッサン化なのか…。4冊目の池井戸作品は、なるべく早いうちに挑戦したい。

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読書覚書2023 #1

2023年02月16日 00時47分41秒 | 読書ふらふら

「上意討ち」
著者  池波正太郎
ふらふら度★★★☆☆
20221228水→20230206月

読書歴30余年、1008冊目の読破である。年末から読み始めて、2月にようやく読了。正月に「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」のダウンロード版が安くなっていたので、「Nintendo Switch」に逃避してました。「ドラクエ11」は、「Nintendo 3DS」でプレイ済みなんだけど、グラフィックが段違いだし、新要素が多く追加されていたので、ついつい夢中に…。

それはさておき、閑話休題。30代の頃までは、司馬遼太郎こそが日本史の代弁者だと信じていた。あの熱い司馬史観を知れば、歴史の教科書なんて必要ないとさえ思っていた。が、しかし…。司馬史観って、賛否両論あるんだよねェ。確かに、ちょっと偏っているんだよなァ。なんとなく美化している部分もあるし、戦後イデオロギーみたいなギスギスもあって…。

で、40代ぐらいからは、創作色の強い歴史小説に魅力を感じるようになってきた。つーか、時代小説か。史実の正しさなんて、所詮、後付けだし。そんなんより、読み物として面白い方が良い。で、山田風太郎にハマった。あの独創的という言葉に収まりきらない世界観に圧倒されたのだ。でも、あの世界観は、エログロが過ぎてクラクラするんだよねェ。

司馬遼太郎の歴史観は、ちょい重い。山田風太郎の妖しさは、ちょい濃ゆい。もっと、あっさり歴史小説を楽しみたい。そんな時にピッタリなのが池波正太郎だ。司馬遼太郎や山田風太郎ほどの強烈な読後感はないが、池波正太郎には、人情がある。この短編集の11編は、どれも結末が物足りなかった。でも、なぜか心地よい読後感なんだよなァ。結局、人情なのかも…。

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