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teacupからのお引越し
トライアスロン・読書日記・日常のあれこれ

正義中毒のドーパミンは体重増加する?

2021-11-28 23:48:00 | note 読書

noteにいた1年半で、体重が10㎏以上増えました。

予定していたトライアスロンレースが中止となりトレーニングのモチベーションが下がってしまったのです。

noteから離れていた3ヶ月で、トレーニングを再開し体重は10kg減り、トライアスロンレースを完走することができました。

トレーニングは、きついけど楽しく気持ちが良く、脳の快楽物資であるドーパミンが放出されます。

ドーパミンは生きる意欲のホルモンとも言われています。

ドーパミンが多く分泌されれば、食欲が抑制されます。そのため、ダイエットにも非常に有効だといわれています。


noteにはまってしまった1年半も、ドーパミンを分泌していました。『正義中毒』のドーパミンです。

許せなかったから、noteをはじめ 「どうでもいいや」と思ったからnoteを終わらせ、また許せないと思い『正義中毒』になってしまいました。

人は、なぜ他人を許せないのか 中野信子

脳科学者である著者が、SNSの炎上、パワハラ、不倫叩きなど世の中に渦巻く「許せない」感情が生まれる理由を脳の仕組みからわかりやすく解説しています。

面白いな、と思った観点は日本の歴史、地形、気候、自然災害から、個人より集団を大事にするという日本社会の特異性です。

生き延びるために他の集団に対する攻撃性がでてしまいやすく、本質的な正しさより、仲間内の正義を優先し正義がひとつしかないという前提があるため議論ができず人格攻撃になってしまう。多数派に属したい、集団の存続が正義という思考が同調圧力を生む。

どうしてそうなるのかわかると『正義中毒』から少し回復できるような気がします。

加齢による脳の退化も『人を許せないこと』の要因であり、老けない脳のトレーニングのヒントもあげています。

それは解決策ではないし、解決策はどこにも書かれてません。

結局人間が好きで、考えることは楽しい。考えることをやめずに、少しずつ良い方向を目指す一人でありたい。

中野信子さんのメッセージは、あたたかく心強い。

「どうでもいいこと」という感覚と距離感も好きだ。




『正義中毒』でドーパミンを出すのはもったいないと思いました。このドーパミンは体重増えたし。

負のエネルギー、負のドーパミンで体重も増加したんだ。

気持ち良かったんだ、わたし。

怖いな。

生きる意欲が、『正義中毒』だなんて嫌だ。


メタ認知、できているかな。




ダイエット方法だって、万人に効く方法はなく人によってそれは違う。

私は、私の好きなことでドーパミンを放出したい。


「余裕」を大切にしていきたい。

私も良い方向に進んでいきたい。

穏やかで前向きな気持ちになれました。

ありがとうございました。

琥珀の夏と新潮文庫の100冊

2021-07-20 18:19:00 | note 読書

映画「ジェラシック・パーク」は、化石の中の蚊から恐竜のDNAをとりだしていたけど、あの化石が琥珀で、樹の樹脂が固まって化石化したものです。昆虫や植物が入った琥珀は、その時代を閉じ込めたタイムカプセルとも言われてます。

タイムカプセルを少しづつあけていくような時が交差していく物語です。

『大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。

かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす』


子どもに環境を与え、成長して欲しいと願うのは大人だけど、それは子どもが本当に望み楽しいと思っていることでしょうか。

大人に聞かれたら、「楽しかった」と答えてしまう。「やっと、1日、終わった」「残りも、がんばろ」と眠りについていたのに。

琥珀は化石だけど、宝石です。長い時間を経て、宝石だと気づく物語でもあります。

◇◇◇◇◇

中・高校生の頃、夏がくるたび「新潮文庫の100冊」チャレンジをしてました。還暦子さんがこの新潮文庫の100冊について面白い記事を書いてらっしゃいました。
https://note.com/mmcd/n/n3c32d3638da6

2021年の100冊と1971年の100冊を丁寧に羅列し、さらに作家の年齢、作家の性別、外国文学比、読み継がれている作品と分析してくださってます。

還暦子さんも、2021年のラインナップでショックを受けたように私も同じように感じました。馴染みのない作家さんが多かったのです。数えちゃいました。読んだことがあるのは46冊。半分以上知らなかったです。

1971年は、やはり還暦子さんと同じようにしっくりきます。懐かしい作家さんで、今も読み継がれているものが多く旧友にあったような感覚です。これは76冊読んでました。

