日刊ミヤガワ

作家・表現教育者宮川俊彦によるニッポン唯一、論評専門マガジン。

1月1日 元旦起文

2009年01月01日 | Weblog
日刊ミヤガワ1827号 2008 1.1

「元旦起文」

明けましておめでとう。
いい国にしていきたいと思います。
自分の本分と専門に依拠しつつ為すべきを為して、だな。前半は執筆。後半は少し走ろうかと思う。
静かにしてようとすると水や思いが溜る。やはりほどほどでないとまずいものだ。鯨は大洋とプールを行き来しているのがいい。
長く滴り続ける雫は巨石も貫き砕くものだ。何一つ無力とも徒労とも無意味とも思う必要はない。確信は揺るがぬことを云わない。揺らぎながら迷いながら時に雫を汗や涙や血に変えてもそこに立ち続けることを云うのだと思う。
日本は恐慌や感染や地震や社会不安で自然萎縮する状況にある。過剰な自己の保全を強いられている。大きな意識の地殻変動が起きている。これは転換期だが真っ当な高次な指揮鞭を取れる者はいなくなってきた。ますます本物と偽者が、賢と愚が、明らかになって来る。
目を磨き、心を澄まし、怜悧でなくてはならない。見掛けの勢いは行き詰まり細かい渦になっていく。本当の胎動は、自然に素朴に感じるところから小さな渦から起きるものだ。
全身の感度をより高く、感知をこそ求めなくてはならない。
ボクは言葉を飛矢にしよう。そして思索の堀は深掘し続けよう。

今年は例年になく心が澄んでいる。こんな元旦も珍しい。悪いものが全部体内から除かれたような気分。静謐か。一陽来復を娘と飾った。初めてのことだ。
元気な意義ある年にしたい。
今年も変わらぬご交誼を。

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