釧路市議会2023年6月議会の一般質問が、本日(6月22日)行われました。
私は一問一答方式で質問しました。1回目の質問の要旨をご紹介します。
答弁と再質問は、正規な議事録ができてから、このブログにアップします。
(Q1) 子どもの医療費助成制度の拡充
まず初めに子どもの医療費助成制度の拡充について、お尋ねします。この点については、前回の議会でも取り上げましたが、選挙が終わって新しい議会の構成になりましたので、改めて質問させてもらいます。
子どもの医療費無料化を求める長年の取り組みは政治を動かし、全国で成果を挙げていると言えます。厚生労働省によりますと、「中学校卒業まで」通院費を無料・助成する自治体は2011年で全市区町村の39・8%でした。それが2021年は95・0%に広がりました。同じく通院費を「高校卒業又はそれ以上まで」で無料化・助成する全市区町村は2011年では2・2%だったものが、2021年に47・2%へと拡大しました。この10年で比較すると、大幅に対象年齢が広がっていることがわかります。
子どもの医療費無料化は、子育てをしている低所得世帯にとっては、切実な問題です。子どもが病気になっても、お金がなくて受診させられなかった親だっているのです。とりわけ子どもの医療というのは、貧富の格差なく誰でも平等に受けられることが政治の目指す姿ではないでしょうか。
この子どもの医療費助成制度は、住民のニーズを踏まえて子どもの福祉の向上という目的、少子化対策という目的など様々な目的で、子どものいる世帯にとっては必要不可欠の制度です。だからこそ、年ごとに無料化が拡充されていると思います。18歳までの医療費無料化は今では、半分近くの自治体で行われ、近隣では厚岸町、浜中町、白糠町、鶴居村などで行われています。根室市は18歳まで1割負担の助成制度が行われています。これからは18歳までの無料化を展望しなければいけない時期にきています。
子ども子育て支援法などでは「18歳に達する以後の最初の3月31日までの間にある者」を子どもと定義つけていますので、各種子どもに関する支援制度は18歳までとすることが論理的と考えます。そこでお伺いしますが、子どもの医療費無料化が18歳までに広がっていることについて、市長はどのように受け止めているのか、ご認識をお聞きします。
(Q2) 国民健康保険の子どもの均等割額
次に2つ目のテーマ、国民健康保険の子どもの均等割額に関わる質問に移ります。
市町村が運営する国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの無職、3割が非正規労働者で、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は、4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍になるといわれています。国保料が高額になるには、そもそも国庫負担が少ないという構造的な問題がありますが、それに加えて健保にはない均等割という制度が存在することも要因と考えられます。
ようやく国保の未就学児の均等割額の半額軽減が、令和4年度から実現しました。これは、長年負担軽減を求める運動の成果でもあります。一歩前進とはいえ、まだ子育て世帯の国保料は高額です。つまり国の制度以上に子どもの均等割の軽減を進めなければいけないのではないでしょうか。例えば、赤平市・陸別町・上富良野町では、18歳までの均等割を全額免除する制度を始めたそうです。また、旭川市や大雪広域連合では、18歳までの均等割額の半額免除を行っています。国の制度の不足する点を、自治体独自に補う所が出てきています。今では、子どもの均等割額を国の基準以上に軽減していることが、子育て支援に力を入れている町かどうかの判断基準になるのではないでしょうか。またそもそも国保世帯は低所得の方が多いと考えられますので、子どもの均等割の軽減は、低所得世帯を直接的に支援する施策にもなります。保険料は所得に比例して算出すべきもので、均等割という制度自体低所得の方が多い国保にはなじみませんし、ましてや子どもにまでかかるのは酷に思います。現在釧路市の均等割額は一人年およそ4万円とのことです。これが、就学前は半額、小学校入学後全額しょわされる訳です。負担能力ではなく子どもの頭数に税金をかけるようなやり方は、不公平ではありませんか。
そこで、釧路市独自に、子どもの均等割額に対する補助制度を実現すべきと考えますが、市の見解をお尋ねします。
(Q3) 電気料金高騰対策
