No. 2161 ビッグモーター社の環境整備感覚(『朝日』1月31日)
店舗前の公道の街路樹が中古車販売の邪魔になると言う感覚で、ビッグモーター本社の「環境整備推進委員」なる社員が店舗前の街路樹の伐採を指示していた模様だ。指示したと目される社員が器物損壊罪容疑で逮捕されたようだが、前代未聞だろう。
同社では店舗の環境整備点検について、従業員が経営陣の点検について異常とも取れるほどの神経の使い方をしていた模様で、時には本来の業務をそっちのけにして店舗の周りの清掃や整理整頓を行っていた様だ。
自動車はたしかに百パーセント人工的な製品ではあるが、店舗前の公道の植栽が車には不倶戴天の敵とでも言わぬばかりに伐採してしまう感覚は尋常なものとは言えない様な気がする。モーター・ショーの展示車のボンネット上に枯葉が載って居たら、誰でも払い落とすだろうが、中古車販売店の前の街路樹が営業の邪魔だと言う感覚は、恐らく経営陣の感覚なのだろう。今回の街路樹に係る不祥事で、会社創業者の役員が辞任したことは、道路上の植栽を目の敵にする様な感覚の創業者だったのであろう。聊か空恐ろしい気もする。