新潮文庫100冊の歴史は、51年で51回すべて入っている作品に、「車輪の下」「老人と海」等好きな本があるとふふふ、とにやけてしまいます。「赤毛のアン」は50回でした。さすが。

たまたま、昨日再読していた本が山田詠美さんの「ぼくは勉強ができない」でこの本は、26年間100冊の中に入っているようです。

中高生の一番読んでいた時期の100冊近くは、どの年だったのか調べたくなりました。ありがとうございました。

犯罪者は誰なのか

2021-07-12 05:56:00 | note 読書

お台場が会場であったトライアスロンのオリンピックチケットを持ってましたが、無観客になりましたので以下のメールがきました。

『対象のお客様へは、チケット代金の払い戻しを実施させていただきます。自動的に払い戻しの対象となります。オリンピック競技大会終了後に、ご購入者様の登録メールアドレス宛にご連絡いたします。その後、順次返金作業を実施させていただきます』


東京は4度目の緊急事態宣言になりました。昨年からの非常時の中で得体の知れない大きな力が動いている、というのを感じています。政治家、巨大企業の保身隠蔽体制が招いた悲劇が題材となっているのが太田愛さんの『犯罪者』です。

『白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う』

作者は、『相棒』の脚本家でもありドラマのようなスリリングな展開で息継ぐ間もなく体力を消耗してしまうようなジェットコースター小説で、ハラハラドキドキを楽しめます。

大企業の社員や政治家、テレビ業界スタッフ、民間人まで、事件に隠された真相を握る人物たちが登場し、それぞれの視点でも描かれています。

社会は善意と悪意でまわっています。

タイトルは『犯罪者』なのだけど、犯罪者は誰なのだろうと考えさせられました。通り魔殺人者は、もちろん犯罪者であるのだけど、この小説は犯罪者が多すぎます。犯罪が、別の犯罪を生み、犯罪を隠すために、また犯罪が起きます。犯罪の連鎖が止まりません。

自分のための犯罪と誰かのための犯罪。犯罪には変わりないものの、つい味方してしまいたくなる犯罪者も存在するのが、この小説のもつ不思議な魅力です。

くなんくなんさんのご紹介でこの本を知りました。本の中にどっぷり入り込みたいというときにいいです。ぐいぐい引き込まれていきます。一気読みで眠れなくなりますが。くなんくなんさん ありがとうございました。
https://note.com/akasatana_0917/n/n9a3a3410ac7d



オリンピック会場であるお台場、泳いでました。

つながることよりつながったあとどうするか

2021-07-07 22:18:00 | note 読書

加藤シゲアキさんへ

はじめまして。あなたのことはテレビの画面を通して知っていました。ジャニーズのイケメンで、本も書いてらっしゃる、と。「オルタネード」を読ませていただきました。

作家にとって賞というのは、登竜門であると存じておりますが私が惹かれたのは、吉川英治さんのお名前であります。私の育った家庭の基本のようなものです。

この度の吉川英治文学新人賞受賞おめでとうございます。

高校生活からずいぶんと遠くにきてしまった私なのに、瑞々しく痛々しいぐるぐるの渦の中に入り込んでしまいました。「オルタネード」の世界へぐいぐいと惹き込まれていきました。

私はピアノを弾いてましたが、右手と左手を交互に使って演奏することを、オルタネードといいますよね。もしかしたらあなたもピアノを弾いてらっしゃったのかしら。

alternate
(1)交互に起こる、互い違いになる、交互に繰り返す
(2)《電気》〈電流が〉交流する
(3)代わりのもの、交代要員、代理人、補欠
オルタネートとは?
高校生限定のSNSアプリ。個人の認証が必要で、利用条件は高校の入学式から卒業式までと定められている。お互いが〈フロウ〉を送り合うことで〈コネクト〉となり、メンバー同士の直接のやり取りが可能となる。また、ユーザーが指定した条件に合わせて相性のいい人間をレコメンドする機能、ブログを投稿できるSNS機能を持ち合わせ、高校生必須の人気アプリとして確固たる地位を築いている。
部活、恋愛、音楽、家族を通しての正統派の青春をSNSに絡めてお書きになられているのが巧みだなと思いました。

SNSをやらない人、依存している人、やりたくってもできない人。この3人が軸になりそれぞれの希望や葛藤が、オルタネート(交互に起こる・交流)なのですね。

お料理のシーンが好きです。調理部の新見蓉(にいみいるる)の作ったウィークエンドシトロン。週末に大切な人と食べるためのレモンケーキ。作ってみたいな。とうもろこしのおにぎりも。これは茹でてバターで炒めたとうもろこしとご飯なのかしら。レシピ知りたいなぁ。

