新潟久紀ブログ版retrospective

新潟暮らし推進課14「にいがた若者座談会(その3)」編

●にいがた若者座談会(その3)

 新潟の出身や新潟に関心のある東京在住の若者に向けてどんな仕掛けを講じれば新潟へのUIターンの動機付けにつながるか。アイデアを出そうと独り黙々と考え始めると、多様な切り口が浮かんでくる。働きかけ方が、セミナーや相談などのイベントのように直接的なものから、抽象的でも印象に残って気にならせて止まなくするようなジワリと効いていく間接的なもの、直感と感性に反射的に働くような表面的なものから、論理的で思慮深く哲学的な深層的なものまで、際限なく考えていけるなあと思う。
 なるほど、生活の拠点をどこにするのかという一大決心に関わる事柄というのは、没入している趣味や生きがいが最優先だとする何かを一点重視の方もいるのだろうが、大方の人は親しい人たちや経済的環境など生活を形作る様々な関係性の中で暮らす場所を判断している。新潟暮らしを誘うには極めて総合的な観点でアプローチを考えなくてはならない。そのアイデアは、自分だったらこんな仕掛けがあれば関心が生まれそうということが起点となる。新潟への移住促進策を考えるということは、私の30年に及ぶ多様な政策分野の業務経験を総動員で知恵を絞ることであり、私が生まれてから今日に至るまでどのようなものの考え方で暮らしてきて結果として新潟に根を下ろしているのか、それを振り返るいわぱ集大成とも言えることなのかも知れない。
 一気呵成にとばかり、休日の自宅自室でパソコンに向かうこと3時間余り。新潟暮らしを誘う仕掛けのアイデア叩き台35項目が箇条書きで列挙できた。直感的な思いつきレベルから直ぐにでも施策化できそうなものまで混在しているが、これをどう整理して座談会のネタに活かせるように仕立てるか。やはり、ターゲットに年齢や考え方が近いと思われる課の若手から意見を聴いてみるのがよさそうだ。
 土日の休みが明けた週の半ば、会議室を借りて課員を集め、私自作の新潟暮らしを誘うアイデアを一覧整理したエクセル表を示して35項目を説明し、一つ一つについて感想を聴きながら、若者座談会でどのようにこのネタを回すか協議した。課員からは、私が発想できなかったサブスクリブションといった近頃流行りの切り口でのアイデア項目追加の提案も出たり、私の固めの表現を平易に分かり易くする指摘なども出て、やはり若手からセンスを頂くのも大事だなあと実感。それにしても項目数が多いので、若者座談会の限られた時間での叩き台とするには件数を絞り込んだ方が良いということ、若者達をグループ分けして項目毎に点数付けしてもらい、ランキング形式にして座談会の締めに結果発表することにすれば盛り上がるのではなどと、座談会の組み立ても浮かび上がってきた。
 また、項目の事前の絞り込みや座談会の進め方など、座談会の企画そのものも当事者達に関わってもらってはどうかということになった。新潟暮らし推進課の我々が微に入り細に亘り仕立てた場にお客様のように若者を呼ぶのではなく、ある程度コアなメンバーにより企画会議を開催して、若者自身の手作りで座談会を設営しようという考え方は、UIターンに向けた仕掛けづくりから当事者自身が関与することによる実効性ももたらしそうだ。

(「新潟暮らし推進課14「にいがた若者座談会(その3)」編」終わり。県職員として11箇所目の職場となる新潟暮らし推進課の回顧録「新潟暮らし推進課15「にいがた若者座談会(その4)」編」に続きます。)
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