おはようございます(^^)
すこし ブログを整理していましたら、懐かしい記事が出てきました。
将棋の話題なのですが、
今から五年前に藤井聡太少年は弱冠14歳で地獄のリーグと云われている奨励
会の三段リーグを一期抜けしました。
そしてプロデビュー以来破竹の勢いで勝ち進み 前代未聞の29連勝を果たしました。
以来最年少の記録を次々と塗り替えていきます。
そんなときの私の感想と素人の方にもわかるようにと書いたブログ将棋の紹介です。
「ここからです」
♪最近、話題になっている将棋界ですが…(実は私は将棋ファンです)
ええ、中学生棋士の藤井聡太四段がプロ入りして以来負け無しの29連勝を達
成しましたよね。
何がスゴいかと言いますと、まず長い将棋界の歴史で
中学生でプロ棋士になったのは藤井四段が四人目でしかも62年ぶりに最年少
記録を塗り替えました。
そして29連勝も30年ぶりに塗り替えました。
何より驚いたのは、プロデビューから負け無しで達成した29連勝でしょう。
しかも若冠14才でしょう… マスコミが挙(こぞ)って取り上げるのも無理はな
いでしょうが、将棋界は今までもマスコミに幾度も話題を提供してきました。
お隣の囲碁界も将棋と良く似た歴史や組織になっていますが、あっ!勿論ルー
ルは違いますけどね^^;
話題性に置いては将棋界が断然リードしているようですね^^;
何故なのか…これは謎でありますが、ちょっと昔ですと、大手企業では若手社員
にパチンコをやるよりゴルフをやりなさい、
将棋をやるより囲碁をやりなさい、と先輩から教わります。
パチンコは公営でもないギャンブル性の高いゲームだからわかりますが将棋が
駄目なのはなぜですか?と訊きますと、
その先輩がいうには、将棋は勝ち負けがハッキリしていてダメだ、とおっしゃるのですね。
ん?将棋好きな私にとってこれは分からないところでして、じゃ囲碁はどうな
のですか?と重ねて訊きますと、うん、囲碁はね、勝ち負けがハッキリしない
からいいんだよ。とおもむろに応えられました。
ハッキリしない…とは? 囲碁をよく知らない私は尚も問いますと、答えは囲碁
のルールに在ることを知りました。
囲碁とは、簡単に説明しますと陣地の取り合いであります。
白い石と黒い石を交互に打って盤面の陣地を確保していくのですが、陣地の確
保を見分けるのが非常に難しくて、全て石を置き終わってから さあ並べ直し
てみましょうとお互いの白黒の石を陣地を取った分だけ並べ直(整地)して
…つまりどれだけ陣地を取ったか数えやすくするわけですが、それをお互いが確
認して ああ、ボクがちょっと足りないかなぁ…
残念だけどキミの2目の勝ちだね。
とまぁ、わりとゆったりした勝負の付け方なんですね^^;
これなら、相手も、そうですねぇ…なんとか少し残してましたか…と
謙虚に(ここが大事なところ)話せば負けた側にも傷は付きませんわなぁ^^;
つまり囲碁というゲームは勝ち負けより途中の過程を楽しむようでそれ故に、
囲碁は上流社会の紳士の娯楽となっているようですが、
将棋はそうはいきません^^;どんなに偉い人でも相手が強いと、きっちり負かされます。
そりゃ実力伯仲してますと、一手違いの勝負になりそれはそれで面白いのです
が、王手!王手!王手!と相手を追い込むわけですから負けた方は面白くないでしょう。
将棋というゲームは、相手の駒を取ると自分の手駒として使えるのが一番の特
長で、よく似たチェスは駒を取られたら減ってゆくいわゆる消耗戦みたいで
最終お互いが戦力不足になり引き分けになりやすいそうです。
将棋に戻りますが、仮に銀という主力の駒は最初お互い二枚ずつ持っています
が一枚取られますと、その戦力は3対1に変わるのですね。
ちなみにチェスは2対1ですが…^^;
それで将棋の勝負のつけ方は相手の王様を取ると勝ちになります。
でもその勝てる手段として、先ずは、相手よりも戦力を増やすことが大切なのですね。
先程の相手の銀を取ることで戦力が2対2から3対1になることで戦いを有利に進められます。
それと合わせて、王様を取られないように囲うことも肝要で、敵の王様を攻め
ながらこちらの王様を守る…ヒットアンドウェーが大事なことですね。
この攻めたり守ったりが難しいのです。後は、駒を効率良く使うのが必須な
のですが、これらを複合して指すことができるかどうかが勝負の分かれ目。
勝ち負けは側で見ていても分かりやすいし 駒を取られ過ぎたら そりゃ大差
になってとても勝てませんから、途中で形勢が分からないみたいなことは決し
てありません。
そこら辺りをさして将棋は荒いゲームだと言われる由縁かも知れませんがね^^;
でもこの勝ち負けのハッキリしたところに将棋の魅力が(人によっては魔力と言
います)があるみたいで、将棋は昔から庶民のゲームとして楽しまれてきました。
その将棋ですが、普段はわりと世間から追いやられたようにひっそりと行われ
ていますが巷(ちまた) で話題を振り撒くことがたびたびあります。
今の、藤井四段の話題はかつてないくらいのニュースになっていますが過去を
振り返ってみますと、昨年、三浦九段のソフト使用疑惑事件、ありましたね^^;
その前は、2005年に瀬川さん(現五段)の異例のプロ棋士入門試験。
その前は、1996年の羽生三冠の 七冠制覇がありましたね(^^)
この時のフィバーぶりは今と変わらなかったと思いますし 世間に将棋ブーム
を興すくらい大変な騒ぎでした。
それから時代は遡りますが、1952年に陣屋事件というのがありました。