私が好きなのは正統派の三浦くん。ストレートな言葉が格好良いです。なぜかあなたと重なります。あなたもお料理が上手なのでしょうか。

園芸部というのもいいですね。ダイキくんも格好良い。コンパニオンプランツというのはじめて知りました。一緒に育てると、良い影響を与える組み合わせの植物なんですね。

圧巻なのは終盤の文化祭と料理コンテストでした。視点人物が音楽のように変わり、実際に音楽も流れ、それぞれが交信していました。ジェットコースターのような勢いとそれぞれの熱量がいっきに流れ出して、私も一緒に震え鳥肌がたちました。

目次も格好良いです。「種子」からはじまって「出発」で終わりますね。装丁も美しく植物とアプリを象徴するようなイメージですね。

SNSはつながる、ということだけどつながったあとどうするか、ということを彼らが生き生きと教えてくれました。

加藤シゲアキさんの今後のご活躍を応援してます。読んでいただいてありがとうございました。

KANA

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2021/05/05 22:39


どぶ川で生きている人は格好良い~「心寂し川」を読んで

2021-07-07 22:16:00 | note 読書

今年の2月に新設された孤独担当省。生活困窮、児童虐待、いじめ、子育ての分野など多岐にわたり、担当省庁もまたがる中で、一体何をするのでしょうか。お役所仕事は、なかなか難しく結局のところNPO法人や民間企業などの協力が不可欠のようです。

江戸時代だって、孤独や貧困がありそこで生きている人々にはそれぞれ抱えているものがあります。孤独担当相なんてありません。あるのは淀んで濁った川と、長屋です。

江戸の片隅、小さなどぶ川沿いに建ち並ぶ長屋。
住人たちは人生という川のどん詰まりでもがいていた。
懸命に生を紡ぐ人々の切なる願いが胸に沁みる感動連作!
心寂し川 うらさびしがわ という表題にもなってますがこころ寂しい人たちが物語の主人公の6話の連作です。

「閨仏(ねやぼとけ)」は六兵衛という男がその長屋に不美人な妾を四人も囲っています。一番年嵩の妾のおりきが六兵衛が持っていた淫具の張方から仏像を彫ってしまうという面白い設定でした。仏像を彫ることで、おりきは不遇な生活の中に喜びを見出します。

『口は笑っているのに、笑顔とはどこか違う。あれはたぶん、人の生きざまを移したものかもしれねえな。生きてりゃどうしたって、悲しみはついてくる。情けない思いもいっぱいする。駄目なてめえを、ありのまんま受け止めて黙って見守ってくれる』

男性のそのもの張子からの仏様だからこそ、おかしみもあり優しさもあり心が宿っているのだと思いました。

このお話のラスト「格好良い」と思わず呟いてしまいました。淀みの中で生きていく覚悟と安心と喜び。強いな、と思いました。

「はじめましょ」はすべて4文銭で賄える飯屋を営む与吾蔵のお話で、家族をはじめるお話です。与吾蔵の作る江戸の素朴な貧乏料理がおいしそう!生姜を利かせた「漬け鮪」、安い豆腐を細長く切ったうどん風の「八杯豆腐」。作ってみたくなりました。

生き直すには、悪くねえ土地でさ
劇的な変化ではなく、その場で自分でできる範囲での生き直しって、ちょっとした勇気と気持ちの切りかえでできるんじゃないかな。

おかれた場所で咲く、というのがありましたね。読んではないのですが。

心寂し川は、流れているのだけど淀んでいて小さな支流。広い海に注がれていかなくって、そこに留まってしまう。だけどそれは、流れを変える力があります。小さな堰だけど。

生きる喜びと生きる哀しみの小さな堰の物語。

自ら堰となるやさしく強い気持ちを持ちたいと思いました。



本屋大賞、芥川賞、そして直木賞。私はこの直木賞の「心寂し川」が好みでした。しっとり落ち着いていて、安心して読めました。

noteさんのGW特集で ゆっくり読書をたのしみたい方へに本屋大賞の「52ヘルツのくじらたち」の感想文をとりあげていただけました。ありがとうございました。こんな企画もあるのですね。読書、映画、ゲーム、おうち時間等からの選出のようですので、書いてみてはいかかでしょうか。

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2021/04/29 05:14