新潟久紀ブログ版retrospective

活かすぜ羽越本線100年19「新発田駅以北・私の提案(その4)」

■JR羽越本線100年を機に新発田地域の振興を考えます。
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◆新発田駅以北・私の提案(その4)

 羽越本線の利活用増進を絡めて沿線地域の活性化に繋がる策はないか。新発田駅以北の鉄路が日本一低い山脈というインパクトでアピールできる「櫛形山脈」の裾野を沿うように走っていることに着目して、都市部の住民を櫛形山脈へと誘う企画を考えてみた。
 あれこれ様々なアイデアを頭の中に思い浮かべては消しての葛藤を経て、収斂させたのが「タイムカプセルを埋めて楽しむ地」にしてはどうかというものだ。
 当該「新発田地域」は、ほどよく田舎といえば聞こえはいいが、中途半端な地方都市とその郊外であり、都心の生活様式や仕事内容などの魅力を幼少より各種メディアから見せられ続け、全国的制度として最低賃金がランクづけられたことを背景にした初任給格差などを前にして、若者達、特に若い女性達の、進学や就職を機にした転出が続く新潟県内における典型的な地域の一つだ。
 若者の減少により少子化も続いているので、ローカル鉄道の羽越本線としては、主に高校生頼みの通学路としての利用は減る一方であろうし、人口減少が経済規模と雇用の場もしぼませること、そして道路網の整備の良さがアダにもなって、便利な車使用への代替も増えて、鉄路を通勤に利用するものそのものも減少するばかりだろう。
 右肩上がりの経済成長と人口増の頃のような鉄道利用方法をもう一度というのは、おそらくは、かなり暫く先までは構造的に望めない状況なのだ。
 そんな逆流の大河の中にあって、なんとかヨソの似たような地方都市ではなくこの「新発田地域」に来訪する人数を、しかも「羽越本線を使って」増やせないかと考えたとき、活かせるその沿線ならではの地域資源としては、ハイキング感覚の低山での登山や遊びが増えているいわれるコロナ禍後のトレンドを踏まえ、日本一低い山脈として唯一無二の決定的でインパクトある独自性を打ち出せる「櫛形山脈」が最有力であると考える。
 ただ、東京で大人気の高尾山のように後背にある首都圏の膨大な人口が往来しやすい地とは異なり、最寄りの人口集積地である政令市の新潟市からも小一時間を要する櫛形山脈は、そのものありのままで居てはどんなに情報発信を強化しても誘客増は心もとないので、新たな価値の創造と付加が必須なのだと思う。
 何かテーマパークのような開発を誘致したりするのを考えがちだが、バブルの頃の発想であり、パーマネントな理念や永続性の担保が無いままに一時の流行りで廃れたものが殆どといっていい成れの果てを散々目にしてきたし、そもそも、この地方都市においてはそんなカネや有意な投資を呼び込むチカラも無さそうだ。
 SNSの圧倒的影響力を持ち出すまでもなく、いまやワンビジョンをかざしてマスで人を動かすことのできる時代ではないと思う。ヒトの、とりわけ都市部生活者個々人の、内心に迫り、刺さり、行動に至らせる切り口というか事柄が必要なのだと思う。爆買いが象徴的な「モノ消費」から、思い出を創る体験などの「コト消費」へと観光行動が変わってきていると言われて久しい時勢からもそう思う。
 何か個々人単位の人に響いて動機づけになるのか。私の薄い半生で得た知見の中で収斂されたのが「タイムカプセル」というアイテムというわけだ。

(「活かすぜ羽越本線100年19「新発田駅以北・私の提案(その4)」」終わります。「活かすぜ羽越本線100年20「新発田駅以北・私の提案(その5)」」続きます。)
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