ふらふら日記

物足りない日常にふらふら、怪しい読書にふらふら、激しい映画にふらふら、美味いメシにふらふら、そんな感じの自己満足日記。

読書覚書2022 #5

2022年03月21日 04時27分00秒 | 読書めらめら

「クジラの彼」
著者 有川浩
めらめら度★★★☆☆
20220217木→20220224木

読書歴30年、985冊目の読破である。自衛隊の恋愛模様を描いた6編の短編集。以前、読んだ「空の中」と「海の底」の番外編も収録されているので手に取ってみた。いやァ、赤面しそうなほど恥ずかしい、ベッタベタなラブコメだった。いつもケンカばかりしている男女が惹かれ合うみたいなヤツ。青春かよッ! 自衛隊というカチコチの職業をベースにしたラブコメなので、甘さ際立って、より恥ずかしい。

図書館戦争」シリーズもベッタベタなラブコメだったけど、有川浩さんの軍隊好きとラブコメ好きって、なんかトンデモない。この独特な面白さって、一体、ナンなんだろう。苦~いコーヒーに甘~いチョコレートが合うような感じだろうか。巻末の解説に、同じく自衛隊ラブコメの短編集があると書いてあったので、早速、購入した。が、ラブコメの過剰摂取は毒になりそうなので、少し置いてから読むつもり。


有川浩「クジラの彼」607円

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読書覚書2022 #4

2022年03月01日 18時19分00秒 | 読書めらめら

「オジいサン」
著者 京極夏彦
めらめら度★★★☆☆
20220209水→20220217木

読書歴30年、984冊目の読破である。独居老人72歳の7日間を描いた物語。物語つーか、日常か…? 本当に、何でもない日常なのだ。事件なく、事故なく、幸も不幸もない。独居老人72歳が、どーでもいいことを、ただただ思考する。しかも、老人なので忘れっぽく、思考が堂々巡りする。老人が、何でもないことをウダウダ考えるだけ。悩んだり、怒ったり、呆れたり、反省したり、また忘れたり…。

独居老人72歳が、ただウダウダ思考するだけの7日間? そんなん面白いわけないだろうッ! と突っ込まれそうだが、これが、なぜだか面白いのだ。地デジ移行に苛立ち、カセットテープの処分に悩み、油っぽいソーセージの調理に苦戦し、有り余った時間をウダウダと過ごすだけ。真面目で誠実で少し偏屈な独居老人72歳の日々は、平穏の塊である。平穏な日常は、薄っすら微かに、愛おしい。


京極夏彦「オジいサン」836円

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読書覚書2022 #3

2022年02月17日 16時38分00秒 | 読書めらめら

「真田騒動 恩田木工」
著者 池波正太郎
めらめら度★★★★☆
20220128金→20220209水

読書歴30年、983冊目の読破である。池波正太郎は、真田家を描いた小説を多く残していて、俗に「真田もの」と呼ばれているらしい。その代表作である「真田太平記」全16巻を読了したのは、もう5年も前になる。すんごい大長編で、どっぷりハマったんだよなァ。あの後、直ぐに他の「真田もの」も読むつもりだったのだが、結局、5年も手付かずのまま…。ホント、アッと言う間に日々が過ぎていくぜ。

で、5年ぶりに「真田もの」に挑戦。「信濃大名記」「碁盤の首」「錯乱」「真田騒動」「この父その子」の5編が収録された短編集である。関ケ原にて、敵味方に分かれた兄弟の物語は、世代を経て、江戸の世に続く。幕府の嫌がらせのような課役の末、どん底の貧乏藩になった真田家松代藩の物語は、戦国の戦記と比べると、まァ、地味だ。しかし、お家の為に四苦八苦するドタバタもまた面白い。

真田幸村(信繁)の兄であり、真田家松代藩の藩祖となった真田信之の物語は、特に興味深い。93歳の長命で、4代将軍の御代まで生きたなんて、ホントに凄いよなァ。しかも、晩年まで家のゴタゴタで苦労しているのだ。池波正太郎の「真田もの」には、真田信之の晩年を描いた「獅子」という長編もあるらしいので、それも読んでみたい。真田信之みたいに長生き出来そうにないので、5年以内に…。


