▼20昭和の修学旅行は京都と奈良(その4)
~金閣寺、御所、映画村、嵐山~
昨日の夕方に思いがけない感動を得た「二条城」では、他の修学旅行者等による混雑のために入館までの待ち時間が大変長くなり、そこまでの移動時間の押し具合もあったので、その後の予定が翌日に繰り延べられてしまった。
そんなわけで、昭和54年5月10日の柏崎市立第二中学校三年生の修学旅行の三日目最終日の最初は「金閣」を訪れた。
カラー刷りの資料などで優美な姿を見るにつけ現物を直に見たいと最も思わせていたものなので期待が大きかったが、経年劣化というのか、一階部分の金箔が煤けたり剥がれているように見受けられて、少しがっかりしたという声が級友からももれた。
それでも、池や庭園の設えなど全体としてみれば、少なくとも今まで生きて見てきたものの中では別格の圧巻ぶりであり、直接見られることは嬉しく思えたものだ。
ただ、池を遠巻きに歩いて眺めるだけで、中にはもちろん入れずなので、金箔が貼られた様をもう少し間近で見たかった。遠くない過去に放火されたと聞けは警備厳重はやむを得ないことなのだが。
「金閣」訪問が繰り延べられたこともあり、最終日として出立の列車時間が決められている以上、全体として日程がこれまでに増してタイトになってきていた。
続く「御所」などは、広大な敷地において白い砂利を駆け足のように通り過ぎたことだけが思い浮かばれ、建物の印象などがほぼ無い。年間で限られた時期しか公開されていないということを思えば猶更残念に思う。
続けては、修学旅行の趣旨からすれば少し外れるというか、我々生徒達へのサービス的な日程なのか知らないが、「映画村」に立ち寄った。
映画やテレビなど時代劇の撮影用に、江戸時代頃の古い街並みやその間を流れる水路などが復元されていて、古い着物姿の演者さんが撮影の合間なのかそぞろ歩いていたりするのでタイムトリップの雰囲気がある。時折、来村者向けに所々で時代劇の寸劇などがあったり、お茶屋から昔の装束の店員から声掛けや手招きがあったりと飽きさせない。
いくつか体験的に楽しめる建物もあって、アニメの制作過程や遠近法を用いたセットのつくり方などが楽しく学べた。私としては”色々な効果音のつくり方”が分かるコーナーが面白くて、柳行李に小豆を入れてさざ波の音を出したり、ぽっくり型の紙で馬の駆ける音を出したりと次々に体験したものだ。
日程の最後は「嵐山」ということだが、時間の都合なのか折角目の前にした「渡月橋」を渡るいとまも与えられず、団体客用の店舗で昼食をとり土産の買い物をしてそそくさとバスに乗せられてしまった。修学旅行は最後の行程までも、それまでと同様に、何の情緒も無いままに過ぎ去ってしまった感じだ。
とにかく修学旅行シーズンのためか行く先々はどこもかしこも混雑につぐ混雑で、日頃スカスカした地域空間で生きている私にはのぼせるような思いだった。そんな心身の限界も来たくらいのところで、遂に京都を発つ段階がやってきた。思い返せば二泊三日程度がこの年頃で遠くに出かけるには丁度良いものなのかもしれない。
帰路は、京都駅15:12発の雷鳥で柏崎駅20:34着までまっしぐらだという。なんと乗り換え無しで郷里の柏崎から京都までは行き来できるのではないか。当時は言われるがままに当然の事として従っていたのだが、初日に倍の時間を掛けて辟易する思いまでして東京経由で遠回りしたのは何故だったのかと今にして思う。移動時間の短縮により、京都と奈良ではもっとじっくりと、更なる箇所も、日程に組めたのではないだろうか。滅多に行けそうにない方面だと思うと悔しい感じすらする。
ただ、それも令和の現在においての感慨。
昭和54年当時の”あの頃”の、しかも裏日本と言われた新潟の片田舎にあった中学生の我々には、上京する路程を体験させること、そして大都心「東京」の雰囲気を垣間見るだけでも経験させることが意味深いことなのだと教育サイドでは考えていたのかもしれない。
確かに、上越新幹線の開通は我らの修学旅行から3年後であり、東京駅乗り入れは12年後と遠い先だ。新幹線の体験も大きな修学要素だったのかもしれない。
それにしても、旅程の効率はもっとよくできなかったのかと、中学時代の修学旅行を後々振り返るたびに思い返す。そしてその思いは遂にちょうど40年後の平成31年(2019年)2月に私を二泊三日の京都旅行へと駆り立ててしまうことになる。その話は別途記したい。
〓修学旅行終わり〓
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↓柏崎市立第二中学校修学旅行以来40年ぶりに京都を訪れました。





