【入選Ⅰ/10句】
★一村の墓静もりて花の下/黒谷光子
静かな墓とは対照的に、今年もあでやかに咲いた桜。
桜をみるたびにしみじみと故人の事を思い出している村人の姿が見えてきました。(木村 修)
★やまざくら花ぬぎすてて森に戻る/多田有花
山桜は花も嫩葉の同時で美しい。しかしいつの間にか天女が帰るようにいつもの森になっている。下五が山桜の美しさを引き立てていると思う。(清水清正)
★近江路の子供歌舞伎や春深し/前川鳰波
子供達の一生懸命に練習した歌舞伎の所作、うれしい待ちに待った曳山まつりですね。(祝 恵子)
★春愁のデジタル時計秒刻む/矢野文彦
ものみな命の息吹に満ち溢れる季節、それだからこそ逆になんともいえない物憂い思いにとらわれることがあります。時の流れの留まらぬことをデジタル時計が教えてくれるようです。(多田有花)
★渡り来て飛び交う燕夕茜/岩本康子
今年も燕がやってきました。長旅の疲れも見せぬ軽快な飛翔。さっそく巣づくりの準備に取り掛かっているのでしょう。(多田有花)
★春時雨電車揺れては軋みけり/小川美和
★空も地も夕日の色に蕗の薹/石田高志
★新緑は重なりあいてそれぞれに/笠間淳子
★松の芯こぞり大空ゆらぎけり/松原恵美子
★春空の明けゆく小鳥の声に満ち/あみもとひろこ
【入選Ⅱ/20句】
★万葉の風かたくりの花明かり/高橋正道
奈良のどこかでの景でしょうか。「万葉の風」から受けるおおらかな感じと地味だけれど明るいかたくりの花が何故だかぴったりだと思いました。その風に少しだけ揺れている片栗の花を想像します。(岩本康子)
★曖昧な色ひとつ無くチューリップ/臼井虹玉
そのものズバリ。断定した表現がチューリップに似合います。(矢野文彦)
★転職をバネとせよ子よ啄木忌/安丸てつじ
転職をするわが子を激励する親心。若さと転職など季語と共鳴し、より強い励ましの句となっています。(飯島治蝶)
★下萌えを踏めば靴底弾みくる/志賀たいじ
草野のやわらかい感触に春の訪れを感じる繊細な感覚が、素晴らしい。詠み手の喜びの声まで伝わってくるようです。(高橋正道)
★葉桜やすずめは嬉々と午後三時/碇英一
★風光る橋渡り来し美術館/野田ゆたか
★花曇児の背に光るランドセル/飯島治蝶
★花散って疎水の水もさくら色/篠木睦
★片栗の掴む日差しの柔らかさ/木村修
★虎杖の苦きを齧り山歩き/澤井渥
★春陽射すわれといくたり茶房窓/大給圭泉
★洗濯の白眺むれば春半ば/滑川けい子
★槍ケ岳(やり)の水山葵を辛く育てけり/清水清正
★フリージヤ居間の闇に香り満つ/堀佐夜子
★半島に白き雲浮き風光る/丸山草子
★池の面を浮きつ沈みつ散る桜/國武光雄
★わかみどり枝先に伸びる欅かな/河野渓太
★花びらの二三片あり象の背/中村光声
★たちまちに巨船呑み込む沖かすみ/大山由紀
★春蘭の丈へ屈んで写真撮る/古田けいじ
※作者不明の句は、入選作品から割愛しました。
▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。
★一村の墓静もりて花の下/黒谷光子
静かな墓とは対照的に、今年もあでやかに咲いた桜。
桜をみるたびにしみじみと故人の事を思い出している村人の姿が見えてきました。(木村 修)
★やまざくら花ぬぎすてて森に戻る/多田有花
山桜は花も嫩葉の同時で美しい。しかしいつの間にか天女が帰るようにいつもの森になっている。下五が山桜の美しさを引き立てていると思う。(清水清正)
★近江路の子供歌舞伎や春深し/前川鳰波
子供達の一生懸命に練習した歌舞伎の所作、うれしい待ちに待った曳山まつりですね。(祝 恵子)
★春愁のデジタル時計秒刻む/矢野文彦
ものみな命の息吹に満ち溢れる季節、それだからこそ逆になんともいえない物憂い思いにとらわれることがあります。時の流れの留まらぬことをデジタル時計が教えてくれるようです。(多田有花)
★渡り来て飛び交う燕夕茜/岩本康子
今年も燕がやってきました。長旅の疲れも見せぬ軽快な飛翔。さっそく巣づくりの準備に取り掛かっているのでしょう。(多田有花)
★春時雨電車揺れては軋みけり/小川美和
★空も地も夕日の色に蕗の薹/石田高志
★新緑は重なりあいてそれぞれに/笠間淳子
★松の芯こぞり大空ゆらぎけり/松原恵美子
★春空の明けゆく小鳥の声に満ち/あみもとひろこ
【入選Ⅱ/20句】
★万葉の風かたくりの花明かり/高橋正道
奈良のどこかでの景でしょうか。「万葉の風」から受けるおおらかな感じと地味だけれど明るいかたくりの花が何故だかぴったりだと思いました。その風に少しだけ揺れている片栗の花を想像します。(岩本康子)