池波正太郎「真田騒動 恩田木工」781円

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読書覚書2022 #2

2022年01月28日 14時07分00秒 | 読書めらめら


「ヒトでなし 金剛界の章」
著者 京極夏彦
めらめら度★★★★★
20220117月→20220128金

読書歴30年、982冊目の読破である。これまた凄い本だった。ホントに、京極夏彦は、唯一無二だ。よくもまァ、こんな小説が描けるものだ。小難しいんだけど、どこかフザけていて、フザけているんだけど、とてつもなく深くて、深いんだけど、実は、当たり前で…。なんとも言えない、独特な面白さだ。笑っちゃうし、呆れるし、ムカつくし、悲しい。でも、最後は、納得してしまうのだ。

こんなタイトルなので、サイコな鬼畜が主役なのかと思ったが、まさかまさかの展開だった。鬼畜っぽいのも出てくるんだけど、そっちは、飽くまでも脇役。生きること、死ぬこと、知ること、意味を求めること、無意味に気づくこと、諦めること、赦すこと、捨てること…? グダグダと、お説教っぽい展開の連発である。本来なら、お説教なんて退屈なんだけど、これが、どーいうワケか面白い。

とにかく凄い小説だった。横溝正史、司馬遼太郎、子母澤寛、東野圭吾、スティーヴン・キングと、この30年で一押し作家がコロコロ変わったが、今は、断トツで京極夏彦だ。この人の本は、とにかく分厚くて、グダグダとした冗長会話に満ちている。読む前は、その分厚さに呆れてしまうが、読み始めると夢中になり、読み終えると、もっと読みたくなる。げに恐ろしきは、京極夏彦…。


京極夏彦「ヒトでなし 金剛界の章」1089円

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読書覚書2022 #1

2022年01月23日 00時11分00秒 | 読書めらめら

「髑髏検校」
著者 横溝正史
めらめら度★★★☆☆
20211216木→20220117月

1月17日に読了した本を振り返る…。Excelで作った読書録によると、横溝正史の本は、これで44冊目。思えば、高校1年の時に手に取った、横溝正史の「本陣殺人事件」が最初の読書だったんだよなァ。勿論、それ以前にも本を読んだことはあったが、漫画や子供向けの児童文学ばかりだったので、読書と言えるものではなかった。あれから、早30年…。今は、五十路手前の中年ど真ん中だ。

横溝正史と言えば、探偵小説の金字塔である「金田一耕助」シリーズだが、時代小説も多く書いている。いつか、それらの時代小説も読もうと思っていたが、気付けば、手付かずのまま30年が経っていた。時代小説は、ジジィ臭いイメージが強くて敬遠していたが、俺も五十路手前になり、ようやく時代小説の面白さが解るようになってきた。よし、いよいよ「人形佐七捕物帳」シリーズに挑戦しよう。

なのに、「人形佐七捕物帳」シリーズが、ちっとも手に入らないッ! 20年ほど前までは、古本屋に行くと横溝正史の本がズラズラっと並んでいて、「金田一耕助」シリーズと共に「人形佐七捕物帳」シリーズもよく見かけたのに…。最近の古本屋は、「金田一耕助」シリーズが数冊あるぐらいだ。ネットで新刊を買えば簡単なんだけど、俺の読書歴の95%以上が古本なので、なるべく古本で読みたくて…。

で、前置きが長くなったが、「人形佐七捕物帳」シリーズではない横溝正史の時代小説を読んでみた。「髑髏検校」と「神変稲妻車」の2編が収録された中編集である。うーん、江戸時代を舞台にした冒険活劇って感じなのかなァ。初期の作品らしく、推理っぽい展開もドンデン返しもないが、なんとも独特な雰囲気で、奇妙奇天烈に満ちた1冊だった。これが、金田一の世界観の原点なのかもねェ。

ちなみに、Excel読書録によると、これで981冊目の読破である。読了後の本を纏めてExcelに入力しているので、もしかしたら入力漏れがあるかも知れないが…。まァ、細かいことは置いておいて、とにかく、あと19冊で、長年の目標だった1000冊読破に到達する。なんとしても、読書歴30年目の今年で1000冊読破を達成したい。記念すべき1000冊目は、やはり、横溝正史だろう。さて、何を読もうかなァ。


横溝正史「髑髏検校」880円

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