横浜市港北区新羽町

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【形(形式、礼儀、作法、しきたり、儀礼)が大切なわけ(地域活動ワンポイント知識)】

2019年02月23日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【形(形式、礼儀、作法、しきたり、儀礼)が大切な理由(わけ)】

 公的な団体や機関が扱う文書は公文書ですから、書式や内容の書き方や様式にこだわります。何かのイベントや儀式を行う際も公務なので手続きや形式にこだわります。
 私たちスポーツ推進委員は非常勤の特別職公務員として、区役所や市民局、県庁の施策に協力し、会議に出席したりイベントを主催したり、地域のスポーツ団体の後援活動をしたりしています。
 事務局は区役所の地域振興課、市民局であったり、県のスポーツ課であったりしますが、多くの民間の団体や地域団体から共催、後援、協力を求められ、一緒に活動したり実施するイベントがたくさんあります。
 公共の団体が共催、後援や協力という立場で関わることは、一般的にはそのイベントや儀式に「お墨付き」という格式を纏うという一面があります。主催者もそういった格式を纏うことで、イベントの内容に重みを持たせたいといった思いがあるかと思います。
 そういった場合に事務局として私たちはどういったことに気を遣うかというと、やはり書類の形式や様式、間違いや偏った内容がないか、さらには、礼儀作法、しきたり、儀礼、習慣といった伝統的な社会通念に則った式典の運用となっているかなどをチェックします。
 そうしますと、「役所は細かいことにうるさい」「形式や作法や建前ばかりにこだわる」という印象を持たれてしまうこともあります。なぜ、書式や様式や手続きや形式といった形にこだわらなくてはいけないのでしょうか。
 よく、形式や儀式を縦割りの重圧を押し付ける権威主義や封建主義と結びつけて、形式にこだわることを否定するようなことがありますが、それは間違いです。服装やファッションが、その個人の最初の正直な思想表現であることと同様に、イベントや式典において多くの関係者の目に触れる書類、式典の形、招待者の顔ぶれなどの目に見える「形」は、そのイベント、式典、儀式の立ち位置、重要さや格式を表現するものでもあります。
 私達は様々な共同体において近代的契約社会の中で生活していますので、形式、制度、手続きを重んじ、そういった思想は儀式をもって効果的に表現されます。実際の世の中を動かし、人間関係を背後で支えているのは、形式、礼儀、作法、しきたり、儀礼、習慣といったその国の文化であって、法や制度で足りない大部分を文化によって補っています。
 そして、文化は形であり、特に日本文化は「形」を重んじます。それは、相撲道、柔道、剣道などの武道や茶道、華道、書道といった「道」に結実しています。
 武道には「形」があります。茶道や華道には様式美、形式美があります。いずれも形を極めたものが「礼」ですので、日本の文化は「礼で始まり礼で終わる」と例えられ、礼節の国と言われる所以でもあります。
 故に、イベントに関係する文書や儀式の形式において、記載内容が統一されていなかったり、偏りがあったり、表現が適切でなかったり、招待すべき方が招待されていなかったり、順番が違っていたり、礼儀、作法、しきたり、儀礼、習慣といった社会通念や文化を疎かにしてしまうと、そのイベントや式典そのものが軽率なものとなってしまうだけでなく、必ずそこから人間関係が崩れ、その人々が属する集団、団体間の関係にも軋轢を生むことになります。
 こういった事情から、形式的なことと言えども、イベントの内容と同じくらいたいへん大切なことであるということをお願いさせていただくことがよくあります。
(文責:新羽地区スポーツ推進委員連絡協議会会長)
参考:港北区スポーツ推進委員連絡協議会定例会区会長挨拶
一部引用:港北区地域振興課長談


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