続いて、3つ目のテーマ、電気料金高騰対策についての質問に移ります。今年6月から電気料金が大幅に値上げされました。北海道電力では、平均23%の値上げといわれ、市民は物価高騰に加え、電気料金高騰に悩まされています。電気料金の高騰は、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたので世界経済が回復し原油の需要が高まってきたとか、異常な円安とか、ロシアのウクライナ侵攻によって、燃料が入りにくくなって価格が高騰したからなどと言われていますが、国民にとっては全く責任のない事情です。しかも世界情勢を見ると、これからも値上げ傾向が続くといわれています。今、電気料金に対する市民の不安はピークに達しているといえるでしょう。
とりわけ、オール電化の家庭では、電気料金が月10万円を超えることもあったそうで、「家賃より高い」「年金より高い」といった悲痛な叫びが起きています。「光熱費がかさむ冬が来るのが今から怖い」とか「これ以上あがれば破産する」とか「もうどこにも切り詰めるところがない」といった市民の切実な声に、行政は耳を傾けるべきです。これ以上電気料金を節約しようにも、する術がない状態なのです。
電気料金の高騰は、生活者だけではなく、酪農を営んでいる方などにも深刻な打撃を与えています。このままでは酪農家がどんどん減ってしまう恐れもでてきています。酪農家の減少は、市内経済にも深刻な影響を与えてしまいます。電気料金高騰に対する幅広い行政の支援が必要なのではないでしょうか。
コロナ禍においては、1世帯10万円の給付金がありましたが、コロナが収束したかと思うと次は深刻な物価高騰に見舞われ、それにもかかわらず幅広い層を対象にした給付金はありません。住民税非課税世帯には給付金3万円支給されることは歓迎しますが、今の電気代の高騰は住民税課税世帯にも大きなダメージを与えています。住民税非課税世帯というのは、給与収入でいうと扶養家族がいない場合年100万円程度の人たちです。国の制度では、わずかの差であっても課税世帯になってしまうと何も助成がありません。ここを補うのが市の役割ではないでしょうか。
そこで釧路市は、市民が生活苦になるほど電気料金高騰で苦しんでいることについて、どのような実態を把握しているのでしょうか。あわせて釧路市としても、市独自の電気料金助成制度の仕組みを検討していただきたいのですが、市の見解をお尋ねします。
(Q4)再生可能エネルギーの導入
最後に、再生可能エネルギーの導入についての質問に移ります。先ほど電気料金の高騰について触れましたが、このような時ほど太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が急がれます。国も自治体ももっと積極的に再生可能エネルギーの普及に力を入れるべきです。
釧路市は、特に冬に日照時間が長く、雪も少なく、海風が吹いたり、波の力、地熱、バイオマスなど、知恵を出せば再生可能エネルギーの宝庫と言える土地柄です。再生可能エネルギーで町おこしができるのではないでしょうか。
中でも最近注目を集めているのが、ソーラーシェアリングです。このソーラーシェアリングは営農型太陽光発電システムとも呼ばれ、農地の上に太陽光パネルを設置し、農業と太陽光発電の両方を行う仕組みで、立体的に土地を利用するため、効率的に収益を高めることができるそうです。この取り組みは2022年1月1日号のしんぶん赤旗日曜版で大きく取り上げられました。神奈川県小田原市に合同会社が運営する農地に営農しながら発電するソーラーシェアリングが成功事例として報じられました。耕作放棄地が増えると、農地は農地のままでという発想では限界が生じます。畑や田んぼの上に人やトラクターなどの農機具が入れる高さの支柱を立てて、その上にソーラーパネルを設置し、営農しながら発電をするという経営方法です。農業と太陽光発電を両方行うイメージです。
近隣では浜中町で、農協が実施主体となって行われ、発電出力は1050キロワット。農家の電気代が年間20万円削減でき、余剰分は売電しているそうです。生産した生乳を「エコ牛乳」としてアピールして販売しているそうです。
湿原の中にメガソーラーを建設することに対しては、規制をすることは当然です。行政は小規模の再生可能エネルギーの発電にもっと後押しをする必要があるのではないでしょうか。
釧路市でも市有施設に太陽光発電システムを導入していますが、市のHPによりますと、市内の学校を中心に19か所、最大出力は合計で181キロワットと決して多くはありません。また平成28年6月の大楽毛中学校を最後にその後は進んでいないように見受けられます。
そこで、再生可能エネルギーをもっと普及させるために、釧路市はどのような取りくみを行っているのでしょうか。市有施設における太陽光発電システムの導入は、今後どのような施設を計画しているのかも含めてお尋ねします。
1回目の質問は以上です。