●下手の横好きでバンド活動(その1)
ブログで時折触れるのであるが、私は中学生くらいの頃から洋楽のロックを聴くのが好きだ。イーグルスとそのメンバーのソロ、ジャクソン・ブラウン、ジョン・メレンキャンプ、REOスピードワゴン、ピンクフロイド、イエスとその関連バンド、ケイト・ブッシュなどなど。並べて見れば流行かぶれで節操が無い感じではあるが、日本人には見られない世界観とか"付き抜け感"とかに浸ることは、日常の田舎暮らしに感じる閉塞感への風穴を見るようで、自分にとっての重要な習慣だった。
音楽というのは聴くばかりでは飽き足らなくなり、演奏もしたくなるのがありがちなバターンだ。私もご多分に漏れず、ロック演奏に関わってみたいとの想いがあったが、自ら動いてどうこうしようというほどの意欲では無かった。ところが大学2年生の春先に、とある講義で一緒の教室となった同学年生から雑談の中で問われたのが「バンドを組もうと思っているんだけど、ドラムやれる奴を知らないか」だった。
「自分にやらせてもらえないか」と我ながら反射的に応答した。経験は全く無かったが、心の奥に潜む願望が反応したのだろう。とりわけドラムというのが琴線に触れた。私は昔から左手の指が思うように動かせないことが多々あり、ギターやキーボードなどは断念した経緯がある。ドラムの演奏を嘗めている訳ではないが、バンドに参加できるとすればそれしかないと思っていたのだ。
しかし、話を持ちかけてくれた級友は高校時代からベースをやっているというし、他に目星の付いているギターやキーボードの連中もこれまで演奏を続けてきた人達だと言うので、私が未経験だと話せば相手にされないだろうとの覚悟も出来ていた。ところが、「やってみるか」と言ってくれる。どうやら高校時代に技術はあるが我も強いメンバーと折り合いが悪く苦い経験をしていたらしい。初心者で低姿勢なメンバーの存在から調和を見いだせると考えたのかも知れない。
それにしても、バンド編成の話は若者にありがちな気まぐれか思いつき話程度のものではないか…。そんな風に進展を期待もせずに殆ど忘れかけていたのだが、数日後に改めて当該級友から声掛けを受けた。「メンバーで集まって紹介し合い、曲を決めるよ」という。真面目な級友はメンバー調整に奔走していたのだ。
指定の日時に参集場所とされた「学食」に行くと、声掛けしてくれたベースの彼の周りに男子学生2人、女子学生2人が座って談笑していた。私が加わって自己紹介が始まると、男子学生は私と同じ学部で高校生の時にバンド経験もあるギター担当と教育学部生のボーカル担当、女子学生はともに教育学部で音楽専攻をするキーボード担当者であると知った。
これはマズイのではないか。皆レベルが高すぎる。声掛けしてくれたベースの彼が如何に"和気あいあい"主義であろうとも、他の多数から私などはお呼びでないと直ぐに追い出されるに違いない。それでも意外なことに私が未経験者だと話しても皆、顔をしかめたりする様子も無かった。
ベースの彼の高校時代の思い出同様、他の人達も学部の授業なとでギリギリとしていて、息抜きのお遊び的に楽しめるバンド活動をしたかったのだという。私の様なド素人にも寛容に接してくれそうで有り難いことしきりだった。
ただ、最初が肝心とはよく言ったもので、このユルさへの甘えが後々の反省をもたらすことになる。
(「新潟独り暮らし時代19「下手の横好きでバンド活動(その1)」」終わり。仕事遍歴を少し離れた独り暮らし時代の思い出話「新潟独り暮らし時代20「下手の横好きでバンド活動(その2)」」に続きます。)
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