★曖昧な色ひとつ無くチューリップ/臼井虹玉
そのものズバリ。断定した表現がチューリップに似合います。(矢野文彦)
★転職をバネとせよ子よ啄木忌/安丸てつじ
転職をするわが子を激励する親心。若さと転職など季語と共鳴し、より強い励ましの句となっています。(飯島治蝶)
★下萌えを踏めば靴底弾みくる/志賀たいじ
草野のやわらかい感触に春の訪れを感じる繊細な感覚が、素晴らしい。詠み手の喜びの声まで伝わってくるようです。(高橋正道)
★葉桜やすずめは嬉々と午後三時/碇英一
★風光る橋渡り来し美術館/野田ゆたか
★花曇児の背に光るランドセル/飯島治蝶
★花散って疎水の水もさくら色/篠木睦
★片栗の掴む日差しの柔らかさ/木村修
★虎杖の苦きを齧り山歩き/澤井渥
★春陽射すわれといくたり茶房窓/大給圭泉
★洗濯の白眺むれば春半ば/滑川けい子
★槍ケ岳(やり)の水山葵を辛く育てけり/清水清正
★フリージヤ居間の闇に香り満つ/堀佐夜子
★半島に白き雲浮き風光る/丸山草子
★池の面を浮きつ沈みつ散る桜/國武光雄
★わかみどり枝先に伸びる欅かな/河野渓太
★花びらの二三片あり象の背/中村光声
★たちまちに巨船呑み込む沖かすみ/大山由紀
★春蘭の丈へ屈んで写真撮る/古田けいじ
※作者不明の句は、入選作品から割愛しました。
▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。
今月も、オンライン句会を設営頂き有り難うございました。
有意義且つ楽しい時を過ごさせて頂きました。
信之先生、多田有花様、「黄砂降る」を特選にお採り下さり
感謝致します。
安丸てつじ様、堀佐夜子様、滑川けいこ様同句に選を
頂戴し有り難うございました。
黒谷光子様、祝 恵子様
「桜蘂降る」に選を下さいまして本当に有り難うございました。
多田有花様、臼井虹玉様、池田多津子様
二日間、大変お世話様でした。
おかげさまで素敵な時間を共有することが出来心から
感謝申し上げます。
「転職を」に選2有難うございました。冶蝶さんから励ましのコメントを光子さんから選を有難うございました。
「車椅子」におおにしひろしさん、心温まるコメント痛み入ります。まだギブスがとれず情けないです。
有花様、虹玉様、多津子様、お忙しいなか、句会をお世話頂き、有難うございました。
「花筏」に英一様、修様、渥様、凉様、恵美子様の、「土筆摘む」に光雄様の、「チューリップ」に英一様、淳子様、睦様、光雄様、てつじ様、ますみ様、渓太様、正道様、光子様、高志様、文彦様の選をいただきましてありがとうございました。多くの皆様から選に、お励ましをいただいた思いです。英一様、ますみ様、渓太様、文彦様には、うれしいコメントをお添えいただきましたことを、重ねてお礼申し上げます。
楽しい句会を有難うございました。
初めての句会でしたが、楽しく過ごさせていただきました。
「近江路の」句を、入選Ⅰにお選び頂き有難う御座いました。
重ねて御礼申し上げます。
祝 恵子様 黒谷光子様 選を頂いた上に、うれしいコメントを頂き有難う御座いました。
堀佐夜子様 「近江路の」句に選を頂戴し有難う御座いました。
有花様、虹玉様、多津子様、お世話様で御座いました、有難う御座いました
正子先生、「春野風」の句を特選にお取り戴き有難う御座います。
藤田洋子様、同句に御理解深いコメントを戴き有難う御座います。
渋谷洋介様。「春の風」の句を特選していただき感謝いたします。
又、祝恵子様、大山凉様、藤田洋子様同句を御選び戴き有難う御座います。
更に「月見草」の句を河野渓太様、臼井虹玉様御選び戴き有難う御座います。
「やまざくら花ぬぎすてて森に戻る」を入選Ⅰにお選びいただありがとうございます。清正さまには貴重なコメントをいただき、治蝶さま、ますみさまには選をちょうだいしました。お礼申し上げます。
光雄さま、康子さま、正道さま、「静かさや舞う花びらの絶え間なく」をお選びいただきありがとうございます。光雄さまのコメント、うれしく読ませていただきました。
多津子さま、虹玉さま、お疲れさまでした。
お世話して下さいました皆様ありがとうございました。「透きとおる」の句を池田多津子様選の特選7句にお選びいただき嬉しいです。臼井虹玉様うれしいコメントありがとうございました。
また、「半島に」の句を入選20句にお選びいただきありがとうございました。選をいただきました皆様ありがとうございました。皆様の春の句を堪能させていただきありがとうございました。