No. 2133 野菜は農産物ではなくなる(『朝日』1月3日)
今年は年始から椿事続きだ。元日の能登半島大地震、二日の羽田空港航空機衝突炎上。三日になって漸く後述のSF的農業ロマン。
土に作物を植えて育てることをせずに収穫する法はかなり以前から行われていた。水耕法がそれで、水面の上に棚を張って植物の支えとする。植物の栽培耕作に地力を使わないので、もはや農業とは言えないのではないのか。耕作に従事する者は農民とは言えなくなろうか。農業従事者ではなく、工業従事者だ。従来の水耕法が進化して、栽培棚が密閉された箱に収納され、箱ごとに様々な生育環境を作り出して生育状況を観察で出来るようになっている様だ。箱一つが実験室と言えよう。高品質の作物が期待できようが、生産価格がどこまで抑えられるかが勝負だろう。大いに期待することにしよう。