新潟久紀ブログ版retrospective

土木部監理課17「降格並みの出向内示に耳を疑う(その1)」編

●降格並みの出向内示に耳を疑う(その1)

 平成28年1月下旬。私は担当する懸案事項の大方に決着の目処がついていて、あとは長丁場の2月定例県議会への対応を残すのみであり、その先にはほぼ確実に異動内示が待っている…くらいの心持ちであった。
 初めての土木部勤務で、振り返れば色々と苦労もあったが、自身の知見として蓄えられたことも多かった。それでも労務管理を主体とするポストは2年も経験させて頂ければ十分だと思った。女性登用などのあおりで私の年代周辺の昇進昇任は非常に停滞しており、少し前なら課長職に当たるべき年頃であるのに、課長級とは言え未だ課長補佐事務取扱の身の上である。県職員として定年まで10年を切っており、財政課をはじめ多様な職務と苦労を経て蓄えた知見を活かして、一段上の職位で更に貢献したいという思いが強まっていたのだ。
 そんなある日の午後。県の人事担当幹部から私に電話で呼び出しがかかった。昔から業務の色々な場面で縁があって馴染みのある方で、土木部監理課においても職員の個別の労務管理課題で時折相談などさせていただいてきた相手だ。今回の呼び出しもそうした案件についての指示や助言などを受けるのだと思い、相手の執務室へ向かった。
 「4月から燕市の企画財政課長をやってくれないか」。あまりに予想外で唐突なお話に、私に対して言っているのだろうかすら疑わしいほど、何を言われているのか一瞬分からなくなった。しかし、私の脳裏には即座に、人事を取り巻く色々な情勢とどう進んで行くべきかが浮かび上がってきた。女性登用やリストラでのポスト統合等により、私のような年頃が昇任できるポストが極めて少なくなっていて、例えば補佐職から補佐職へなどと、同格のまま横にスライドする人事が多くなっていた。そんな扱いを受けるなら、県本庁舎にこのまましがみついても所属長になれる公算が低いなら、いっそ外に出て、市役所であっても所属長として采配を振るえた方がましかも知れない。
 私は、反射的に「わかりました」と応えた。目の前に座す人事の幹部は、人事に関する希望調書や今までの私とのやりとりの中で、県本庁の課長職として早く力を出したいという意向は十分承知している筈だ。その上で、今回の話を私に打診してくるのだから、四の五の言っても詮無いことだと私は瞬間で判断したのだ。

(「土木部監理課17「降格並みの出向内示に耳を疑う(その1)」編」終わり。「土木部監理課18「降格並みの出向内示に耳を疑う(その2)」編」に続きます。)
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