No. 681 八十歳代と五十歳代の戦後観(『朝日』8月31日『声』)
銃後であっても直に戦時体験を持つ八十歳代は、消せぬ恨み、悲しみ、疑念を抱えているのだろう。戦争を後世に伝えるために生きる決意を表明する人。神国の敗戦後、自らの戦争責任の検証も無く、極東軍事裁判終了で一億総懺悔、ハイこれからは民主主義と豹変した世相への疑念を投げる人。
一世代若い戦後経済復興期以後の五十歳代は、日本特有と思われる画一主義を迫る「同調圧力」への警戒を語る。映画を見て「被爆者」の辛酸を実感した人。
双方を読み比べてみて、ある程度は戦争が後世に伝えられているように感じるが、もっと若い世代となると、この点は甚だ心許ない思いがするのは杞憂か。