戦場ヶ原からこんにちは

日光自然博物館がお送りする奥日光の自然情報+αです。

新・山の上からこんにちは vol.16

2013年07月19日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光での話題や最新情報、さらに日光自然博物館のイベント情報をカテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしています。

■本日の奥日光の状況 晴天・19℃(博物館9:30現在)

今回は、切込・刈込湖のご紹介です。
三岳の北側に位置し、湯元と光徳をつなぐ山道を歩かなければ、辿り着くことができない湖です。

こんな風に書くと、
「山登りなんて、なんだか辛そうだなぁ・・・」
と思われる方も多いでしょうか?

確かに険しい箇所もあり、なかなか“優雅な散策”とはいきません。
しかし、だからこそ、平坦な遊歩道が整備された戦場ヶ原などと比べ、訪れる人も多くなく、奥日光の“穴場”とも言える場所でもあるのです。
きちんと準備をして登れば、たくさんの素敵な出会いが待っているに違いありません。

例えば、コレ。
Dsc_0088
ヒカリゴケです。
当ブログでも、湯ノ湖畔のヒカリゴケはたびたびご紹介していますが、小峠と切込刈込の間でもたくさんのヒカリゴケが見られます。
ボリュームでは、こちらの方が上?!

他にもこんなものや、
Dsc_0002
(ニホンジカのけもの道)

中には、こんなものも。
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(ツキノワグマのくまはぎ、歯形付き)

自然の中を歩いている実感が湧いてきます。
ここでは動物たちは、“出てくる”のではなく、我々が動物たちの住処に“おじゃましている”のです。

うっそうとしたとした森を抜けると、刈込湖が姿を現します。Dsc_0107
深緑色の湖は、とても涼しげ。
今回は他には誰もおらず、プライベートビーチ状態!

湖畔の砂浜に降りると、流れ込む小さな沢沿いに、たくさんのイトキンポウゲが咲いていました。
Dsc_0099
その名の通り葉は糸のように細く、小指の爪ほどのまぶしいくらいに鮮やかな黄色い花がたくさん見られました。
色の抜け始めた花も見られましたが、全体としてはボリュームもあり、もうしばらくは楽しめそうです。

また写真ではお伝えできませんが、馬のいななきに似たコマドリや、ちょっとけたたましいメボソムシクイといった鳥たちのさえずりも賑やかでした。
これらの鳥は、標高が1400mほどの戦場ヶ原より、さらに200m以上高いこの地域で繁殖します。

刈込湖を出発する頃に雨が降ってきてしまい、以降はかなり駆け足になってしまいました。

シカの泥浴び場や、のそのそ歩くアズマヒキガエル、涸沼のミニチュアの様な不思議な景色など、ゆっくり楽しめなかったのが残念です。
切込湖-涸沼-光徳間の自然は、またの機会にお伝えできればと思います。

大変だけれど、楽しみも大きい!
みなさんも挑戦してみてはいかがですか?!


(T-村)


■イベント情報

8月の週末は、自然解説員と一緒に、奥日光の自然を歩いてみませんか?!
定員は各回20名です。

①戦場ヶ原ガイドウォーク(8月の毎週土・日曜日、但し31日は除く、各日2回)
参加費:300円

②戦場ヶ原ナイトハイキング(8月の毎週土曜日、但し31日は除く)
参加費:800円

③中禅寺湖ナイトハイキング(8月の毎週日曜日)
参加費:800円


■企画展情報

①『《花遊びの会》植物画展』
平成25年7月1日(月)~8月4日(日)
色鮮やかな植物画を多数展示!
詳しくは、コチラ

②夏休み特別展 ~涼しい奥日光においで~
『夏休み 体験!発見!わくわく祭り おもしろ昆虫展』
平成25年7月27日(土)~8月18日(日)
世界のカブトムシ・クワガタムシの生体展示や、昆虫のペーパークラフトなどを毎日実施!
さらに、8月4日(日)は特別イベントとして、昆虫との触合い体験なども予定しています。
詳しくは、コチラ