新潟久紀ブログ版retrospective

地域に住む人の減りを抑え、関与する人を増やすために

 新潟県庁の出先機関である新発田地域振興局に令和5年4月に着任して早や2年目。局内の若手職員から質問を受ける形で意見交換しました。
[◇若手職員、◆振興局長]

◇『住んでよし、訪れてよしの新潟県』の実現に向けて、新発田地域振興局長が考える、今年度の(又は長期的な)地域振興局の使命とはどんなことですか?
◆「地域振興」の究極の目的はこの地に「若い人で、住み続ける人」をできるだけ減らさないことと、「関心を持って関与し続ける人」を増やすことだと思います。
 そのためには「好きな事ややりたい事」で「経済的にも社会的にも生活していける」こと、つまり「働く場」と「暮らしよい環境」ができるだけ多くの人に共感してもらえるように整うことが求められます。県としての広域性と専門性によるインフラやセーフティーネットの整備を通じて効果的に貢献することが局の使命と考えます。

◇使命の達成に向けて、今年度どのように取り組んでいきたいとお考えですか?
◆コロナ禍明けで東京圏集中が再燃する中で、新発田地域に目を向けてもらうためには、既往の地域資源や生活環境の視点では労働や生活の志向が満たされない人達に、新たな価値を見出してもらえるような取り組みが必要だと考えます。
 地域に散在して個々では誘因には弱い魅力の数珠つなぎ的な情報発信や、市町の域や分野をまたぐ人材のネットワークづくりなどを仕掛けることで、相乗効果や化学反応による地域の魅力の創出や拡充につなげたいと考えています。

◆地域振興ということで思い浮かぶことや取り組みは。
◇故郷の村上では小学生時に塩引き鮭づくりを体験した。観光客等も体験できるとよい。
◇佐渡で住民と事業を実施していた。住民を巻き込めるところが良い
◇月岡には統一ロゴがあって統一感があったが、瀬波にはないので寂しい感じだった
◇新発田地域は人が良く、自分に合っている。地域おこし協力隊と接する機会がある。稲作転作と畜産との連携を進めている。
◇災害の多い地域なのでインフラ整備が大切。棚田の見せ方、ブランド化も大切では

◇使命の達成に向けて、部局・地域振興局の職員に期待すること、また、取り組んでほしいことについて教えてください。
◆職員各々が専門業務に分かれてはいるものの、地域振興の名の下にチームとしてあることを意識していただき、自分の仕事が直接的な目的のみならず地域の社会経済の発展にどう繋がっているのか考え、その効果や効率をより高めるために小さな改善でも良いので気付いて工夫することを心掛けて取り組んで欲しいです。
 私は、仕事で経験した思いや地域振興のアイデアなどを「新潟久紀」名によりブログやX(旧twitter)で随時UPしています。反面教師としてでも良いので参考にしてみてください。

◆地域振興局の一員であることについて思うところは。
◇局を意識していない、広域的な視点をもったことがない
◇「地域振興」とは何だろう。研修等で「局の役割」を聞いたことがない
◇多様な人が集まる場所がなくて自分の仕事ばかりの日々になっているので、局内の横のつながり、情報交換の機会があっても良いのではないか
◇振興局の一員として海釣りなど趣味の中で感じる新潟の良さを発信したい
◇農業振興部との相互研修で普及員の業務を行う機会がある

◇使命を達成するためには、部局・地域振興局の職員のモチベーションの維持・向上が図られるとともに、忌憚なくものが言え、知恵を出し合える風通しの良い職場環境づくりが重要ですが、そうした環境づくりのために、どのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか。
◆年度始めの職員への挨拶や振興局幹部を集めての会議など、機会あるごとに漏らさず「風通しの良い職場環境づくり」について啓発し、実効ある取組につながるように適宜意見交換などを行っています。
 所属長からは体制や人員などの状況を踏まえた工夫が様々に報告され、参考にしあっている他、加えて私からは所属長自身が業務や来客対応等を部下から見て分かり易くして透明性を高めることも奏功すると話し、自身も含め取り組みを強めたいと考えています。

◆皆さんそれぞれの職場での「良い風通し」のための工夫は。
◇部課長会議の結果を共有。月1 回課長代理と1 対1で面談
◇毎月課長会議、上司と相談しやすい環境にある
◇外部通告があれば全員で話し合う。課内では若手との勉強会を設けている
◇毎週部課長会議、毎月課内会議
◇センターテーブルで会議、月1 回課内会議、部長レク結果は供覧

◇人口減少対策には「働く場」が重要な視点ですが、地域振興局には農林業以外に商工などの産業政策の部門がありません。局長の使命を達成するためにどう考えますか。
◆土地そのものを生業に直結させる農林業の生産対策は現地性が高く市町村もまたぐ課題なので地域機関の関与が重要ですが、二次三次産業というのは経営と現場が県を越えて連鎖したり、日常使いの商いは市町村内完結ということなどから県の地域単位には組織しないということかもしれませんね。
 ただ、IT進展等によるグローバル化の一方でローカルな現地性を強味とするビジネス展開も増え、インバウンドなどには市町村の域を越えた産業連携の必要性が高まっていると思います。本庁へは臨場感ある効果的な政策立案につながるよう現場情報を提供していきたいですね。

◆このたび意見交換してどう思いましたか。
◇他の分野の業務も聞いてみたい
◇「職員インターンシップ」経験してみたい
◇若い人は子育てしやすい環境(家が建てられる、学校、公園、図書館等が近い)やバリアフリーが大切だと思った
◇新潟は良い観光地が多いがアピール不足だと思う
◇他の部との関りがないので、このような若手と局長との時間は良い

(「地域に住む人の減りを抑え、関与する人を増やすために」終わり。「へたれ県職員の回顧録」の「仕事遍歴」シリーズで現在進行形の日記形式「R6.6.17-R6.6.23新発田地域振興局長の細々日記」続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
https://twitter.com/rinosahibea
「活かすぜ羽越本線100年」をスピンオフ(?)で連載始めました。

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