当時の第一人者でありました木村義雄名人が升田幸三八段(当時)と対局する予定
が、対局場所の陣屋旅館(鶴巻温泉)の不手際に怒った升田八段が前代未聞の対局
拒否をしたのです。
何故対局しなかったかと言いますとこれには、背景がありまして、
当時、王将戦には三番負けると駒落ちにする という規則がありまして、升田
八段が木村名人に三番続けて勝ち規則に則(のっと)り この陣屋で行う対局は升
田八段が香車を落とす(ハンディ戦)となりました。
あの時代、いえ今でも名人位は第一人者の象徴でありまして、名人が下位者に
香車や角などを落として対局することがあります。
例えば、お正月にNHKで放映されるお好みテレビ将棋対局ではアマチュア名人
がプロの名人と記念対局をしますが、プロの名人が角を落として行います。
相手がどんなに強くても、プロの名人が駒を落とすことは、絶対の絶対ないのですね。
時は昭和27年ですから、名人の権威は今よりずっとずっと高かったのです
が、それを王将位を争う棋戦では、魔が差したか…三番続けて負けたら香車を落
とすとしたものですから大変なことになったのですね。
恐らく現代の佐藤天彦名人がコンビューターに負けた以上にセンセーショナル
な出来事だったのです。
升田八段は当時売り出しの新進気鋭の人気もある若手棋士でした。
口も強く(辛口)将棋も強い。自身子どものころ、家出をしてまで将棋の師匠
に弟子入りしましたが、その家出をするときに、母親の持ち物でした、物差し
に「この幸三、名人に香車を引いて(落として)指す」と書き置きをしたのは有名な逸話です。
それほどまで熱望した名人との駒落ちを直前に拒否したのは、口ではむちゃく
ちゃ言ってるようで、升田八段は実に繊細な人だったようで、名人は将棋界の
権威の象徴であり、その名人に香車落ちで対局すれば将棋界の威信は失墜し大
変なことになる と思い、対局会場の不手際をとって対局拒否にしたのではな
いか…と今では推測されています。
当時、新進気鋭で絶大な人気を誇っていた升田八段が対局を拒否した、と世間は大騒ぎでした。
将棋連盟はそれの処罰として升田八段の1年間の対局停止を出しました。つま
りペナルティーですね^^;
それを聞いた升田八段を応援する仲間の棋士やファンは連盟の査定に反発して
連盟からの脱退をしよう、とまで騒ぎは発展しました。
脱退…今では、そんなことしたら、どうして暮らしていくんかいなぁ…となりそ
うですが、将棋連盟は、元々東西に別々にありました。
と言いますか、まとまった組織など無かったのを、東京のプロ棋士達が集まっ
てプロ棋士の団体を作り上げたのが最初で後から関西が引っ付いたようです。
ですから、将棋界は今でも将棋連盟は本部は東京にあり、関西には支部が置
れています。
だから今では考えられないくらいの東西対抗の意識がありました。
木村名人は東京育ち、升田八段は広島出身で弟子入りしたのは関西ですから、
今回の騒動は、今では想像もつかないくらいに大いに揉めたのですね。
結局、連盟の理事会一同は騒動の責任を取って総辞職、升田八段は1年間の出
場停止 と一旦決まりかけたのですが、当事者であり連盟の権威である木村名
人が、裁定に出てきて今回はどちらも不問、陣屋の一局は升田八段の不戦敗と
して一件落着となりました。 いわば大岡裁き…ですね^^;
このように連盟には会長もいるし理事職もいるのにも関わらず、時の名人が仲
裁に入るくらい名人には権威があったのでしょうか。
他に、話題性があってやっぱり世間を騒がせたのは、1976年ごろでした。内藤
国雄九段が「おゆき」歌謡曲を大ヒットさせました。
今でいうミリオンセラーになって一躍有名人になりました。
テレビの歌番組に出演されたときに「日本中の歌手の中で恐らく私が1番将棋が
強いでしょう」という茶目っ気で将棋指しは堅いというイメージを払しょくし
てファンを魅了しました。
当時、将棋指し なんて道楽でやってるか、バクチ打ちみたいな悪いイメージ
がありましたが、この内藤九段は歌の上手いのはプロ顔負けで、おまけに美男
子長身、穏やかな雰囲気で話も旨い将棋も強い!と一躍人気者になりました。
これで将棋界のイメージは一変したのは勿論でよく将棋連盟は功労賞を贈らな
いのかと思ったのですが^^; それから20年… ありましたね^^;
いわゆる不倫騒動が!
何度も出てきてましたが、将棋界で第一人者とされてきた、第十六世名人の称
号を持つ中原誠(当時王座というタイトル保持)と同じくプロ棋士の林葉直子女流
棋士の不倫騒動がありました。
林葉さんは、将棋の仕事以外に 何でもポリスという若い女性向けの小説家で
もありまして世間一般には中原さんより知られていました。
その林葉さんが、中原さんとの不倫をリークしたのですが、中でも二人きりの
会話を録音していてそれをマスコミに流したから、
そりゃあ、大変な騒ぎになりました…と言いますか、中原さんは、あの通り、名
永世人の称号を持った品のよい紳士然としていましたから
不倫など縁がないような雰囲気が まったくぶち壊したようなことになってし
まい、中原さんはショックで引退してしまいました。
あの昼のワイドショーかなんかでスタジオ内に響いた声を今でも覚えています
「さぁ、今から行くぞ~、突撃だ~」
^^;^^;
こうして振り返ってみますと、内紛に不倫、天才出現 歌手デビュー、疑惑な
どなど…将棋界とは実に人間味に溢れた楽しい世界じゃないでしょうか^^;
とまぁ こんな今では破顔一笑、いえ厚顔無恥でしょうか。