つれズレ愚抄

ズレ：「バラエティ番組でトンデモ人物として紹介された実在の結婚詐欺師をモデルにしたフィクションだからコメディ路線かと思いきや、随所にくすぐりネタを鏤めながらも存外に深いテーマにもつながってそうそう無邪気に笑ってもいられねぇぜ。
映画の詐欺ものは胸のすくような鮮やかなテクニックに感心させられるのが定番的になってるのに対して、こちらは素人目にもいかにもお粗末な手口なのが妙に生々しく、笑いを通り越して詐欺師渡世の緊張感をリアルに味わえるようでぃ。
嘘も信じ込めば嘘じゃなくなるし虚構にすがって救われる現実もあるてなことを思うと、痛みに耐えて構造改革すれば世の中が良くなる筈が単に郵政を民営化しただけになり、その結果も定まらないうちに今度は政治主導の脱官僚だ友愛だってぇ一連の流れも何やら壮大な詐欺にあってるようなもんじゃねぇか」

 

つれ：「無駄を削ると気勢を上げてた民主党さんの天下になったら概算要求が初の９０兆円超えたぁ何やら皮肉だよねぇ」

ズレ：「元より財源が不安視されてた大盤振る舞いのマニフェストを前提にした割にはよくぞその程度に納まったって見方もあるんじゃねぇか」

つれ：「そのマニフェストの優先順位を吟味すりゃもっと縮減できる筈と見る方が大勢みたいだよ」

ズレ：「マニフェストを金科玉条にしたんじゃ日本が破産するてぇ省庁サイドの意思表示ってとこもあるかもなぁ」

つれ：「結局国債を頼んだ人気取りの豆播きになったんじゃ、従前と何ら変わるところがないからねぇ」

ズレ：「いきなり国家戦略だの行政刷新だのと大層な看板を掲げたはいいものの、マニフェストを立てれば予算が立たずで足下を掬われかねないぜ」

つれ：「スローガンの引き倒しじゃ共産政権の末期も同然だもんねぇ・・」

つれ：「ウィニーを開発した先生が二審じゃ無罪になったんだねぇ」

ズレ：「技術立国を目指そうてぇなら、新機軸に付き物のリスクも寛恕できるようでないとよ」

つれ：「かねて仰られてるとおり無罪になったところで改良に力を入れていただきゃ、問題の起きない便利なツールになるんだろうねぇ」

ズレ：「作り手に頼るだけでなく、綺麗な薔薇には棘があるのと同様に便利な技術には危険もあるてぇ自戒が使う側にも必要だわな」

つれ：「便利になる一方の世の中は実は危険も一杯になってるてのかぃ」

ズレ：「一旦便利に馴れるとちょっとの不便にも耐えられないてぇ危険もあらぁな」

つれ：「便利な時代に生まれた衆の方がアブナイ輩が多そうなのもそういう理屈かねぇ・・」

つれ：「オバマ大統領のノーベル平和賞受賞には結構世界中がビックリしたんじゃないのかねぇ」

ズレ：「凡そ賞と名の付くものは実績の顕彰となるところを、今後の活躍に期待してのご褒美先渡しとすりゃ実に画期的じゃねぇか」

つれ：「ノーベル委員会さんもオバマさんにあやかってチェンジしたのかもよ」

ズレ：「ノーベルさんの遺志が最も込められてるが故に人選には冒険も多い平和賞だけに、歴史に残ろうかてぇ核廃絶の名演説を打ったタイミングを捉えてこれからの行動に釘を刺す意義を世に問うてるのかもしれねぇぜ」

つれ：「来月の訪日に際して広島・長崎を回るの回らないのって話もある時にまた一躍時の人になっちまっちゃ、どっちにしろテロ予防の警備は一際大ごとになりそうだよねぇ」

ズレ：「今後に期待してってことなら、アルカイダさんやタリバンさんにも平和賞を差し上げて武闘路線をチェンジして貰ったらどうでぇ」

つれ：「そりゃ演説が名調子だからってヒトラーさんに平和賞を贈るようなもんだろうに・・」

つれ：「９月までの台風接近が統計史上最低タイだったそうだけど、その分を取り戻すような強力な台風にやられたねぇ」

ズレ：「各地の被害の様子だと、稀に見る風台風だったようだわな」

つれ：「首都圏は通勤時間を直撃されて軒並み電車が止まっちまったしねぇ」

ズレ：「雪への弱さは定評のあるところに風にも弱いとなりゃ大リーグボール２号並みだぜ」

つれ：「別に首都が消えちまう訳じゃないけどさ」

ズレ：「最上の防災は仕事に出ないことてな指摘もあることだし、予め来ると分かってる災害なら臨時の祭日にして実質的に首都の人混みを消しちまうって手もあるんじゃねぇか」

つれ：「新型インフルエンザなら出仕に及ばずてなこともあるからには、緊急防災の日とか銘打って無理矢理休ませるのも防災意識の啓発になるかもねぇ」

ズレ：「いっそ戒厳令を発して国防意識も併せて高めちゃどうでぇ・・」