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リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

粋ということ その2

2005-05-19 22:56:52 | サツキマス研究会/長良川調査会
松岡さんは、漁師さん獲ったサツキマスをすべて買い上げてきた。

 サツキマスがたくさん上ってきた年は、大きいものも多かったから、その量は半端なものではない。しかも、最盛期は一晩で、100尾ほどが捕まったんだ。大きさを測っているだけでボクは腰が痛くなった。それを、冷凍するにしても前処理するのだから、大変である。
 そして、値段。サツキマスは高価な魚だ。取れる身の量を考慮したら、上物のトロと変わらないほどの価格になる。それを、松岡さんは、持ち込まれるだけ、いつも現金で買い上げた。
どれだけ漁獲しても買い上げる。そんなシステムがあったから、漁師さんはサツキマス漁に専念できた。

 やがて、サツキマスが獲れなくなった。
サツキマスは皮肉なことに、長良川河口堰建設によって有名になっていった。
岐阜の市場は魚が欲しい。そこで、漁師さん宅に市場に出荷するように電話してくる。漁師さんに手間はいらない。漁場を回って集める専門の人間が船までとりに来るのだ。

 サツキマスの値段は高沸した。松岡さんが買い上げる値段より、市場の価格は倍以上になることがあった。
 不漁になるということは、漁師さんにとっては直接収入に関わる問題だ。水揚げが減った分、市場に出荷することで、補うということも可能なのだが、漁師さんはそれをしなかった。

つづく


にいむら
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