西村まさと 

日本共産党釧路市議会議員

一人一人を大切にし、多様な声を市政に🌈

釧路市議会議場に日の丸を掲揚する請願に反対討論

2024-06-25 21:39:57 | 市政

釧路市議会2024年6月定例会の最終日の今日、「市議会議場に国旗を掲揚を求める請願」の採決が行われました。

採決に先立ち、私は次の内容の反対討論を行いました。😠

残念ながらこの請願は、自民市政クラブ、創志会、公明党、参政党の賛成多数で採択されました。

共産党と市民連合は反対しました。💢

反対討論   

 私は、日本共産党議員団を代表して、ただいま議題に供された請願第2号市議会議場に国旗の掲揚を求める件に対して、採択に反対の立場から討論をします。この請願に反対する理由は次の6点です。

第1に、国旗と国歌については、内閣総理大臣の談話や国会答弁において「国民の皆様方に新たに義務を課すものではありません」「掲揚の義務付けを行うことは考えていない」と国は表明しています。釧路市議会には日の丸掲揚の義務は一切ないのであります。

 第2に、請願の要旨の中で「国旗及び国歌に関する法律」を用いていますが、この法律は「日の丸・君が代」を国の象徴として国家的行事等に使用することを意味しており、地方自治体や地方議会に求めているものではありません。市議会の議場は、市民のために、様々な議論をかわす場であり、中立公正が求められるものであります。だから写真や肖像画などは飾らない、不必要なものを持ち込ませない、シンプルな議場にすべきだからです。実際、裁判所の法廷だって無用なものは掲げられていません。それは対立する一方の価値観に偏らないよう細心の注意を払っている表れではないでしょうか。

 第3に、請願の要旨の中にある「我が国の国旗に敬意を表し」という文言には問題があるからです。もし議場に日の丸を掲揚すると、敬意を表することを義務付けることになりかねません。憲法で保障された内心の自由を侵害することになりかねないと考えます。

 第4に、「君が代」を歌いたい市民もいれば、歌いたくない市民もいます。同様に「日の丸」に愛着をもつ市民もいれば、大きな違和感を持つ市民もいます。多様な市民の思いや信条など、等しく尊重されるべきです。どうして日の丸に違和感を持つ市民がいるかといいますと、日の丸は第二次世界大戦の時、アジア侵略と戦意高揚の旗印として使われた歴史があるからです。日の丸に悲しい歴史を感じる国内外の人の気持ちにも配慮する必要があると思います。わざわざ議場に日の丸を掲げようとする考えは、多様性を否定する偏った価値観ではないでしょうか。

 第5に、議会は行政の執行機関ではありません。議会は、民主主義の柱となる代表機関として、多数の市民の意思を決めるとともに、多様な市民の意思を受け止めるための場でもあります。確かに現在市役所の敷地には日の丸を掲げていますが、それとは意味合いが異なります。市民の多様な意見が分かれる議場での日の丸掲揚は適切とはいえません。

第6に、国連自由権規約委員会は、教職員に入学式・卒業式での「日の丸・君が代」を強制している問題をめぐり、思想や良心の自由を保障するように求める勧告を出しました。国際的にも、よりいっそう市民の思想・良心の自由は保障されなければなりません。世界は日本の対応を注視している中で、議場に日の丸を掲揚することは、この勧告を無視することにつながりかねません。

以上6点の理由から釧路市議会議場に国旗掲揚を求める請願には賛成できません。現在日の丸を掲揚しないことで不都合は何ら生じていません。また日の丸を議場に掲揚するかどうかは、我々議員が話し合って自主的に決めることであり、そもそも請願にはなじみません。議会運営に関わることは全会一致で決めるべきであり、仮にこの請願が採択されたとしても、その後の各会派との協議の中で全会一致でまとまることはあり得ないでしょう。以上のことから、日本共産党議員団は、本請願については容認できず、断固反対することを申し上げ、討論を終わります。

現在の釧路市議会本会議場 中央に木製の釧路市章のみが掲げられています

釧路市章の根拠はこちらから
釧路市章