Tuesday,18 December
ノブリンの好きな時代劇チャンネルで、「人斬り」があるというのでノブリンは、会社に顔を出してからすぐに帰ってきた。朝の9時から、人斬り?
司馬遼太郎センセイの「人斬り以蔵」がモチーフ。岡田以蔵が勝新太郎。武市半平太が仲代達矢。坂本竜馬が石原裕次郎。そして薩摩藩士の田中新兵衛が三島由紀夫という豪華さ。
三島由紀夫の高祖父は、田中新兵衛が切腹してしまったことで、不注意の咎で閉門を命ぜられた永井尚志であるという。
1969年の作品だ。田中新兵衛として切腹したシーンに凄まじさを感じた。わずか1年後の1970年11月25日、自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺している。45歳だ。
石原慎太郎氏とも交流があり、猪瀬直樹氏も三島由紀夫を描いた作品がある。
あの時代でボディビル等で身体を鍛え、ヌード写真を撮り様々な憶測を生み出していた。老醜を嫌い、ナルシストな三島にノブリンは共感している。
あの時代、ノブリンが学生運動をしていたときに真逆にいた、バリバリの右翼。
私は思想より彼の作品が好き。三島作品の豪華絢爛さ、格調の高さが好きだ。「豊饒の海」の王子様とお姫様の世界。恋がはじまるまでのもどかしさ。キスシーンの美しさ。
雪の日の逢引。幌を閉じられた人力車の中。一片の雪がとびこんで清顕の眉に宿る。聡子が「あら」と言い目を閉じる。「清顕は自然に唇を、聡子の唇の上へ載せることができた。接した唇の要のまわりに、非常に大きな、匂やかな、見えない扇が徐々にひらかれるのを清顕は感じた。聡子の唇はいよいよ柔らいだはその温かい蜜のような口腔の中へ、全身が融かしこまれるような恐ろしさから何か形あるものに指を触れたくなった」接吻後の聡子が「今、雪がここへ・・」と夢心地の声で言う。「雪が咽喉元から胸乳へ滴たったのを言おうとしたらしい」(2010.3.11)
Wednesday,19 December

海老芋。豚の角煮。しあわせ