東京保健生活協同組合 看護部・看護学生室ブログ

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【実践編】1月土曜講座「採血・検体の取り扱い」

2016年01月21日 | 勉強会

前回記事の準備編に引き続き、実践編です

この講座内での採血の練習は、全て採血用の腕モデルを使用しています。赤い液体も本物の血液ではなく食紅です。

一部、手袋未着用での採血の様子が写っていますが、実際の患者さんに対して採血を行うときは感染防止のために必ず手袋を着用してください

採血・検体の取り扱い
~実践編~

採血用腕モデルを使って実践!
(1)注射針は一般的に21G~23Gを用いる。

Gはゲージと読みます。数字が小さいほど針が太く、大きいほど細くなります。
写真は翼状針(よくじょうしん)という種類の注射針で、普通の針に比べると針が短く、
翼(羽)の部分を持つことができるので刺しやすくなっています。

(2)駆血帯(くけつたい)で緊縛して静脈を怒張させる。

採血部位の5〜10センチ上部(からだの内側)に駆血帯を巻きます。
肘正中皮静脈から採血する場合は、上腕に。
長時間巻いていると血液の濃縮が起こり採血数値が変動する可能性があるため、駆血は1分以内を目安に!

(3)穿刺部位をアルコール綿で消毒し、乾燥するのを待つ。

アルコールにかぶれてしまう人もいるので、実際に患者さんから採血するときは
「アルコールは大丈夫ですか?」と一声かけましょう

(4)針を刺入し、シリンジの内筒を引いて採血する。

針の刺入角度は10〜30度が適切。104回国試でも問われました!

(5)駆血帯を外して、注射針を抜く。

↑アルコール綿で押さえながら抜針。
針を抜くのは必ず駆血帯を外した後で。この順序も国試頻出!

(6)アルコール綿で傷口を圧迫し、止血する。

アルコール綿は四つ折りにして厚みを出して圧迫止血するとよいです。
止血ができたら絆創膏で穿刺部位を保護します。 

(7)試験官(スピッツ)に血液を分注する。

血液の凝固に注意! 採血後、スピッツに必要量を注入したらすぐ撹拌(かくはん)

 

以上が、注射針とシリンジを用いた採血の一般的な手順でした。
一度の採血でやることがたくさんあってたいへんですね

しかし、静脈血採血の手順は国試の必修問題の中でよく問われますので、とりこぼしのないように確実に押さえておきたいですね 


また、シリンジを用いない「真空管採血」という採血法もあります。
写真で少しだけご紹介しますね!

↑これが真空管採血に用いるホルダーです。よく見る注射器っぽいけれど、引く部分がない!
血管内に針を刺入した後、後部のホルダーに採血用スピッツを差し込むと自然に血液がスピッツ内に流入します。
スピッツの中の気圧が大気圧より低く保たれているためこのようなことが可能になっています

 

↑これは、点滴用の留置針(りゅうちしん)です。
厳密に言うと採血には使わないのですが…ご紹介まで

金属の針とそれを取り巻くプラスチックなどの柔らかい筒の二層に別れており、穿刺部位に刺入したあと、金属の針部分を抜いて外筒だけを血管内に残す(=留置する)ことができるようになっています。
残った柔らかい筒とカテーテル(写真右の細く長い管)とをつなぎ、点滴を滴下します。 

現場で出会うケースあれこれ

血管が弱い方

血管が沈んで見えづらいので浮かせるために腕を指先で軽〜く叩いたら、血管が壊れて内出血
血管が見えづらいときは、温めるとよいです。また、どうしても自分では無理だと思ったら先輩に替わってもらおう!

認知症の方

どうしても暴れてしまう場合は、2人一組で抑えてもらいながら採血します(子どもの場合も2人で行うことがあります)。
また、声をかければ一時的に理解を得られる場合もあるので、「チクっとしますよ~」などと声をかけながら採血を。

太った方

一見、血管がどこかわからない…そんなときも、駆血帯で縛ると血管に弾力が出てわかるようになったりします。

先輩看護師からのアドバイス

採血は楽しい!

「自分は最初の頃、採血をしょっちゅう失敗していたので、上手く採れるようになってからは楽しいと思えるようになりました!」

「また、採血の難しい患者さんから血を採れたときには達成感があります!」

採血にもコミュニケーションが大事

「最初は誰でも失敗します。 でも、日頃から患者さんとよい関係性を築くことができていれば、少しくらい採血に手間取ったり失敗しても『しょうがないわねえ』で済ませてくれます。
技術も大事ですが、やはり普段のコミュニケーションが重要です!」

自信をもって採血できる血管を見つけておこう

「不安なままで採血するとだいたい失敗します。『この血管なら大丈夫』という血管を自分の中で見つけておきましょう」

参加学生の感想

「学校だとグループで順番に練習して1回刺せるくらいなので、じっくり練習できてよかったです」
「いま初めての病院実習中で、実習先でもコミュニケーションが大事と言われています。患者さんも『看護師さんが優しい人かそうでない人かは見ていてわかるんだよね』としっかり見ているようなので、優しい人と思ってもらえるように頑張っていきたいです」

次回は心電図!

次回の土曜講座は2016年2月20日(土)13時~(予定)
テーマは「心電図」です。東京健生病院にて、12誘導心電図について学びます!
授業だけでは理解が不十分だなと感じているあなた、ぜひ参加してみませんか?
色々な看護学校の学生さんと、実習状況について情報交換もできますよ

参加をご希望の方は、2月17日(水)までにお問い合わせフォームからお申込みください☆

東京保健の奨学生活動についての資料請求・お問い合わせもお待ちしています



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